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21話_私、動かない

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昨日は本当に駄目な1日だった。
朝起きて洗顔、朝食、洗濯、掃除と…ここまでは良かったものの
その後、どうにも動けなくなってしまった。

体は指の一本も動きがしない

思考は停止

椅子に腰掛けて脱力状態のまま、
次第に暑さで汗ばんでくる



(マズイなぁ)



そう思った時に、額から汗が出ていることに気付く私。
眼球を動かし
ケータイの位置を確認する

手を伸ばしただけじゃ届きそうにない。

意識的に一息つく。

全身に力を入れ、体を動かすイメージを想像するが
途中で途切れる。
もう一度、イメージを…



(なんで、今日はこんなに動けないんだ?)



そう、考えてしまった。
答えは簡単、職場から着信があったのだ。
洗濯ー掃除をしている間に、職場から電話があったようで、
ケータイを手にした時に気付いた。

分かっていて出なかったわけじゃない。
気付けなかっただけ。
ただ、それだけ。





でも、それだけで十分だった。



私は今、勤め先から休みをいただいている。
法に基づき、休職手当もいただいている。

今の状況になったことの要因の大部分は仕事、職場である。



思いが錯綜する。
胸の奥がギューと締め付けられる思い。
凄く、嫌な気持ち。

ケータイをベッドに放り投げて
椅子に腰掛ける。

(何の、何の連絡だったんだろう…)

(かけ直した方がいい、よなぁ…)

(出来るか?)

(声、出るかな?)

(嫌なことだったら、どうしよう…)

(頭、回るかなぁ?)



(電話…嫌だなぁ…)



(連絡、嫌だなぁ…)



体は指の一本も動きがしない

思考は停止

椅子に腰掛けて脱力状態のまま、
次第に暑さで汗ばんでくる。





次に気が付いた時には
ベッドの上で横になっていた。
室内は真っ暗。
小窓から外の光が少しだけ入ってくる。

幸いエアコンはついていて、少し…暑いな、と言ったところ。
時計に目をやると24時を回っていた。
ほぼ半日意識がなかった。
最近はここまでのことはほとんどなかったけど、
本当にダメな日だった。

(…電話、できんかった…)

そう思いケータイに目をやる。
追着はないようだ。
その事実にホッとする。



(LINE来とるんかなぁ…)

休職に入ってからLINEはほとんど使ってない。
職場、同僚、先輩、後輩はもちろん
友人とのやり取りさえしていない。

していないじゃなくて、できない、かな。

心配している、そんな旨の通知が何件か入っていることは知っているけど
開きもせず、
ただ
放置している。

なので、昨日の着信についてLINEに伝言があっても
私にはわからない。
今日は着信があるのか、ないのか。
怯えながら起床した。
今のところはない。
そして今日も動きたくない。

こんなくだらない文だけを1時間以上かけて綴っている。





まだ、心は落ち着かない。
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