大将とマリちゃん

松田 かおる

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「携帯電話」のこと

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「ねー、大将?」
「なんだい、マリちゃん?」

「大将はさー、電車とかバスでケータイで話してる人と一緒になったことってある?」
「たまにあるねー。」
「あたし今日電車でそれに出くわしちゃってさー」
「へぇー、そうなんだ。 で、マリちゃんはそれで迷惑な思いをしちゃったとか?」
「そーなの! 聞いてよもー」
「荒れてるねぇ」
「だってさー! 隣で大声で『あたしの見ているドラマのネタバレしそうな事』を話してる人に出くわしたらさあ!」
「あー、そういう…」
「しかも、ここ一番の時に『あ、降りる駅だから一旦切るねー』って!!」
「うーん、それはなんというか、災難な話だねー…」
「でしょー!! 『今まで大声で話してたんだから、どうせなら降りるところで切らないで最後まで聞かせてよ!』って感じだよ!」
「でも電車の中のマナー的に考えると、それはそれでねー」
「だから消化不良で仕方なくって!!」
「まぁ、解る気はするねぇ」
「どうしたらいいと思う?」
「聞かなかったことにはできないから、マリちゃんから追いつくしかないかもねぇ」
「だよねー、後追いはなんか悔しいけどね」
「向上心はいいことだね」
「だからさ、今日バイト上がったらマッハでお家帰ってドラマ見て追いつくから、大将夜食作って!」
「何でおれが」
「だって大将が作る夜食、おいしいんだもん…」
「それはそれで嬉しいけど、一人で食べるだけでいいの?」
「…じゃあ大将が付き合ってくれる?」
「でもおれはまだお店があるからなぁ」
「…朴念仁」
「何か言った?」
「なんでもありませんーー! いいの! あたしは一人モソモソ大将の夜食食べながらドラマ見るのが好きなんだから!」
「…あのさ…」
「なに?」
「一人で夜中に夜食食べながらなんてさ…」
「なんてさ?」
「太るよ?」
「………っっ!!」

「痛っ! 痛っ! 金属たわしは痛いから投げないで!?」
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