異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~

兎森りんこ

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ラミリアさんと夕飯※アユム視点

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 エイシオさんと別れ、ラミリアさんと『バル・エルハード』にやってきた。
 今日は少し蒸し暑い。雨が降るのかな。

 ラミリアさんが店に入った途端に、皆がどよめいた。
 冒険者達や店員さんの女の子も家族連れも、皆がラミリアさんの輝く美しさに魅入られる。

 田舎のビール園に突然、着飾ったハリウッド女優が現れたようなものだもの……。
 みんな驚くよなぁ……。

 店員さんがポ~~~っと見惚れて固まっている。

「スタッフさん? 予約してあるのだけれど」

「あ、はい! どうぞこちらへ!」

 ハッとなった店員さんが俺達を案内してくれる。

「この店は個室はないのよね~まぁワイワイ飲みましょ」

「はい」

 ファンタジー世界って感じの飲み屋さんだなぁ。
 丸いテーブルが何個も並んで、みんな大きな木のジョッキでビールを飲んで肉を食べている。
 ラミリアさんは柱の少し影になっている、まだ静かなテーブルを予約していた。

「嫌いなもの食べられないものは、ある?」

「う~ん……今のところはないんですが」

 まだ食べた事のない食材の方が、多いかもしれない。

「そっか。まだ此の国に来て日が浅いんだものね。じゃあ特にクセのないものを頼みましょう」

 ラミリアさんは手際よく色んな料理を注文してくれて、スタッフさんが大きな木のジョッキのビールをまず始めに持ってきてくれた。

「まさかラミリアさんも、この大ジョッキで飲むと思いませんでした」

「うふふ、大好きなのよねー! じゃあまずは乾杯!」

「はい! 乾杯!」

 少し歩いただけで汗をかいてたから、冷たいビールが喉に沁みる。
 俺がゴクゴク飲んだ後も、ラミリアさんはまだゴクゴク飲んでいる。
 さすがエイシオさんの従姉妹さんだ。お酒が好きなんだな。

「ぷはーっ! たまらないわね!」

「ふふっ」

「なぁに?」

「すみません、すごくキレイな女神様みたいなのに、飲む姿にギャップが……」

 あ、俺また余計な事。

「あはは! 私も冒険者だもの~野宿したりもするのよ」

「本当ですか」

「キレイな女神様、なんて思ってくれて嬉しいわ」

「あ、すみません……」

「嬉しいって言ってるのに、どうして謝るのよー! おべっかじゃない言葉って嬉しいわ」

 あぁキラキラしてて、素敵な女性だな。
 会社にもいたなぁ。昔でいうマドンナっていうのかな。

「やっぱり此処のビールは美味しいわね! あ、サラダがきたわよ~これも好きなの」

 最初にきたサラダはサクサクのフライドオニオンがかかって、チーズみたいな濃厚なドレッシングが美味しい。
 ラミリアさんは、もうビールのおかわりも頼んでる。
 ササッとサラダも取り分けてくれて……恐縮しちゃうな。
 うーん、さすがエイシオさんの従姉妹。完璧な女性だ。

「でも、どうして冒険者をやっているんですか?」

 ラミリアさんは良いところのお嬢様。なんだよね。
 それなのに、どうして……。

「どうして……? そんなの決まってる。エイシオと一緒にいたかったからよ」

 太陽のような笑顔でラミリアさんはそう言った。

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