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その二十八

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「好き、という言葉を使う場合には相手に勘違いをさせないためにも、考えてから口に出してくださいまし」

「勘違い? 何を勘違いするというのだ?」

 ジュークはいまだに理解できないようで、首をかしげている。フェニルは『最後まで言わなければわからないの!?』と再び小腹が立ったが、深呼吸を一つしたのち一息で言った。

「あなたが私に好意を持っているのではないかということをですわ!」

 言ってからフェニルは羞恥に顔を赤らめた。

(こんなこと口にするつもりなどありませんでしたのに。ジュークに理解力がもう少しあれば……!)

 そう悶えるフェニルに、ジュークは悪意なく追い打ちをかける。

「それは勘違いではないだろう? 俺はお前のこと、好きだぞ」

「――――好き、ですって!?」

「ああ。俺はお前のこと、好きだぞ」

 同じ台詞を二度繰り返すジューク。フェニルはさらに悶絶した。
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