上 下
51 / 60
九章……仲間ならば最後まで守り抜け

第50話:オーガとの戦い

しおりを挟む

 黒い影が魔物を追う。大柄な体格の良いオーガは素早い動きに翻弄されながらゆっくりと追い込まれていく。ひょこっとぬいぐるみが茂みから顔を覗かせたかと思うとオーガを挑発するように動いた。

 ちょこまかと動きながら噛みつき、引っ掻いてくるぬいぐるみにオーガは苛立ったように声を上げながら槍を振りまわす。ぬいぐるみはそれを避けながらちょこちょこと誘導するように歩いている。

 一歩、前に出てオーガがぬいぐるみを掴もうと手を出した――ぐるんと手首に何かが巻き付く。

 刃の鞭がオーガを捉えて勢いよく腕を引かれる。不意打ちにオーガはよろめき倒れそうになったところを刃が襲った。

 二刀の短刀がオーガの首根を狙う。斬り裂かれて溢れる血にオーガは悲鳴を上げながら抵抗するように腕を振る。その攻撃を避けて宙で一回転すると影は着地した。

 オーガは相手を視認してから捕まれている腕を力いっぱい引く。鞭のような剣の刃はその力に引き離されてしまった。しゅるりと刃を回収してから犬耳をぴくりと動かしてシグルドは鞭のような剣を構える。


「リーダー」
「シグルドは援護を」


 クラウスは指示を出すと姿勢を低くして地を蹴った、音も気配もなく。オーガは目の前にいただろう相手が見えなくなっているかのようにシグルドへと槍を向ける。それを大楯が受け止めて剣で跳ね返された。

 フィリベルトは大楯を構えながらオーガの動きを見定めるように剣を向ける。オーガが拳を握り振りかぶったのと同じく矢が飛んできた。それはオーガの肩に突き刺さり、傷を負わせる。アロイは茂みに身を潜めながらオーガを狙い撃った。

 後方から魔法が飛ぶ。水球が、風の刃がオーガを襲う。ミラとアンジェからの援護を受けながら、シュンシュとランが一気に接近し、攻撃を仕掛ける。シュンシュが短剣で足首を切り、ランが膝を狙い殴る。オーガは足への攻撃にぐらりと身体を揺らして地面に膝をついた。

 リングレットが駆け飛ぶとオーガの背中を切りつけるが、跳ね飛ばされてしまう。オーガが立ち上がろうと地面についた手にシグルドは鞭のような剣を巻き付けた。


「行け、リーダー!」


 ぐっと力を籠めてシグルドが叫ぶと影が宙を舞った。オーガの背に着地して二刀の短刀を首根に突き刺す、イメージするは焼き切る――深紅の指輪が鈍く光った。

 熱を持った刃が首を焼き切っていく、その激痛にオーガは悲鳴を上げた。クラウスは力を籠めて短刀を押し込み、首を跳ね飛ばした。

 噴き出す血が地面を汚す、力無く転がる身体からクラウスは降りた。返り血を浴びた頬を拭いながらフィリベルトのほうへと目を向ける。


「今の悲鳴は厄介なことになるな」
「あぁ。今ので仲間は気づいたはずだ、すぐに来るぞ」


 フィリベルトは「次がくる準備をしておけ」と指示を出す。シュンシュとランは警戒するように周囲を見渡し、ミラとアンジェはロッドを構えた。アロイとルールエは茂みからいつでも攻撃できるようにしている。二人を守るようにブリュンヒルトもロッドを向けていた。

 ぴくりとシグルドの犬耳が音を捉える。彼は鞭のような剣を構えて「来るぞ」と呟く。のっしのっしと草木を踏みしめる音が近づいてきていた。

 二体のオーガが草木をかき分けてやってきた。仲間の亡骸を目にして怒りを瞳に宿し、咆哮する。一体が槍を振ってシグルドを狙うも、フィリベルトの大楯で防がれてしまう。クラウスは気配を消し、音もなく駆けた。

 ぬいぐるみたちがオーガたちの足元でちょろちょろ動き足元を悪くさせる。オーガが追い払おうとすれば、ぬいぐるみたちは噛みつき、引っ掻き、ナイフで切りつけた。

 ぬいぐるみたちに翻弄されながらオーガは向かってくるリングレットの剣を弾き返し、シグルドの鞭のような剣から逃れる。

 ミラとアンジェの魔法が飛び、アロイの矢が狙い撃つ。猛攻にオーガたちは押されながらも抵抗をやめることはない。腕を大きく振ってぬいぐるみを弾き飛ばすと、槍を突き刺す。

 シグルドは槍を避けてオーガの腕に鞭のような剣を巻き付ける。動きを封じて攻撃の隙を狙うも、別のオーガがそれを邪魔する。

 仲間を助けるようにシグルドへと槍を向けた。シグルドは巻いていた鞭のような剣を解き、避ける。解放されたオーガがふらりと足元をふらつかせた隙にクラウスは一気に距離を詰めた。相手の懐に潜り込み、二刀の短刀をオーガの腹に突き刺す。

 イメージするは光の刃が斬り裂く――深紅の指輪が反応し、魔法石が鈍く光る。短刀の刃から光が発せられてオーガの内部で破裂する。無数の光の刃が体内で暴れ、内臓を肉を切り裂いていく。

 オーガは口から血を吹き出しながら地面を転がった。一体を無力化したクラウスは二体目へと目を向ける。残ったオーガは雄たけびを上げながらリングレットとシュンシュに殴り掛かっていた。二人はそれを避けながらダメージを稼いでいる。

 加勢に行こうとした時だ、ひと際大きい咆哮が響いた。ぶんっと振られた棍棒が木をなぎ倒す、それは巨体なオーガだった。大人三人分はあろう背丈で体格の良いオーガは棍棒を手にクラウスたちを睨む。

 巨体なオーガは棍棒を振るい、リングレットたちを殴る。シュンシュは避けることができたが、リングレットは受け身が取れたとはいえ、攻撃を受けてしまった。痛そうに表情を歪めながら巨体なオーガを見ている。

 厄介な存在が現れてフィリベルトは渋い表情をみせていた。それはクラウスも同じで、他のオーガとは違う様子に警戒する。


「巨体なオーガは私たちのパーティが受け持つ、他は別のオーガを!」


 フィリベルトの指示にシュンシュとランは巨体なオーガから距離を取り別のオーガへと攻撃を移した。クラウスは巨体なオーガへと短刀を向けるが、棍棒でいなされてしまう。

 二手に分散し、連携を取ろうとするクラウスたちをあざ笑うかのように二体のオーガは暴れ始めた。

 棍棒を槍を振るいながら殴り、薙ぎ払う。縦横無尽に動き回るオーガたちに思うように動くことができず、攻撃をすることができない。振るわれる棍棒を避けながらクラウスは攻撃をするタイミングを見極める。

 巨体なオーガが振るった棍棒がミラとアンジェたちのいた場所へと向かう。二人はそれを避けると今度はリングレットへと向けれらた。リングレットが慌ててそれを避けるも、巨体なオーガは追撃してくる。

 リングレットは攻撃から逃げるように駆けだすが、走った先にアンジェがいた。それでも足を止めない。アンジェも逃げようとするが足をもつれさせて転んでしまった。


「あっ」


 どんっと地面に顔をつけてアンジェは身体を起こそうとする。リングレットは一瞬だけ振り返ったけれど走っていってしまう。アンジェが立ち上がろうとするのと同じく、影が落ちる。巨体なオーガの棍棒が迫っているのを見て、アンジェは動けなくなった。

 もうダメだと思った瞬間、駆け飛んできた影がその棍棒を受け止める。


「く、クラウス……」
「いいから、離れろ!」


 アンジェへと向けられた攻撃をクラウスは二刀の短刀で防いだ。彼女は動揺している中、もう一度、「早く離れろ!」と言われて慌てて駆けだす。アンジェが離れたのを見て、クラウスは指輪へとイメージを送る。

 イメージを受け取った深紅の指輪が鈍く光り、炎を吐き出した。炎の勢いに巨体なオーガは慌ててクラウスから距離を取ると、棍棒を振り回しながら暴れ出す。クラウスは巨体なオーガへと短刀を向けよとして、別のオーガに邪魔をされてしまう。

 振り下ろされた槍を飛び避けて、短刀を振るもいなされる。二体のオーガは連携しているかのように暴れているので、一体に攻撃を絞るのは難しい。

 クラウスが再び短刀を向けよとして視界の端に捉える。


「ひぁっ」


 暴れるオーガの攻撃が当たりそうになりよろけたミラを槍が襲う。


「危ないっ!」


 ブリュンヒルトはミラの背を押した。突き飛ばされたミラは転がりながらもその攻撃を避けられる。安心したのも束の間、槍はブリュンヒルトへと振りかざされていた。

 ブリュンヒルトが防御魔法を展開するよりも早い動き――勢いよく影が走り抜けて彼女を抱きかかえた。

 槍が頬を掠りながら二人は地面を転がるも、抱き留められた腕は離れることがない。ブリュンヒルトを庇うように倒れたクラウスは荒い呼吸を整えるように息を吸った。


「クラウスさん!」
「大丈夫、か、ヒルデ」


 荒い呼吸にどれほど早く駆け付けたのか、ブリュンヒルトは理解して瞳を潤ませた。クラウスははぁっと息を吐いてから抱きかかえていたブリュンヒルトを下ろす。彼女の前に立つと二刀の短刀を構えた。


「ヒルデ」


 クラウスは視線をオーガたちに向けながら言った。


「少しの間でいい、オーガたちの目を眩ませてくれ」


 少し、そう少しの間でいい。クラウスの指示にブリュンヒルトは頷いた。彼女がロッドを掲げたのを合図にクラウスは姿勢を低くする。

 紫の魔法石が淡く光り、ぱっと弾けた。


「神の瞬きを、今っ!」


 ブリュンヒルトの声と共に閃光が走る。周囲を包む眩い光に二体のオーガは目を潰されたように瞼を閉じて立ち止まる――影が駆け抜けた。

 クラウスは地を蹴って飛ぶと巨体なオーガの背後を取った。二刀の短刀を首根に突き刺し、イメージを指輪に送る、瞬間、深紅の指輪から炎が溢れる。短刀が熱せられ、首根を焼き切っていく。

 ぐっと力を籠めて短刀で押し切きる、血を噴き出しながら首が跳ね飛んだ。浴びた返り血を拭うことなくクラウスは翻って残りのオーガへと駆けた。


「シグルド!」


 クラウスの叫びにシグルドは目潰しから回復しかかっているオーガの腕に鞭のような剣を巻き付けて思いっきり引っ張る。ぐらりと足元が揺れてオーガは倒れた、その隙を逃さずクラウスは二刀の短刀を背中に刺した。

 光が短刀を通り、オーガの体内で溢れて刃と化す。内部で破裂し斬り裂かれていく中、オーガは血を吐きながら悲鳴を上げた。

 ごぼごぼと溢れる血と共にオーガは息絶える。オーガの亡骸が地面に転がり、大量の血液で汚れていた。

 二刀の短刀を引き抜き、クラウスは軽く血を掃いながら鞘に納めた。その顔は返り血で汚れて紅い瞳をより妖しく彩る。鬼か悪魔か、頭に過る光景にリングレットたちは目が離せない。


「クラウスさん、血!」


 ブリュンヒルトは慌ててクラウスのほうへと駆け寄る。息を整えたクラウスはあぁとやっと気づいたように頬を手で拭う。


「返り血だ」
「知ってますけど! 見た目が凄いことになってますから!」


 クラウスに突っ込みを入れながらブリュンヒルトはハンカチを取り出して彼の頬につく血を拭ってやった。自分でできるのだがと口にすると、「適当に拭くので駄目です」と言われてしまい、彼女のされるがままになる。


「相変わらず、クラウスの兄さんえぐいね」


 アロイはクラウスを眺めながら言う。彼から見てもかなり見た目は酷いものになっているようだった。フィリベルトにも「しっかり拭け」と言われてしまう。


「よく動けたな、リーダー」
「殺るなら一気にやるしかないと判断した」


 連携して暴れる相手に倒すならば一気に決めていくしかないとクラウスは判断した。ブリュンヒルトの光の魔法ならば、少しの間ではあるが動きを制限することができる。やるならばその隙だとクラウスは考えて指示を出した。


「やっぱり、やるねぇ」


 シュンシュがランを連れてクラウスに話しかける。クラウスは「援護助かった」と礼を言えば、「あんまり大したことはできてないよ」と返されてしまう。


「グリフォンの時もそうだけど、あんたやる時の判断能力凄いよね」


 クラウスは殺ると決めたら瞬時に行動を判断し、動く。考えるだけでなく行動に移せて実行できる者というのはそう多くない。シュンシュは「それはあんたの才能だね」と笑った。


「助かったよ、クラウス。ありがとう」
「ありがとうございます」


 シュンシュとランに礼を言われてクラウスは「気にしないでくれ」と返す。倒すことができたのは自分だけの力ではないのだと。


「あとは周辺を調査するだけだ。他にオーガが潜んでいないか確認しないといけない」

「おっさんの言う通りだな、さっさと確認しようぜ」


 アロイに促されてクラウスはそうだなと頷いてから周囲を見渡した。リングレットたちからの視線を感じたけれど、何と声をかけるか思い浮かばす気づかないふりをする。

 ルールエは獣耳をひくつかせながらシグルドの隣に立って「ここらへんは大丈夫そう?」と聞いていた。シグルドが聞き耳を立てて「大丈夫だ」と返せば、安堵したように息を吐く。


「休む時間が短いが、周辺を調査しよう」


 クラウスに言われてシュンシュとランがリングレットたちに「ほら、行くよ」と声をかける。彼らは何か言いたげにしていたけれど、ランに「勝手な行動は慎んでください」と言われてしまい、黙って二人に着いていく。

 その背をクラウスは眺めながら少しばかり安堵していた、見つめられる視線というのがあまり得意ではなかったから。


「クラウスさん?」
「……あぁ、ありがとうヒルデ」


 頬を拭い終わったブリュンヒルトにクラウスは礼を言って、「行こうか」と彼女の背をそっと押した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

とあるオタが勇者召喚に巻き込まれた件~イレギュラーバグチートスキルで異世界漫遊~

剣伎 竜星
ファンタジー
仕事の修羅場を乗り越えて、徹夜明けもなんのその、年2回ある有○の戦場を駆けた夏。長期休暇を取得し、自宅に引きこもって戦利品を堪能すべく、帰宅の途上で食材を購入して後はただ帰るだけだった。しかし、学生4人組とすれ違ったと思ったら、俺はスマホの電波が届かない中世ヨーロッパと思しき建築物の複雑な幾何学模様の上にいた。学生4人組とともに。やってきた召喚者と思しき王女様達の魔族侵略の話を聞いて、俺は察した。これあかん系異世界勇者召喚だと。しかも、どうやら肝心の勇者は学生4人組みの方で俺は巻き込まれた一般人らしい。【鑑定】や【空間収納】といった鉄板スキルを保有して、とんでもないバグと思えるチートスキルいるが、違うらしい。そして、安定の「元の世界に帰る方法」は不明→絶望的な難易度。勇者系の称号がないとわかると王女達は掌返しをして俺を奴隷扱いするのは必至。1人を除いて学生共も俺を馬鹿にしだしたので俺は迷惑料を(強制的に)もらって早々に国を脱出し、この異世界をチートスキルを駆使して漫遊することにした。※10話前後までスタート地点の王城での話になります。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>

ラララキヲ
ファンタジー
 フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。  それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。  彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。  そしてフライアルド聖国の歴史は動く。  『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……  神「プンスコ(`3´)」 !!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!! ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇ちょっと【恋愛】もあるよ! ◇なろうにも上げてます。

勇者パーティを追放されそうになった俺は、泣いて縋って何とか残り『元のDQNに戻る事にした』どうせ俺が生きている間には滅びんだろう!

石のやっさん
ファンタジー
今度の主人公はマジで腐っている。基本悪党、だけど自分のルールあり! パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のリヒトは、とうとう勇者でありパーティリーダーのドルマンにクビを宣告されてしまう。幼馴染も全員ドルマンの物で、全員から下に見られているのが解った。 だが、意外にも主人公は馬鹿にされながらも残る道を選んだ。 『もう友達じゃ無いんだな』そう心に誓った彼は…勇者達を骨の髄までしゃぶり尽くす事を決意した。 此処迄するのか…そう思う『ざまぁ』を貴方に 前世のDQNに戻る事を決意した、暗黒面に落ちた外道魔法戦士…このざまぁは知らないうちに世界を壊す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

勇者に恋人寝取られ、悪評付きでパーティーを追放された俺、燃えた実家の道具屋を世界一にして勇者共を見下す

大小判
ファンタジー
平民同然の男爵家嫡子にして魔道具職人のローランは、旅に不慣れな勇者と四人の聖女を支えるべく勇者パーティーに加入するが、いけ好かない勇者アレンに義妹である治癒の聖女は心を奪われ、恋人であり、魔術の聖女である幼馴染を寝取られてしまう。 その上、何の非もなくパーティーに貢献していたローランを追放するために、勇者たちによって役立たずで勇者の恋人を寝取る最低男の悪評を世間に流されてしまった。 地元以外の冒険者ギルドからの信頼を失い、怒りと失望、悲しみで頭の整理が追い付かず、抜け殻状態で帰郷した彼に更なる追い打ちとして、将来継ぐはずだった実家の道具屋が、爵位証明書と両親もろとも炎上。 失意のどん底に立たされたローランだったが、 両親の葬式の日に義妹と幼馴染が王都で呑気に勇者との結婚披露宴パレードなるものを開催していたと知って怒りが爆発。 「勇者パーティ―全員、俺に泣いて土下座するくらい成り上がってやる!!」 そんな決意を固めてから一年ちょっと。成人を迎えた日に希少な鉱物や植物が無限に湧き出る不思議な土地の権利書と、現在の魔道具製造技術を根底から覆す神秘の合成釜が父の遺産としてローランに継承されることとなる。 この二つを使って世界一の道具屋になってやると意気込むローラン。しかし、彼の自分自身も自覚していなかった能力と父の遺産は世界各地で目を付けられ、勇者に大国、魔王に女神と、ローランを引き込んだり排除したりする動きに巻き込まれる羽目に これは世界一の道具屋を目指す青年が、爽快な生産チートで主に勇者とか聖女とかを嘲笑いながら邪魔する者を薙ぎ払い、栄光を掴む痛快な物語。

処理中です...