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第三話 燃料噴射装置
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■1935年(昭和十年)9月
三菱重工 名古屋航空機製作所
名古屋港の奥深く、大江地区と呼ばれる第六号埋立地にある名古屋航空機製作所は、中島飛行機の太田製作所と並び日本における航空機生産の一大拠点である。
その6万坪(約20万平米)にも及ぶ広大な敷地には、東半分に発動機関係、西半分に機体関係の建屋が立ち並んでいる。
しかし後から造られた機体工場とは違い、14年前の開所時からある発動機工場の区画は、無計画に増改築が繰り返された結果、昭和十年当時は控えめに言っても混沌という言葉が相応しい様相を呈していた。
その一角の建屋で、深尾は数人の技術者とともにテストベンチに据えられたエンジンを見ていた。それは既に深尾が見切りをつけたはずの液冷エンジンだった。
「これが燃料噴射装置という奴か?」
深尾がエンジンの前部を覗き込む。そこには武骨な長方形の機械がついていた。たくさんのパイプがその機械とエンジン本体を繋いでいる。
「はい。ほとんどボッシュのヂーゼル用そのままですが……」
この実験を主導する発動機部研究科の杉原周一研究員が説明する。今日、深尾がここに訪れている目的はエンジンではなかった。彼の目的はこの燃料噴射装置の方であった。
ガソリンエンジンはキャブレター(気化器)が一般的であるが、ディーゼルエンジンは燃料噴射装置を使用している。19世紀末にルドルフ・ディーゼルの発明したディーゼルエンジンは、効率が良くガソリン以外の燃料を使えるため既に一般に普及していた。
キャブレターで気化された燃料にプラグで点火するガソリンエンジンと異なり、ディーゼルエンジンは圧縮された空気に燃料を噴射して着火する圧縮着火方式をとっている。
このためタイミングよく適切な量の燃料を気筒内に噴射する燃料噴射装置はディーゼルエンジンに必須のものであった。
この当時、燃料噴射装置といえばボッシュ製である。杉原はボッシュのディーゼル用噴射装置を流用し、もはや三菱には不要となったイスパノ・スイザV12エンジンに組み付け実験を行っていた。
「ポンプも噴射ノズルもボッシュ製か?」
「ポンプはボッシュですが、ノズルはボッシュと自社製の二種類を試しました。残念ながら性能はボッシュ製の方が上でした……。なので今日はボッシュ製を組み付けてあります」
深尾の質問に杉原が少しだけ悔しそうに説明する。さすがにまだまだ噴射装置の技術はボッシュの足元にも及ばなかった。
「噴射ノズルはどこに付けた?」
「本日は筒内にノズルを設置してあります。吸気管内噴射と筒内噴射の両方で実験した結果、出力に差は有りませんでした。しかし筒内噴射の方が燃費がよく、また気筒間の燃料消費にバラつきも少ないため私は筒内噴射を本命と考えます」
深尾は興味深げにあちこちを見ながら杉原の説明にうんうんと頷いた。
ガソリンエンジンの場合、燃料噴射は大きく2通りある。気筒に空気を吸い込む手前で吸気管内に燃料を噴射するポート噴射と、ディーゼルと同じように気筒内に直接噴射する筒内噴射である。
ポート噴射は燃焼室のレイアウトに影響を与えないため現在のガソリン車のほとんどはポート噴射を採用している。
一方、筒内噴射は燃焼室内に噴射ノズルが加わるためレイアウトが厳しくなる反面、プラグ付近に燃料を局所的に噴射できるため細やかな燃焼制御が可能となる等、様々な利点があった。
「耐久性に問題は?」
「ヂーゼルの方が高圧なためガソリンでも問題ありません。恐れていた潤滑の方も大丈夫です」
「なるほど。では始めてくれ」
深尾の指示でエンジンに火が入れられた。
「ほう……一発でかかるか。しかも幾分静かな感じだ」
深尾は感嘆の声を挙げた。息継ぎ一つすることなく、エンジンは一発で始動した。その回転も非常に安定している。
「はい。御覧の様に始動性は非常に良好です。実験結果では、燃費・出力・応答性も気化器を上回っています。気筒間の燃料供給量のバラつきも少ないため回転も滑らかです」
杉原の答えと順調に回るエンジンに深尾は満足げに頷いた。
深尾が杉原の研究に注目していた理由は、十試空冷800馬力発動機の燃焼制御のためであった。
R-1860を参考にした160ミリという大径ボアをもつこのエンジンは、P&W社の技術支援もあったため現状では問題を起こしていない(ライセンス契約とは当然別料金です♪byウォード)。海軍にも既に納入済みである。
だが今後、過給と高回転化で高出力を狙っていけば、液冷650馬力エンジンと同様な問題が発生すると思われた。焼き付き・デトネーション・ノッキングである。
もし筒内噴射を使えたら進角を大きくでき燃料の筒内残留も減らせる。点火の直前にプラグ周辺に燃料を噴射するためデトネーションやノッキングの問題も解決する。さらにガソリンの気化熱で冷却効果も期待できる。
このため深尾は是が非でも燃料噴射技術をモノにしたいと考えていた。
「よくやってくれた。この調子でまずはA8(金星エンジン)に使えるものを早急に開発してくれ」
深尾は実験に満足し嬉しそうに杉原らの肩をたたく。そして予算と人員の倍増を約束した。
「はい、航空機用の小型軽量なノズルと14気筒用のポンプも設計中です。ポンプは空燃比自動調整機能も組み込む予定です」
お任せください。そう言って杉原は力強く頷いた。
この後、翌年の昭和十一年(1936年)8月に杉原は約束どおり14気筒用の燃料噴射装置を完成させた。これはそのまま開発中のA8c(後の金星40型エンジン)に実装されることとなる。
そして同時に深尾はこれらの成功を元に、いよいよ社内呼称A10と呼ばれる大型機用の新エンジン、後の火星エンジンの開発を指示した。
ちなみに偶然ながらドイツのダイムラーでも同時期の1935年にDB600を筒内噴射としたDB601Aを試作し、1937年より量産を開始している。
ダイムラーが筒内噴射を採用した理由はドイツの燃料事情と倒立V型という構造にあったが、日独がほぼ同時に航空機用燃料噴射装置を開発、採用した事は非常に興味深い。
このため後にDB601Aを日本国内で生産することになった際にも、燃料噴射の部分については大きな問題が発生しなかったと言われている。
【後書き】
これで高出力の大径ボアエンジンの開発に目途がつきました。
史実でも杉原氏は1935年より燃料噴射装置の開発を開始し、1937年には金星エンジン用のものを完成させています。しかし不思議な事にこれは金星40型、50型には採用されず、1943年の60型になってようやくポート噴射として実装されます。
本作では大径ボアというニーズがあるため三菱は積極的に燃料噴射装置を開発・実装していきます。そして十試空冷800馬力発動機の成功により史実より1年半早く火星エンジンの開発に着手。
大出力発動機の実現にはまだまだ課題がありますが、日本の場合一つでも躓くとゲームオーバーなのでズンズン行きます!
まさにガバ無しエンジン開発RTA……燃料噴射装置(ガバナ)付きなのにガバ無しとはこれいかに……
作者のモチベーションアップになりますので、よろしければ感想をお願いいたします。
三菱重工 名古屋航空機製作所
名古屋港の奥深く、大江地区と呼ばれる第六号埋立地にある名古屋航空機製作所は、中島飛行機の太田製作所と並び日本における航空機生産の一大拠点である。
その6万坪(約20万平米)にも及ぶ広大な敷地には、東半分に発動機関係、西半分に機体関係の建屋が立ち並んでいる。
しかし後から造られた機体工場とは違い、14年前の開所時からある発動機工場の区画は、無計画に増改築が繰り返された結果、昭和十年当時は控えめに言っても混沌という言葉が相応しい様相を呈していた。
その一角の建屋で、深尾は数人の技術者とともにテストベンチに据えられたエンジンを見ていた。それは既に深尾が見切りをつけたはずの液冷エンジンだった。
「これが燃料噴射装置という奴か?」
深尾がエンジンの前部を覗き込む。そこには武骨な長方形の機械がついていた。たくさんのパイプがその機械とエンジン本体を繋いでいる。
「はい。ほとんどボッシュのヂーゼル用そのままですが……」
この実験を主導する発動機部研究科の杉原周一研究員が説明する。今日、深尾がここに訪れている目的はエンジンではなかった。彼の目的はこの燃料噴射装置の方であった。
ガソリンエンジンはキャブレター(気化器)が一般的であるが、ディーゼルエンジンは燃料噴射装置を使用している。19世紀末にルドルフ・ディーゼルの発明したディーゼルエンジンは、効率が良くガソリン以外の燃料を使えるため既に一般に普及していた。
キャブレターで気化された燃料にプラグで点火するガソリンエンジンと異なり、ディーゼルエンジンは圧縮された空気に燃料を噴射して着火する圧縮着火方式をとっている。
このためタイミングよく適切な量の燃料を気筒内に噴射する燃料噴射装置はディーゼルエンジンに必須のものであった。
この当時、燃料噴射装置といえばボッシュ製である。杉原はボッシュのディーゼル用噴射装置を流用し、もはや三菱には不要となったイスパノ・スイザV12エンジンに組み付け実験を行っていた。
「ポンプも噴射ノズルもボッシュ製か?」
「ポンプはボッシュですが、ノズルはボッシュと自社製の二種類を試しました。残念ながら性能はボッシュ製の方が上でした……。なので今日はボッシュ製を組み付けてあります」
深尾の質問に杉原が少しだけ悔しそうに説明する。さすがにまだまだ噴射装置の技術はボッシュの足元にも及ばなかった。
「噴射ノズルはどこに付けた?」
「本日は筒内にノズルを設置してあります。吸気管内噴射と筒内噴射の両方で実験した結果、出力に差は有りませんでした。しかし筒内噴射の方が燃費がよく、また気筒間の燃料消費にバラつきも少ないため私は筒内噴射を本命と考えます」
深尾は興味深げにあちこちを見ながら杉原の説明にうんうんと頷いた。
ガソリンエンジンの場合、燃料噴射は大きく2通りある。気筒に空気を吸い込む手前で吸気管内に燃料を噴射するポート噴射と、ディーゼルと同じように気筒内に直接噴射する筒内噴射である。
ポート噴射は燃焼室のレイアウトに影響を与えないため現在のガソリン車のほとんどはポート噴射を採用している。
一方、筒内噴射は燃焼室内に噴射ノズルが加わるためレイアウトが厳しくなる反面、プラグ付近に燃料を局所的に噴射できるため細やかな燃焼制御が可能となる等、様々な利点があった。
「耐久性に問題は?」
「ヂーゼルの方が高圧なためガソリンでも問題ありません。恐れていた潤滑の方も大丈夫です」
「なるほど。では始めてくれ」
深尾の指示でエンジンに火が入れられた。
「ほう……一発でかかるか。しかも幾分静かな感じだ」
深尾は感嘆の声を挙げた。息継ぎ一つすることなく、エンジンは一発で始動した。その回転も非常に安定している。
「はい。御覧の様に始動性は非常に良好です。実験結果では、燃費・出力・応答性も気化器を上回っています。気筒間の燃料供給量のバラつきも少ないため回転も滑らかです」
杉原の答えと順調に回るエンジンに深尾は満足げに頷いた。
深尾が杉原の研究に注目していた理由は、十試空冷800馬力発動機の燃焼制御のためであった。
R-1860を参考にした160ミリという大径ボアをもつこのエンジンは、P&W社の技術支援もあったため現状では問題を起こしていない(ライセンス契約とは当然別料金です♪byウォード)。海軍にも既に納入済みである。
だが今後、過給と高回転化で高出力を狙っていけば、液冷650馬力エンジンと同様な問題が発生すると思われた。焼き付き・デトネーション・ノッキングである。
もし筒内噴射を使えたら進角を大きくでき燃料の筒内残留も減らせる。点火の直前にプラグ周辺に燃料を噴射するためデトネーションやノッキングの問題も解決する。さらにガソリンの気化熱で冷却効果も期待できる。
このため深尾は是が非でも燃料噴射技術をモノにしたいと考えていた。
「よくやってくれた。この調子でまずはA8(金星エンジン)に使えるものを早急に開発してくれ」
深尾は実験に満足し嬉しそうに杉原らの肩をたたく。そして予算と人員の倍増を約束した。
「はい、航空機用の小型軽量なノズルと14気筒用のポンプも設計中です。ポンプは空燃比自動調整機能も組み込む予定です」
お任せください。そう言って杉原は力強く頷いた。
この後、翌年の昭和十一年(1936年)8月に杉原は約束どおり14気筒用の燃料噴射装置を完成させた。これはそのまま開発中のA8c(後の金星40型エンジン)に実装されることとなる。
そして同時に深尾はこれらの成功を元に、いよいよ社内呼称A10と呼ばれる大型機用の新エンジン、後の火星エンジンの開発を指示した。
ちなみに偶然ながらドイツのダイムラーでも同時期の1935年にDB600を筒内噴射としたDB601Aを試作し、1937年より量産を開始している。
ダイムラーが筒内噴射を採用した理由はドイツの燃料事情と倒立V型という構造にあったが、日独がほぼ同時に航空機用燃料噴射装置を開発、採用した事は非常に興味深い。
このため後にDB601Aを日本国内で生産することになった際にも、燃料噴射の部分については大きな問題が発生しなかったと言われている。
【後書き】
これで高出力の大径ボアエンジンの開発に目途がつきました。
史実でも杉原氏は1935年より燃料噴射装置の開発を開始し、1937年には金星エンジン用のものを完成させています。しかし不思議な事にこれは金星40型、50型には採用されず、1943年の60型になってようやくポート噴射として実装されます。
本作では大径ボアというニーズがあるため三菱は積極的に燃料噴射装置を開発・実装していきます。そして十試空冷800馬力発動機の成功により史実より1年半早く火星エンジンの開発に着手。
大出力発動機の実現にはまだまだ課題がありますが、日本の場合一つでも躓くとゲームオーバーなのでズンズン行きます!
まさにガバ無しエンジン開発RTA……燃料噴射装置(ガバナ)付きなのにガバ無しとはこれいかに……
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