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火曜日職場・隆太朗効果?その1
しおりを挟む今日は仕事の後に、龍之介の家へお泊りだ。
お互いに楽しく過ごして、終わらせよう。
弟は何か言いたげだったが、朝ごはんを一緒に食べて先に仕事へ出て行った。
「ふう……私も早めに行こうっと」
いつもより多い荷物を隠しながら早めに出社して、ロッカーに仕舞う。
仕事量も調整して、今日は定時に上がれるようにした。
昼休みの社員食堂。なぜだか今日は男性社員もいる。
ここ数日で、何故かみんなの仲が良くなった??
ワイワイと利佳子の周りに人が群がる。
「課長は休日とか何されてるんですか?」
男性社員に突然、世間話をされる。
「え?」
「あっ……これってセクハラですか!?」
「いえそんな……日常会話の範疇だと思いますよ。そうですね……本を読んだり、ホラー映画を見たり……」
「ホラー映画!? 課長がですか!?」
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「知らなかったです! そんな趣味が」
もう一人の男性社員も食いついてきて驚く。
「なんだよ~お前まで!」
「だってー俺だって課長の趣味とか聞きたかったんですよっ! 俺もホラー好きです!! デッドデッドゾンビ見ました?」
「えぇ、先日に見たわ」
隆太朗と見た映画だ。
何故かその話が大いに盛り上がり、男性社員の数も増えて和気あいあいする昼休みになった。
良い事だとは思うが、一体どういう変化なの? と利佳子は小首をかしげる。
自分は『怖い堅物上司』なはず……。
午後の長い会議を終えて、自分のデスクへ戻った利佳子。
なんだか会議も随分と白熱したものになった。
「お昼休みは、みんな課長とお話できて楽しそうでしたね」
事務員さんが書類と共にそんな話をしてきた。
「え? ……苦手に思われているんだと……思っているのだけど」
「そんな風に思ってたんですか~? みんな美人の課長に憧れてるけど近寄れないだけですよ」
「あ、憧れ? からかわないでください」
「えっ! 自覚無しなんですか~? これは早いうちに彼氏いるって言わないと、色々誘われちゃいそうですね」
「まさか~何を言っているの」
「ここ数日で、課長が更に好きになったって男子がいっぱいですよぉ~彼氏さん効果じゃないですか? 最近の課長ますます素敵ですもん」
事務員さんまで、まるで新人さんのように笑う。
思いもよらない言葉だ。
「みんなでからかって……ふふ、いやね」
「女子も男子も、もっと課長と交流したいから飲み会しろって言われてるんで、あの子やる気満々ですよ」
「えっ」
あの子とは新人さんの事だろう。
「その時にでも恋人いますって言ったらいいんでしょうね!」
「……えぇ……そうね」
その時にはもう……と思っているが、わざわざ言う事もない。
事務員さんは笑顔で去っていく。
どうしてだろう。この数日で何故か周りの反応が変わっていく……。
それって隆太朗とのお付き合いで……?
たったの数日……されど数日。
見えない隆太朗パワーを感じる。
確かにここ数日で心は柔らかくなった気もする……変な動悸もするけれど……。
その日の会議の後からの仕事も、皆のやる気を感じながら利佳子ブレインは大活躍。
なんとか課長としての仕事を終わらせて、更衣室での着替え。
着替えの後は少しメイク直し。
会う人への礼儀だと思いながら、ファンデーションを塗り直して口紅をひく。
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