エッセイ集を出せば売れる、と聞いたから。

追憶：保育士として子ども達とのやりとり 他

▫️混ぜっこすると

g「なーなちゃん！」
な「なーに？」
g「あのね！　赤色と黄色を混ぜっこするとねーオレンジ色になるんだよー！」
な「へー！　凄いね正解だ！」
g「あとね、赤色と青色を混ぜっこすると紫色になるんだよ」
な「うんうん！　それも正解！」
g「あとはあとは！　黄色と青色を混ぜっこすると緑色になるんだよ」
な「だーい正解！　よく知ってるなぁ」
g「お家で実験してるんだ。」
な「へぇー面白いことしてるねー」
g「でもね、お母さんはもう実験はやめてっていうの…」
な「あらあら、それはなんで？」
g「実験すると、いっぱい汚れるっていうの」
な「なるほど、ねぇ。どんな感じでやってるの？」
g「えーと。お兄ちゃんの絵の具をお皿に出して」
な「…」
g「あとお母さんのお化粧のところから筆を借りて」
な「…」
g「お風呂で混ぜっこしてるんだけど」
な「…うん。多分私もお母さんだったら、やめてって言うかな…」
g「なんで？」



無垢な瞳が私に刺さります。
（お母さんがお迎えに来た時に、一緒に話してあげるね）
そう伝え、その場を凌いだ。
お母さん、（やめて）で済ますあなたは聖人だよ。