2 / 6
「お気に入り」のこと
しおりを挟む
「ねー、大将?」
「なんだい、マリちゃん?」
「大将の『お気に入り』って、何?」
「『お気に入り』?」
「うん、そう」
「だったら、コレかなぁ」
ギラリ
「オーケー大将、いくら出せばいい? 天引きで賄える?」
「え?」
「え?」
沈黙。
「だって、刃物向けられたらさー」
「…あー、ごめんごめん。 でもそのくらい『お気に入り』だったものだから」
「んー…なんだか思うところ含むところはなくもないけど、まぁいっか。 大将の『お気に入り』は、その鈍色出刃なんだねー…」
「三徳包丁も捨てがたいけど、やっぱり出刃がお気に入りだねー」
「…朴念仁…」
「え?何か言った?」
「いいえなにも。」
「そう?」
「そう。 だったらせっかくだから、そこまでご執心な『出刃子ちゃん』に出張ってもらわない?」
「出張る?」
「そう。 そこまで惚れ込んでるんだったらさ、今日の仕事は『出刃子ちゃん』と過ごしたらいいんじゃない?」
「えぇー…?」
「だいじょーぶ。 愛があれば色々乗り越えられるからさw 人参とか大根の飾り包丁も隠し包丁も、『愛する出刃子ちゃん』が頑張ってくれるよ?」
「えぇー…」
「じゃ、下拵え頑張ってねーぇw あたしは店周りのお掃除してくる!」
「『愛してる』と『好き』は違うんだけどなぁ… ま、後でぶりはま丼食べさせとけばいいか…」
「なんだい、マリちゃん?」
「大将の『お気に入り』って、何?」
「『お気に入り』?」
「うん、そう」
「だったら、コレかなぁ」
ギラリ
「オーケー大将、いくら出せばいい? 天引きで賄える?」
「え?」
「え?」
沈黙。
「だって、刃物向けられたらさー」
「…あー、ごめんごめん。 でもそのくらい『お気に入り』だったものだから」
「んー…なんだか思うところ含むところはなくもないけど、まぁいっか。 大将の『お気に入り』は、その鈍色出刃なんだねー…」
「三徳包丁も捨てがたいけど、やっぱり出刃がお気に入りだねー」
「…朴念仁…」
「え?何か言った?」
「いいえなにも。」
「そう?」
「そう。 だったらせっかくだから、そこまでご執心な『出刃子ちゃん』に出張ってもらわない?」
「出張る?」
「そう。 そこまで惚れ込んでるんだったらさ、今日の仕事は『出刃子ちゃん』と過ごしたらいいんじゃない?」
「えぇー…?」
「だいじょーぶ。 愛があれば色々乗り越えられるからさw 人参とか大根の飾り包丁も隠し包丁も、『愛する出刃子ちゃん』が頑張ってくれるよ?」
「えぇー…」
「じゃ、下拵え頑張ってねーぇw あたしは店周りのお掃除してくる!」
「『愛してる』と『好き』は違うんだけどなぁ… ま、後でぶりはま丼食べさせとけばいいか…」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる