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配達を終えたサンタの気分って、こんなものなのかしらと思いながら家に着くと、無事に配達を終えた父が、居間のコタツでお茶を飲んでいた。
そして通り掛かったあたしの姿を見ると、
「なんだその格好は。 仮装パーティーか?」
と、一言だけ言った。
「うるさいわね。 いいでしょ」
と、あたしはそっぽを向いて答えた。
「そう言えば、プレゼントが本堂から一つなくなってたんだが、由加里、お前知らんか?」
…知ってるくせに…
「知らなーい。 きっとおせっかいなサンタが配ったんじゃないの?」
と、あたしは答えてやった。
「…そうか。 世の中にはまた、ずいぶんとおせっかいな人もいたもんだなぁ…」
父はとぼけた口調で言うと、またお茶をひとくち飲んだ。
「ね、とーさん…」
あたしは居間のコタツに足を入れながら言った。
「なんだ?」
「サンタって、楽しい?」
あたしがそう言うと、父はこっちを向いて、
「さぁ、どうかな? やってみれば分かるさ。 せっかくだらどうだ、お前も?」
と言った。
あたしは微笑んで、
「さぁ、どうしようかしら…」
と答えてやった。
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