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第八話 十二試陸上攻撃機
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ついに火星エンジンが完成したので、ここからは零式陸攻の開発話となります。
■1937年(昭和十二年)9月
海軍航空廠
仮称十二試陸上攻撃機
第一回技術会議
中国で九六式陸攻が大損害を被った事を受け、海軍が三菱に要求したことは九六式陸攻の強化であった。特に防御の弱さは明確に『欠点である』として、会議冒頭でも強調されている。
この日、海軍航空廠(後の海軍航空技術廠)では、三菱の技術者を呼んで要求仕様の質疑と詳細の擦り合わせが行われていた。
「ひとつ確認させてください。要求仕様では速度・武装・防弾以外はG3(九六式陸攻)とあまり変わらない様に感じます。本当にこれで間違いありませんか?」
九六式陸攻を設計した三菱の本庄季郎技師が挙手して質問する。
「余計なことは考えるな!用兵については軍が決める。三菱は黙って軍の仕様通り作ればいい」
本庄の質問に議長を務める和田操航空廠長が憮然として答えた。
「申し訳ありません。承知しました。ありがとうございました」
和田の答えに本庄は素直に頷いた。
(言質は取った!)
だが心中で彼は喝采をあげていた。
海軍の要求仕様では発動機として金星3型と先日審査に合格した火星10型が指定されている。金星は九六式と同じエンジンである。とてもでないが要求仕様を満たすことなどできない。どうしても金星でいくなら四発化が必要となる。
だが火星を使うならば話が違ってくる。
発動機部門の話では現在改良中の火星エンジンは2000馬力を超えるという。つまり金星の倍以上の出力を発揮することになる。2基合計で増加する2000馬力すべてを防御の向上に使っていいと軍は断言したのだ。
これならば出来ない話ではない。本庄は会社に取って返すとすぐに基礎計画の検討に取り掛かった。
■基礎計画の開始
名古屋にもどった本庄は、早速開発チームの服部技師、日下部技師、櫛部技師らを会議室に集めた。自分は黒板の前に立つ。
『発動機 : 火星 2基4000馬力』
本庄はまず黒板にそう書いた。
「爆弾搭載量はG3と変わらずで良いそうだ。海軍の言質は取ってある。火星は2000馬力となると想定してくれ」
だからこの追加の2000馬力で要求仕様を満たす。そう本庄は皆に告げた。
■胴体
「確かに火星の出力は金星の倍ですが、その分重くて燃料消費率も高いですね……」
九六式の金星3型と火星10型の要目を見比べながら服部が言った。
火星は金星にくらべ300㎏ほど重い。つまり2基合計で600㎏の増加となる。燃料噴射装置のお陰で若干はマシなものの燃料消費量も多い。要求仕様の航続距離を満たすには、概算でも九六式陸攻の1.5倍から2倍は燃料を搭載する必要があった。
「それに要求された速度を達成するには胴体内爆弾倉が必須となります」
「これでは主翼全部をタンクにしても燃料を積む場所が足りないですね」
日下部や櫛部らも々と意見を口にする。
「確かに皆の言う通りだ。ならばもう丸断面の胴体は諦めるしかない」
本庄は九六式で成功した丸断面の胴体をあっさり諦めることにした。空力的には誘導抵抗の小さい丸断面の胴体が理想であるが機内容積を確保できないのだ。
『胴体 : 角断面』
本庄が黒板に記した。こうして胴体は英米の爆撃機のような長方形の断面をもつという設計方針が決まった。
■装甲
「さて、次は課題の防御だ。当然、防弾板を装備することになる。中国での戦訓では燃料タンクの火災から撃墜に至っている。つまり防御すべき場所は燃料タンクが中心となる」
本庄はそう言って黒板に『燃料タンク防弾』と書いた。
「そもそも、どのくらいの防御力が必要なんですか?」
日下部が質問した。
「海軍は20ミリ機銃に対する防御を想定しているらしい」
「20ミリ?ああつまり敵も十二試艦戦と同威力の機銃を使うと想定していると」
十二試艦戦、後の零戦の要求仕様も9月に三菱と中島に対して出されていた。こちらは堀越技師のチームが中心となって検討に着手している。日下部や櫛部らはそちらの業務も一部兼任しているため要求仕様を知っていた。
「そういう事だ。20ミリ機銃を防ぐには、タハード鋼(表面硬化装甲板)で少なくとも16ミリの厚さが必要だそうだ」
敵機が多用する7.7ミリや12.7ミリ機銃に対しては6ミリの厚さがあれば十分と考えられていたが、海軍の実験では九九式20ミリ一号機銃は射距離200メートルで15.6ミリの鋼板に垂直に命中すれば貫徹できることが分かっていた。
このため16ミリ厚の装甲板ならば何とか防げる(貫通されても破口が小さい、残速が小さい)ため、海軍は機体後方の垂直面に16ミリ厚の装甲板を要求していた。
実戦では装甲板に垂直に弾があたる事は少ない。このため後方以外の面は薄くしても大丈夫だろうと考え、本庄は黒板に次の様に書き加えた。
『装甲厚 : 後面16mm、その他12mm。防漏ゴム付加』
■燃料タンク
「その装甲重量を支えるとなると機体の構造自体も相当強化する必要があります。構造材だけでも相当な重量増加になりますよ」
服部が心配そうに意見をのべた。
「防御する燃料タンクはどこに置く?」
「そりゃ胴体しかないだろう。G3みたいに主翼に燃料タンクを置いても装甲板は付けられないぞ。主桁が折れる」
「胴体に10000リットルも置けるか!爆弾も魚雷も積めなくなるぞ!」
「ならば爆弾や魚雷は主翼の下に吊り下げれば……」
「それじゃ要求速度を絶対に達成できんだろ。下手したらG3より遅くなるぞ」
議論が紛糾する。その流れを櫛部の発言が変えた。
「あの……タハード鋼はアルミより強度がありますよね?だったら構造材で装甲を支えるのではなく、逆に機体強度の一部を装甲で受け持たせられませんか?」
「なるほどそうか!主桁や縦貫材の一部を装甲板にすれば!」
「それなら燃料タンク自体を装甲板で組んで機体構造に組み込めばいい!」
「となると主桁と胴体中央部の構造材が不要になるな!大きな重量軽減にもなるぞ!」
本庄もそれらの意見に同意し、黒板に書き記した。
『燃料タンク : 装甲板で構成し機体構造に組み込む』
■主翼
次に本庄は『主翼』と黒板に書いた。
「G3は丸断面胴体だったから仕方なく中翼形式としたが、長方形断面なら主翼の位置は自由になる。どうしようか?」
一般に胴体と主翼の取付部位は圧縮のため空気抵抗が発生する。丸断面胴体の場合、中翼が一番抵抗の少ない形式となる。どうしても低翼形式とする場合は、この抵抗を低減するためフィレットが必要となる。
だが長方形断面の胴体の場合は主翼を胴体のどの位置につけても抵抗は変わらない。つまり主翼配置に自由度があった。
「G3は主桁が胴体を貫通している事もあり胴体内に十分な容積を確保できませんでした。機体前後の連絡にも問題があります」
服部が発言する。九六式陸攻は胴体が非常に細いため爆弾倉がない。機体後部へ移動する際も這って動く必要があるほどである。
「胴体内に爆弾倉も設けるなら高翼配置の一択でしょう」
日下部が断言した。それに服部や櫛部が異論を唱える。
「いや、そうなると発動機の位置も上になるぞ。それじゃ主脚が地面に届かない」
「しかし中翼だと爆弾倉の設置が難しいぞ。低翼では爆弾倉は不可能になる」
「高翼でも主脚を長くすればいい」
「長いと強度に不安があるな。収納も大変だし強度を持たせると重くなるぞ」
「では胴体に主脚を設置するか?」
「それこそ本末転倒だ。爆弾倉を置けなくなるだろ」
うーんと皆が腕を組んで黙り込んでしまった。
「高翼のままで脚の収納部、発動機架だけを下げられないか?」
本庄が思い付きを口にした。
「出来んことは無いでしょうが……主桁に加わる力がかなり大きくなりますよ……ああそうか!主桁はタハード鋼の箱構造にする方針でしたね!」
「ならば多少モーメントがデカくても問題ないか」
「発動機は中翼相当の位置まで下げればいいか!それなら主翼上面の整流も不要になるぞ」
「推力線も重心に近づけられるな」
皆が良いアイデアだと同意した。本庄も頷き黒板にこう書き記した。
『主翼:高翼形式。発動機は主翼下に配置』
こうして大まかな機体方針を決めた本庄は、最新の技術を調査するため慌ただしく渡米した。
その間、日本では服部、日下部、櫛部らは九六式陸攻の改良作業と並行して十二試陸攻の基本計画をまとめ上げていった。
【後書き】
十二試陸攻の計画時期と要求性能に史実と大きな変化はありません。ただし指定発動機が、金星or震天から金星or火星に変わっています。
出力が倍になったので、本庄技師は四発化の提案などしません。むしろ増えた馬力を全力で防御力に割り振ります。防御ステータス極振りという奴です。
この当時、海軍は20ミリ機銃に対する「完全防御」という考えを持っていました。別に20ミリ弾を弾き返すという意味ではなく、被弾しても燃料流出を抑えるというレベルですが。
史実では現実的に無理なので何も防御しないという方向に進んでしまいましたが、本作では真面目に取り組むことになりました。
ソ連のIL-2(シュトゥルモヴィク)みたいに外板自体を装甲板にする手もありますが、日本では表面硬化装甲板のプレス加工は困難ですし、防漏ゴムの外貼りも出来なくなるので、平面板の箱組で燃料タンクを構成することになります。
戦後に本庄技師が「四発にしてもタハード鋼板が足りなかったので双発で良かった」とか言ってますが、陸攻に使う量なんて高が知れてますよね。おそらく誰かに忖度した発言だったんだと思います。
作者のモチベーションアップになりますので、よろしければ感想をお願いいたします。
■1937年(昭和十二年)9月
海軍航空廠
仮称十二試陸上攻撃機
第一回技術会議
中国で九六式陸攻が大損害を被った事を受け、海軍が三菱に要求したことは九六式陸攻の強化であった。特に防御の弱さは明確に『欠点である』として、会議冒頭でも強調されている。
この日、海軍航空廠(後の海軍航空技術廠)では、三菱の技術者を呼んで要求仕様の質疑と詳細の擦り合わせが行われていた。
「ひとつ確認させてください。要求仕様では速度・武装・防弾以外はG3(九六式陸攻)とあまり変わらない様に感じます。本当にこれで間違いありませんか?」
九六式陸攻を設計した三菱の本庄季郎技師が挙手して質問する。
「余計なことは考えるな!用兵については軍が決める。三菱は黙って軍の仕様通り作ればいい」
本庄の質問に議長を務める和田操航空廠長が憮然として答えた。
「申し訳ありません。承知しました。ありがとうございました」
和田の答えに本庄は素直に頷いた。
(言質は取った!)
だが心中で彼は喝采をあげていた。
海軍の要求仕様では発動機として金星3型と先日審査に合格した火星10型が指定されている。金星は九六式と同じエンジンである。とてもでないが要求仕様を満たすことなどできない。どうしても金星でいくなら四発化が必要となる。
だが火星を使うならば話が違ってくる。
発動機部門の話では現在改良中の火星エンジンは2000馬力を超えるという。つまり金星の倍以上の出力を発揮することになる。2基合計で増加する2000馬力すべてを防御の向上に使っていいと軍は断言したのだ。
これならば出来ない話ではない。本庄は会社に取って返すとすぐに基礎計画の検討に取り掛かった。
■基礎計画の開始
名古屋にもどった本庄は、早速開発チームの服部技師、日下部技師、櫛部技師らを会議室に集めた。自分は黒板の前に立つ。
『発動機 : 火星 2基4000馬力』
本庄はまず黒板にそう書いた。
「爆弾搭載量はG3と変わらずで良いそうだ。海軍の言質は取ってある。火星は2000馬力となると想定してくれ」
だからこの追加の2000馬力で要求仕様を満たす。そう本庄は皆に告げた。
■胴体
「確かに火星の出力は金星の倍ですが、その分重くて燃料消費率も高いですね……」
九六式の金星3型と火星10型の要目を見比べながら服部が言った。
火星は金星にくらべ300㎏ほど重い。つまり2基合計で600㎏の増加となる。燃料噴射装置のお陰で若干はマシなものの燃料消費量も多い。要求仕様の航続距離を満たすには、概算でも九六式陸攻の1.5倍から2倍は燃料を搭載する必要があった。
「それに要求された速度を達成するには胴体内爆弾倉が必須となります」
「これでは主翼全部をタンクにしても燃料を積む場所が足りないですね」
日下部や櫛部らも々と意見を口にする。
「確かに皆の言う通りだ。ならばもう丸断面の胴体は諦めるしかない」
本庄は九六式で成功した丸断面の胴体をあっさり諦めることにした。空力的には誘導抵抗の小さい丸断面の胴体が理想であるが機内容積を確保できないのだ。
『胴体 : 角断面』
本庄が黒板に記した。こうして胴体は英米の爆撃機のような長方形の断面をもつという設計方針が決まった。
■装甲
「さて、次は課題の防御だ。当然、防弾板を装備することになる。中国での戦訓では燃料タンクの火災から撃墜に至っている。つまり防御すべき場所は燃料タンクが中心となる」
本庄はそう言って黒板に『燃料タンク防弾』と書いた。
「そもそも、どのくらいの防御力が必要なんですか?」
日下部が質問した。
「海軍は20ミリ機銃に対する防御を想定しているらしい」
「20ミリ?ああつまり敵も十二試艦戦と同威力の機銃を使うと想定していると」
十二試艦戦、後の零戦の要求仕様も9月に三菱と中島に対して出されていた。こちらは堀越技師のチームが中心となって検討に着手している。日下部や櫛部らはそちらの業務も一部兼任しているため要求仕様を知っていた。
「そういう事だ。20ミリ機銃を防ぐには、タハード鋼(表面硬化装甲板)で少なくとも16ミリの厚さが必要だそうだ」
敵機が多用する7.7ミリや12.7ミリ機銃に対しては6ミリの厚さがあれば十分と考えられていたが、海軍の実験では九九式20ミリ一号機銃は射距離200メートルで15.6ミリの鋼板に垂直に命中すれば貫徹できることが分かっていた。
このため16ミリ厚の装甲板ならば何とか防げる(貫通されても破口が小さい、残速が小さい)ため、海軍は機体後方の垂直面に16ミリ厚の装甲板を要求していた。
実戦では装甲板に垂直に弾があたる事は少ない。このため後方以外の面は薄くしても大丈夫だろうと考え、本庄は黒板に次の様に書き加えた。
『装甲厚 : 後面16mm、その他12mm。防漏ゴム付加』
■燃料タンク
「その装甲重量を支えるとなると機体の構造自体も相当強化する必要があります。構造材だけでも相当な重量増加になりますよ」
服部が心配そうに意見をのべた。
「防御する燃料タンクはどこに置く?」
「そりゃ胴体しかないだろう。G3みたいに主翼に燃料タンクを置いても装甲板は付けられないぞ。主桁が折れる」
「胴体に10000リットルも置けるか!爆弾も魚雷も積めなくなるぞ!」
「ならば爆弾や魚雷は主翼の下に吊り下げれば……」
「それじゃ要求速度を絶対に達成できんだろ。下手したらG3より遅くなるぞ」
議論が紛糾する。その流れを櫛部の発言が変えた。
「あの……タハード鋼はアルミより強度がありますよね?だったら構造材で装甲を支えるのではなく、逆に機体強度の一部を装甲で受け持たせられませんか?」
「なるほどそうか!主桁や縦貫材の一部を装甲板にすれば!」
「それなら燃料タンク自体を装甲板で組んで機体構造に組み込めばいい!」
「となると主桁と胴体中央部の構造材が不要になるな!大きな重量軽減にもなるぞ!」
本庄もそれらの意見に同意し、黒板に書き記した。
『燃料タンク : 装甲板で構成し機体構造に組み込む』
■主翼
次に本庄は『主翼』と黒板に書いた。
「G3は丸断面胴体だったから仕方なく中翼形式としたが、長方形断面なら主翼の位置は自由になる。どうしようか?」
一般に胴体と主翼の取付部位は圧縮のため空気抵抗が発生する。丸断面胴体の場合、中翼が一番抵抗の少ない形式となる。どうしても低翼形式とする場合は、この抵抗を低減するためフィレットが必要となる。
だが長方形断面の胴体の場合は主翼を胴体のどの位置につけても抵抗は変わらない。つまり主翼配置に自由度があった。
「G3は主桁が胴体を貫通している事もあり胴体内に十分な容積を確保できませんでした。機体前後の連絡にも問題があります」
服部が発言する。九六式陸攻は胴体が非常に細いため爆弾倉がない。機体後部へ移動する際も這って動く必要があるほどである。
「胴体内に爆弾倉も設けるなら高翼配置の一択でしょう」
日下部が断言した。それに服部や櫛部が異論を唱える。
「いや、そうなると発動機の位置も上になるぞ。それじゃ主脚が地面に届かない」
「しかし中翼だと爆弾倉の設置が難しいぞ。低翼では爆弾倉は不可能になる」
「高翼でも主脚を長くすればいい」
「長いと強度に不安があるな。収納も大変だし強度を持たせると重くなるぞ」
「では胴体に主脚を設置するか?」
「それこそ本末転倒だ。爆弾倉を置けなくなるだろ」
うーんと皆が腕を組んで黙り込んでしまった。
「高翼のままで脚の収納部、発動機架だけを下げられないか?」
本庄が思い付きを口にした。
「出来んことは無いでしょうが……主桁に加わる力がかなり大きくなりますよ……ああそうか!主桁はタハード鋼の箱構造にする方針でしたね!」
「ならば多少モーメントがデカくても問題ないか」
「発動機は中翼相当の位置まで下げればいいか!それなら主翼上面の整流も不要になるぞ」
「推力線も重心に近づけられるな」
皆が良いアイデアだと同意した。本庄も頷き黒板にこう書き記した。
『主翼:高翼形式。発動機は主翼下に配置』
こうして大まかな機体方針を決めた本庄は、最新の技術を調査するため慌ただしく渡米した。
その間、日本では服部、日下部、櫛部らは九六式陸攻の改良作業と並行して十二試陸攻の基本計画をまとめ上げていった。
【後書き】
十二試陸攻の計画時期と要求性能に史実と大きな変化はありません。ただし指定発動機が、金星or震天から金星or火星に変わっています。
出力が倍になったので、本庄技師は四発化の提案などしません。むしろ増えた馬力を全力で防御力に割り振ります。防御ステータス極振りという奴です。
この当時、海軍は20ミリ機銃に対する「完全防御」という考えを持っていました。別に20ミリ弾を弾き返すという意味ではなく、被弾しても燃料流出を抑えるというレベルですが。
史実では現実的に無理なので何も防御しないという方向に進んでしまいましたが、本作では真面目に取り組むことになりました。
ソ連のIL-2(シュトゥルモヴィク)みたいに外板自体を装甲板にする手もありますが、日本では表面硬化装甲板のプレス加工は困難ですし、防漏ゴムの外貼りも出来なくなるので、平面板の箱組で燃料タンクを構成することになります。
戦後に本庄技師が「四発にしてもタハード鋼板が足りなかったので双発で良かった」とか言ってますが、陸攻に使う量なんて高が知れてますよね。おそらく誰かに忖度した発言だったんだと思います。
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