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隆太朗
しおりを挟む隆太朗は、利佳子にニコニコな笑顔を向けてくる。
眩しいような、わんこスマイルだ。
「いえいえ。いいのよ私は」
「だってリビング占領しちゃってるし、お土産持ってきたので! 一緒に飲んでくださいよ~これ、結構いいワインなんですよ」
隆太朗が手元のワインを持ち上げた。
「でも、せっかく二人で……」
「ふわぁああ~あ……俺ちょっと眠いし、姉ちゃんも暇ならリュウの相手してやってよ……ふわぁ」
「トシ、ひでぇ」
利紀はソファに寝転がり、クッションを抱えながらウトウトしだす。
「こら、利紀! お友達呼んでおいてダメでしょ!」
「俺は寝るかもよって言っておいたんだよ~~……ふわぁあああ」
「うう~言ってたけどさ~まだ早いし、寂しいだろ。……利佳子さん、一緒に飲んでくれませんか?」
弟は眠い時は絶対に、寝てしまう。
クーンと寂しげな瞳を隆太朗から向けられた。
弟の尻拭いは……姉がしなければ……と思ってしまう。
「じゃあ……着替えてくるから、少し待っていて」
「はいっ!!」
涙目から輝く笑顔。
利佳子は最近の若い子は、みんな素直で可愛らしいものだと思う。
スウェットはだらけ過ぎだろうと、柔らかいグレーのニットを着てストレッチジーンズ。
コンタクトを外してメガネをかけて、ひっつめていた髪は降ろした。
黒くてツヤのある髪にできたうねりを、少し整える。
パウダーを少し叩いて、リップだけ塗った。
「おまたせ。あら、買ってきたの好きに食べて飲んでて、良かったのよ」
「り、利佳子さん……キレイ……」
隆太朗が、利佳子を見て何故かポッと頬を赤くした。
「ん? ワインならチーズかしらね。ビールもあるけど」
「ありがとございます! もらいます」
そんな隆太朗の様子には気付かずに、利佳子はテキパキと隆太朗につまみや、飲みたいと言われたビールを出す。
余ったビールを冷蔵庫に入れようとしたが……。
寒い台所に白い紙の箱が置いてある。
「あら、これは」
「あ、すみません! それ俺が作ったんです! 良かったら食べてみてもらえますか?」
隆太朗が後ろから言った。
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