単話完結のショートストーリー集

ヤギー

文字の大きさ
上 下
6 / 13

つづきから

しおりを挟む
 昔、兄からゲームを貰ったことがある。新作が出たからそれはもう要らない、といった感じで譲り受けたのだ。
 それにはセーブデータが残っており、クリアまでやらないのか、と聞くと俺には難しくてできなかった、と返って来た。
 せっかくだし続きからやることにした俺は、難なくクリアすることができた。それを報告すると、凄い、と褒めてくれたのを覚えている。
 靴も貰った。当然、履き潰した。そして褒められる。大抵のお下がりは使い潰したし、そうすると必ず喜ぶのだ。
 何故褒めるのか聞いたことがある。自分にできないことができる俺を誇らしく思うから、と言われた。
 兄は何事も長続きしない性格だ。何かを始めてもすぐに飽きて別の新しいものに手を出す。
 俺にとってそれは、素晴らしいことだと思う。新しいことに挑戦できるのは、俺からしたら異常にハードルが高い。兄が羨ましいよ、と伝えると兄はどこかほっとしたような顔になり、俺も実は同じように思ってたんだ、と打ち明けてくれた。

 そんな俺たちもいい大人。俺たちは互いに自身の性格と向き合ってそれぞれの道を歩いていた。
 そんな時、俺に彼女ができた。気立てが良く清楚な見た目の女の子だ。
 初めての彼女だったけど、何故か緊張や抵抗感もなくすんなりと受け入れることができたのが幸いだった。
 とんとん拍子に彼女との仲が深まっていく。
 そうして初セックスの夜。
 彼女の身体を見ると何故だか既視感がやってきた。
 右乳首だけが異様に肥大化している。触れてみると彼女は一瞬のうちにトロトロに蕩けてしまった。
 清楚な彼女には似つかわしくない姿。前の男に開発されたんだろうな、とは思ったが、別にそれに対して嫉妬心の類はない。むしろそこにあったのは既視感の正体だ。
 気付いた俺は彼女の左の乳首を弄る。それが使命だと言わんばかりに弄った。
 
 その日から、彼女とヤる度に左乳首の開発に努めた。そしてついに両方の乳首が同じくらいの大きさになった。
 使命を果たした瞬間だった。
 彼女は兄からのお下がり。かどうかは定かではないが、あの時と同じようにセーブデータを続きからプレイして、今クリアしたのだ。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

アレンジ可シチュボ等のフリー台本集77選

上津英
大衆娯楽
シチュエーションボイス等のフリー台本集です。女性向けで書いていますが、男性向けでの使用も可です。 一人用の短い恋愛系中心。 【利用規約】 ・一人称・語尾・方言・男女逆転などのアレンジはご自由に。 ・シチュボ以外にもASMR・ボイスドラマ・朗読・配信・声劇にどうぞお使いください。 ・個人の使用報告は不要ですが、クレジットの表記はお願い致します。

男性向け(女声)シチュエーションボイス台本

しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。 関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください ご自由にお使いください。 イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

処理中です...