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7日間のお試し交際?
しおりを挟む弟からの1週間のお試し交際の提案。
「トシ、あんた何を言って……」
「いいじゃん、なぁ? リュウ」
「お、お試しでもいいです! お願いします!」
また手を握られる。
衝撃の展開に、心がついていけない……が。
確かに1週間、お試しで付き合えば彼の方がこんな女は無理だ! と思うことだろう。
その時に年上として、今まで通り友達の姉として振る舞う。
それが最善な気がした。
「わ、わかりました。そうしましょう」
「り、利佳子さぁん!!」
キラキラの瞳が一層輝いた。
「やったーーー!!!」
「良かったな……!! じゃあ俺、出掛けてくるよ」
眠かったはずの弟は、何故かしゃっきりした顔をしてジャンパーを羽織ろうとした。
「待ってトシ! 俺、今日はもう帰るから!」
「え……いいのかよ」
「突然なんですけど……七日しかないから色々急いでもいいですか?」
「え? まぁ……そうね」
言われてみれば、交際後の七日では会うのも1回のカップルも多いだろう。
「俺、明日休みなんです。だから俺の家にご飯を食べに来ませんか? 俺、会社の近くの駅まで迎えに行きます!」
「え、えぇ…」
会社の近くは……と思ったが、もうなにが正解なのかわからない。
とりあえず頷いた。
「やった! じゃあ今日はおいとまします!」
「いいのかよ? せっかく」
「今日は幸せ過ぎて、やばいからちょっと頭冷やす。利佳子ちゃん!」
「えっ」
え、しか発してない自分に恥ずかしさを感じる。
『利佳子ちゃん』なんて親戚のおばさんくらいしか呼ばれていない。
「帰ったらメールしますね、利佳子ちゃん! えっと……片付けして帰ります」
「あー片づけ俺がするから」
「ごめんトシ、いいの?」
「うん、姉ちゃん。玄関まで、リュウを送ってやれよ。ほら」
「え、えぇ」
呆然としつつ、隆太朗を玄関まで送る。
「利佳子ちゃん、大丈夫ですか?」
「……うん……」
「明日、美味しいご飯とケーキ作っておきます」
また、わんこスマイル。
「……は、はい」
「いやですか?」
「いやではないです、ちょっと戸惑っているだけ」
「そうだよね、ごめんなさい。でも俺嬉しい。帰ってめっちゃ準備します」
「……うん……ありがとう」
どう反応していいのか、わからない。
玄関で、メールアプリの交換をして、ぎゅうっと手を握られた。
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