我が町の怪奇事件

 埼玉県にあるソカ町。東京のベッドタウンとして発展してきた、ありふれた住宅街。
 そんな町に住む穂刈優人。優人は小学生までソカ町に住み、父親の転勤で沖縄県に引っ越し。最近、ソカ町の自宅を借りていた住人が出ていくと聞き、両親の反対を押し切って、またソカ町に住み始めた。 
 ある日、小学校で友人だった神林七月が訪ねてくる。神林七月は、今は怪談収集や心霊スポット巡りが趣味になっており、優人も神林の話を訊くうちに、大人になって忘れていた町の都市伝説を思い出していく。
 夜中に田んぼに転がる女の白い生首、雨の日の真夜中に出現する異世界への道、竹林に囲まれた殺人鬼が住んでいると噂の地主の屋敷……。
 次第にノスタルジックな思い出が、恐怖へ変貌していく。
 
 
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