エッセイ集を出せば売れる、と聞いたから。

追憶：保育士として子ども達とのやりとり 他

▫️逆転げき5

うちは子ども園なので、小学校と同じく夏期休暇に入る子どもがいる。
とはいえ各クラス概ね片手で足りる程度の人数だ。
休みに入る子は
「園に来たいよー！」だし
何も変わらない子は
「私も・僕もお家がいいー！」と
互いにない物ねだりをするのは最早定番。

な「ちょっと長いお休みだけど、毎日元気に過ごしてね！
次に会ったときは、お休みの間の楽しいことや面白いこと、いっっっぱい聞かせてね！」
g「ななちゃんこそ…私がいなくて大丈夫？」
な「私は大丈夫よ、だってせんs…」
g「ななちゃん、ケータイがない時はお友達に聞くんだよ？
おトイレに行く時は、ちゃんと言ってから行くんだよ？
ご飯好き嫌いしちゃダメだよ
あと、お友達と一緒にお昼寝したらお仕事できないからね。頑張ってね！」
な「…うす。」
護「すみません先生、この子ったら！」
な「いえ、それだけ普段から私のことを見てくれているってことですよ。
心配してくれるってことは、思いやりの心がしっかり育まれているとも言えますしね！
少し長いお休みですが、どうぞお母様もご自愛くださいね」
護「ありがとうございます。先生こそ…

頑張ってください（辛辣」





そう言い彼女は園を出て行った。
数日後、遊歩道からそれはそれは大きな声で「な・な・ち・ゃ・ーーーーーん！」
と呼ばれて、
少しだけ嫌な気持ちになった。