私が悪役令嬢? 喜んで!!

星野日菜

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悪女になること

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「……で、その交換条件ってなんですか?」

 恐る恐る問う。怖いのはマジでNGです。スタントは絶対無理。

「それはな……」

 重々しい神の声が告げたのは、あまりに意外な交換条件だった。

「約三年間の間、悪女を演じてもらいたいのじゃ」

「あく、じょ?」

「そうじゃ。伊集院彩香という少女の体に入って、な」

 そんなことなら楽ちんじゃないか、と思い顔をしかめる。

 悪女なんて『ワタクシ』だとか『おーほっほっほ』だとかやってれば良いんでしょ?

 簡単簡単。

「はい、喜んでやります! やらせてください」

「おお、そうか。そうか。
 では今すぐに伊集院彩香の体に入れてやる。しばし待て」

 ……ん? 今すぐに、なのにしばし待て?

 などと考えていたら

「様式美じゃ!」

 
 怒られた……。
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