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追憶:保育士として子ども達とのやりとり 他
▫️3回の壁
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自慢じゃないが私はけん玉が苦手だ。
苦手というか、下手だ。
下手というよりも、できない。
できないから、嫌いだ。
なので子ども達に(教えて)と言われても的確な助言ができない。
だから
(げん玉が上手な:A君に聞いてごらん~)とか
(さっきB君もやってはったから、一緒に頑張ってみたら良いんじゃないかな)とか
(T先生に聞いてみて)ぐらいしか返答ができない。
だってできない奴の戯言なんかより
真剣に取り組んでいる人たちからの言葉の方が真に届くでしょ?
こんな私だけど、練習に励んでいた時期もあった。
大皿やろうそく程度なら出来る。
とめけんはできない、出来る気がしない。
同じ理由でヒコーキや灯台もできない。
そして定番のもしかめ。
最高記録3回。
これ以上も、これ以下もない。
なので、いつの間にかもしかめ3回以上できれば私よりも上手、という構図が出来上がってしまった。
g「もしもしかめよ…あぁ」
b「違う違う、膝をかくってするんだよ」
g「う~ん…じゃもう1回!
もしもしかめ…あー落ちた…」
b「だから、膝をさ。かくってするねん。見ててみ」
軽快なリズムでけん玉が宙を舞う。
b君はけん玉の猛者だ。
対してgちゃんは最近取り組み始めた初心者、つまり私と同じ(ぁ
b「わかった?」
g「う~ん…」
b「頑張ればできるって!ななちゃんでも3回はできるねんで」
g「そっかー先生でも3回か…
じゃあもう1回やってみる!」
3回の壁もとい私は指標となっていた。
あいつ:ななこでも3回できる、ということがモチベーションになっているのだ。
へへ、真の強者は言葉なんか必要ないんだな。
私は涙が出そうになった。
後日、gちゃんは私の目の前でもしかめをやり切った。
私は泣いた。
苦手というか、下手だ。
下手というよりも、できない。
できないから、嫌いだ。
なので子ども達に(教えて)と言われても的確な助言ができない。
だから
(げん玉が上手な:A君に聞いてごらん~)とか
(さっきB君もやってはったから、一緒に頑張ってみたら良いんじゃないかな)とか
(T先生に聞いてみて)ぐらいしか返答ができない。
だってできない奴の戯言なんかより
真剣に取り組んでいる人たちからの言葉の方が真に届くでしょ?
こんな私だけど、練習に励んでいた時期もあった。
大皿やろうそく程度なら出来る。
とめけんはできない、出来る気がしない。
同じ理由でヒコーキや灯台もできない。
そして定番のもしかめ。
最高記録3回。
これ以上も、これ以下もない。
なので、いつの間にかもしかめ3回以上できれば私よりも上手、という構図が出来上がってしまった。
g「もしもしかめよ…あぁ」
b「違う違う、膝をかくってするんだよ」
g「う~ん…じゃもう1回!
もしもしかめ…あー落ちた…」
b「だから、膝をさ。かくってするねん。見ててみ」
軽快なリズムでけん玉が宙を舞う。
b君はけん玉の猛者だ。
対してgちゃんは最近取り組み始めた初心者、つまり私と同じ(ぁ
b「わかった?」
g「う~ん…」
b「頑張ればできるって!ななちゃんでも3回はできるねんで」
g「そっかー先生でも3回か…
じゃあもう1回やってみる!」
3回の壁もとい私は指標となっていた。
あいつ:ななこでも3回できる、ということがモチベーションになっているのだ。
へへ、真の強者は言葉なんか必要ないんだな。
私は涙が出そうになった。
後日、gちゃんは私の目の前でもしかめをやり切った。
私は泣いた。
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