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その七十二

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「そんなこと、聞いていませんでしたわ!

 重要なことはしっかりと伝えて頂戴!」

 では、とジュークは口を開く。

「……重要ではないかもしれないが、この城に住んでいる者は皆兄弟のように育った者ばかりだぞ?」

「十分に重要なことですわ!!」

 驚愕して叫んだ。

 というか、兄弟のように育ったとはどういうことだろうか。

「詳しく教えて貰えるかしら?」

 自分の隣に座るように促す。座っていた方が落ち着いて話せると考えたためだ。

「わかった」

 ジュークは隣に腰掛けると、記憶をたどるようにして語り始めた。

 ラフィットとの出会いを。


「俺がラフィットに初めて会ったのは、十五年前……俺が三つの時だった」
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