エッセイ集を出せば売れる、と聞いたから。

:ななこ。@保育士、休職中

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3話_私の特技

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私には人並み外れた特技がある。
この特技に気付いた随分と昔の話、遡ること…
何年前だ?
いや数十年前かしら?

そうだ、小学生の頃だ。
なんて事のない、
小学生らしく
宿題がなくなるように友達と黒魔術ごっこをしたり
放課後の小学校を使って鬼ごっこをして先生に捕まりこっ酷く怒られたり
校区外の公園に出掛けて「今私悪いことしてる!」と粋がってみたり
謎のスリリングを求めてブランコジャンプにチャレンジしてみたり。

実に小学生らしいあそび、もとい使命感に興じていた去る日に気付いてしまったのだ。
「私って、もしかして…!」



人様に大々的に特技と言えることなんて
相当な自信がない限り、口が裂けても言えるものではない。
それか、余程の怖いもの知らず。

私はと言うと
そんな図太い神経を持っている訳でもなければ
毎日が怖くてブルブル震えながら過ごすような小心者。
その姿は生まれたての子鹿の比ではなく、
紐を引っ張るとブルブル震えるおもちゃの程。
(どこかの当社比)

そんな私が
「人並外れた」
「特技」
と、形容詞まで付加して言い切るくらいなんだから
私のことを知らない人でも
幾分かは興味が湧くというもの。

というか、興味持って。
持ってくれないと承認欲求が満たされないだもん。

ここまで綴って原稿用紙1枚と少し程度の文字数。
薄く引き延ばした私の特技を皆様に披露しよう。
そう、私の人並外れた特技とは…

「「靴下の左右を間違えたことがない」」(ドンッ!)



ね、凄いでしょ?
人生で今まで靴下の左右を間違えたことない人なんて
そうそういないよ?





今「こいつ馬鹿か」って思った人、
一度冷静に考えてみて欲しい。
そもそも靴下に左右なんて考えたことある?
絵柄があるならまだしも、
右も左も同じデザインをしているものであれば
・右履き用
・左履き用
なんてことを意識したことがある?
多くの人は多分ないと思う。

そして、これらを踏まえた上で私は皆様に伝えたい。
「青いな、実り切らないトマトのように青いぜ…!」

身の回りにいる子どもに聞いてごらんよ。
「ななちゃん、靴下間違えたことないんだよ」って。
きっと
「すごいっ!」
って目を輝かせるか、
「私も・僕も間違えないし!」
って言うから。

要は固定概念って案外身近にあるんだよってお話。
それと、ものの見方や心の在り方。
当然のことを「私、凄い!」のマインドを持つことで
ものの見方が変わるし、
何より子どもの世界観が見えてくるからね。
腐ったみかんをリンゴと言うかい?
腐ってもみかんはみかん、
休職してても保育士は保育士なんよ。

しかし、ひた隠してきた私の特技をネットに書き込む日が来ようとは、
これも売れるためだ、
致し方ないなぁ٩( ᐛ )و
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