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その四十二

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(マルテリントカーメル?)

 フェニルが首をひねっていると、ジュークが

「許すわけがないだろう!」

 と珍しく怒りをあらわにした。

「あの……ジューク。マルテリントカーメルとは一体何なのですか?」

 狼狽しつつ、フェニルが問うた。


 けれどそれに答えたのはラフィットだった。

「優れた者を選別する部屋のようなものです」

 それにしてはジュークがいやに取り乱しているじゃないか、とラフィットに目で訊けば彼はそこに一言だけ付け足した。

「失敗すれば命はありませんが」

(それで、ジュークはあんなにも慌てたのね)

「いいわ、試せば。
 私が命を落とすことなどあり得ない」

 そう言い切ろうとしたけれど、途中でジュークに遮られてしまう。
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