エッセイ集を出せば売れる、と聞いたから。

追憶：保育士として子ども達とのやりとり 他

▫️約束の重み

一同「指切りげんまん、嘘ついたらハリセンボンのーます！
　　   指きった！」

活動の時間内で出来なかったことや、
降園時にやり残したことなど
ありとあらゆる場面に出てくる約束の魔法の言葉。
同時に、約束したもの同士の信頼の証とも言えます。

そんな指切り。
一緒に指切りしたのに、忘れちゃうことなんてザラにあります（酷い
それこそ　おとなもこどもも、おねーさんも（MOTHER

「ごめんね💦」
「忘れてたわ」
「約束したっけ？」
「？」

こんな場面もよくあります。
でも中には…

コネコネコネコネコネコネコネコネコネコネ…
延々と粘土に取り組むb君。
何を作っているのか、一向に分かりません。
直接、当人に聞いてみることに。

な「b君、何作ってるの？」
b「ハリセンボン」
な「へー珍しいもの作ってるんだね。ハリセンボンって知ってるの？」
b「お母さんに教えてもらった」
な「そっかそっか。出来たらまた見せてね」
b「いいよー」

言葉通り、珍しいものを作っているな、とその時は思っていました。
その時までは。



暫くするとb君がやって来ました。
手には、お団子に引き延ばした三角をつけたような可愛らしい作品があります。

な「おー！出来たの？」
b「うん。ハリセンボンできた」
な「どれどれ…本体と別に針もいっぱい付いていて海にいそうな感じだね。とっても素敵にできたね」
b「うん！頑張ったからなぁ。これ飾っておいていい？」
な「いいよ～、どこに置こうか～、お母さんにも見せてあげたいね」
b「約束忘れた時は、コレ飲んでもらうんだ」
な「ま？」

確かにそう呟いたb君。
手には粘土の塊。
これは友達に対してなのか、私に対してなのか、はたまたお母さんに対してなのか。
その日のお迎え、お母さんと相談したのは言うまでもない。