上 下
46 / 60
八章……過去よりも今を

第45話:森林の魔物

しおりを挟む

 朝焼けが眩しい。ゆっくりと昇る太陽の光にクラウスの紅い瞳がきらりと煌めく。ブリュンヒルトはその眼を見て思う、綺麗だなと。

 神の落とし子のみが持つとされる紅い瞳はルビーの宝石のようで。妖しくも純粋さも見せる輝きは惹き込まれそうになる。

 クラウスは神の落とし子ということを気にはしていないようだった。ブリュンヒルトにクリーラの教主に説明されても、そういうものなのかと納得しただけで特別なものだとは思っていない。実感というのがないのかもしれない、だから驕ることもせずにいる。

 ブリュンヒルトは教主から神の落とし子というのは特別な存在なのだと教わっていた。神より一つ加護を与えらた特別な人間なのだと、それでいて危険な存在にもなりうると。

 悪の道へと落ちやすいとされている、気を付けなさいと言われていた。けれど、実際に神の落とし子であるクラウスと接してみるとそんなことはないと思った。

 彼は悪へと落ちるような心弱い存在ではない。誰かを想い、気遣う優しさを持っている彼がそんな道へと進むはずがないと断言できるほどにクラウスの心は純粋なものだった。

 昨夜、クラウスの話を聞いてそれは確信を持てた。

(彼の傍に居よう)

 ブリュンヒルトは思う、見捨てたりなど裏切ったりなどするものかと。手を差し伸べてくれた彼の傍にいようと誓う。


「ヒルデ?」


 名を呼ばれてブリュンヒルトははっと我に返った。クラウスを見れば彼は不思議にしていたので、「なんでもないんですよ!」と返す。


「その、クラウスさんの瞳は紅いなぁって」
「紅いが……あぁ、神の落とし子のことか」


 神職に関わる人間にとっては特別だったなとクラウスは思い出したように呟く。ブリュンヒルトは思っていたこととは違うのだが、言うのは恥ずかしいのでその話に乗るように「凄いものなんですよ」と返した。

 クラウスはやはり気にしていないようで、「そうか」と軽い返事が返ってきた。


「現に呪いに耐性ありますし!」
「あまり実感がない。今も言われるまで忘れていたしな」
「でしょうね……。というか、指輪すっかり使いこなしてますし」


 カースマジックである深紅の指輪をクラウスは身につけている。それは指輪が彼の指から離れないからなのだが、今では扱い方を覚えてしまったようで戦いでも活躍していた。

 クラウスは指輪を擦りながら「使い勝手は良い」と答える。


「扱いを誤ると大変だろうが、気を付けていけば問題はない」
「ここぞって時にしか使ってませんもんね、クラウスさん」
「多用は良くないだろうと思っているからな」


 今は扱えているが何が起こる分からないのがカースマジックだ。多用は危険性を上げるだろうとクラウスは判断して、使う場面を決めていた。ちゃんと考えられているのだなとブリュンヒルトは感心する。


「クラウスさんなら大丈夫だと思いますけど、何かあったら言ってくださいね?」
「あぁ、その時は頼む」


 クラウスに頼まれてブリュンヒルトは少し嬉しそうに頬を緩めながら、「任せてください!」と胸を張った。


「クラウスの兄さんにヒルデの嬢ちゃん、準備できたぜー」


 アロイは二人にそう言って腕を頭の後ろに回す。クラウスは返事を返すとブリュンヒルトに「行こうか」と声をかけた。小さな優しさを感じながらブリュンヒルトは「はい!」と彼の隣に立った。

          ***

 魔囁きの森はしっとりと湿気を帯びている。じめじめとした暑さを感じながらクラウスたちは前を進んだ。

 木々に這う蔦で覆われている森は獣の鳴き声が響いている。鳥が飛び立つ音がし、ざわざわと枝葉が揺れた。

 先頭を歩くのはシグルドだ。スノーウェル族は身体が頑丈なだけでなく、嗅覚と聴覚が優れているため索敵に向いている。フィリベルトは荷車の隣でいつでも動けるように大楯を構え、ブリュンヒルトもロッドを手に防御魔法を唱えられる準備をしていた。アロイはクロスボウを手に撃てるようにしている。

 クラウスは殿を任せられていた。彼の傍にはきょろきょろ見渡しながら獣耳を動かしているルールエがいる。彼女の戦い方では前に出ることはできないので後ろに下がったのだ。この位置ならばすぐにブリュンヒルトの元にいけて、クラウスがカバーできるためこうなった。

 荷車を引く馬の手綱を引くドワーフの男は警戒しているように周囲を見る。

 森の中腹を越えた辺りだった。獣の鳴き声と鳥の飛び立つ音が響く中、シグルドの耳は捉えた。


「こちらに何か向かってきている」


 シグルドの言葉に荷車を止め、フィリベルトが一歩前に出る。ブリュンヒルトは荷車とドワーフの男を守るために防御魔法を展開した。ルールエはすぐに彼女の元へと駆けだし、背後に隠れてぬいぐるみの準備をする。アロイはクロスボウを構え、クラウスも短刀を抜いた。

 たったったと駆けてくる音をルールエも捉えたらしく、「来る」と呟く。瞬間、だっと飛び出してきた存在をシグルドは鞭のような剣で弾き飛ばした。

 それは魔物だった。赤い赤い体色に獅子の身体は大きく、老人の顔を持つその魔物には蠍のような尾がついていた。

 魔物はにっと笑うように三列の鋭い歯を見せてクラウスたちを見つめている。


「マンティコア」
「うげぇ、マジか……」


 フィリベルトの呟きにアロイが出会っちまったかと呟く。魔囁きの森を抜ける以上、避けれるとは思っていなかったが、いざ遭遇すると厄介な魔物だ。じっと様子を窺っている眼は獲物を見つけた獣の色を持っている。

 逃がしてはくれそうにない様子にクラウスはブリュンヒルトに「防御魔法を絶やすな」と指示を出した。

 皆が武器を構えたのを合図にマンティコアは飛び掛かった。素早くフィリベルトが前に出て大楯で受け止めると剣を向ける。マンティコアの皮膚に傷をつけるも、相手は引く気を見せずに押し返そうとしてきた。

 ぐっと足に力を籠めて受け返すフィリベルトにマンティコアは牙をむく。マンティコアの足を狙うように鞭のような剣がしなるが、攻撃に気づかれてしまい避けられた。

 にやにやと笑いながらマンティコアはクラウスたちを見つめて攻撃をするタイミングを狙っているようだった。


「蠍の尾に気を付けろ! 毒を持っている!」


 フィリベルトに言われて皆が蠍の尾を注視したのと同じく、マンティコアはその尾を振りました。近くにいたシグルドは素早くそれを鞭のような剣でいなして後ろに下がる。

 蠍の尾を先に対処する必要がある、そう考えたクラウスは静かに地を蹴った。マンティコアはフィリベルトに牙を向けるが大楯で受け止められてしまう。鋭い爪で引っ掻くが大楯を傷つけるだけだ。

 シグルドが鞭のような剣でマンティコアを打てば、低い悲鳴を上げなながらフィリベルトから離れた。その隙を狙ったかのように矢が飛んでくる。真っ直ぐに足を狙い撃った矢が刺さり、マンティコアは老人の顔を顰めてアロイを睨んだ。

 マンティコアは一鳴きしてアロイのほうへと突進していく。アロイはクロスボウを向けて矢を放ち、マンティコアの身体にダメージを与えた。

 光のベールがマンティコアの突進を弾き返す。ブリュンヒルトの防御壁にマンティコアは首を振ってからその牙で噛み砕こうとした。ぎちぎちと音を鳴らしながらも光のベールは形を保ちながらブリュンヒルトたちを守っている。

 ウサギ、犬、猫、狼、熊、様々なぬいぐるみたちがマンティコアに向かって飛びついた。魔物の牙が爪がついてるぬいぐるみたちはそれを武器に攻撃し、そうでない子たちは手にしたナイフで切りつけている。

 マンティコアは光のベールから離れて群がってくるぬいぐるみたちを払おうと身体を振り回す。その隙に背後を取ったクラウスは二刀の短刀を蠍の尾に向けた。

 ぐっとと力を入れて引き裂けば、蠍の尾が吹き飛ぶ。


「アガァァァァァァアッ」


 斬られた蠍の尾が地面に落ちて転がり、マンティコアは激痛に悲鳴を上げた。後ろを振り向いてクラウスを見つめると勢いよく前足で引っ掻く。避けようと姿勢を低くしたクラウスだったが、目の前にマンティコアの牙が向けられていることに気づき、咄嗟に腕で守る。


「っ……」


 がぶりと牙がクラウスの腕に食い込む。ロングコートの袖から血が流れるのを感じながらクラウスはぐっと痛みに堪えた。マンティコアが嚙み砕こうと力を入れようとした時だ、深紅の指輪が反応し、魔法石が鈍く光る。

 ぶわりと炎が舞ったかと思うとマンティコアを飲み込んだ。突然のことにマンティコアは噛みついていたクラウスの腕から離れて地面を転がる。それ反応してシグルドは鞭のような剣でマンティコアの首を締め上げた。

 刃が首に食い込みマンティコアは暴れる中、身体は燃えている。クラウスはシグルドが抑えこんでいる隙に二刀の短刀をマンティコアの腹部に刺した。身体を包む炎が刃を通り体内へと入り込んで内臓を燃やし尽くす。

 悶え苦しみながら暫く抵抗していたマンティコアは恨むように声を上げて力無く倒れた。ぶわりと炎が消えて、黒焦げになった亡骸だけが残る。

 クラウスは短刀を抜いて息を大きく吐いた。


「クラウスさん、怪我!」


 マンティコアが倒れたのを確認してからブリュンヒルトが慌てて駆け寄ってきた。クラウスは噛まれた腕を擦りながら「問題はない」と言う。


「大した怪我では……」
「駄目です、見せてください!」
「平気だ……」
「見せてください!」


 じっと見つめてくる瞳は少しばかり怒っているようにも見えてクラウスは諦めたように噛まれた腕を見せた。ブリュンヒルトはロングコートの袖を捲って傷を確認する。牙は深く刺さっていたようで噛み痕から血が滴っていた。

 ブリュンヒルトは「これの何処が平気なんですか!」とクラウスを叱る。彼女が怒っているのは平気だと隠そうとしたことだった。クラウスは痛みはあるが戦いには支障がないという意味で言ったのだと素直に話す。


「そういう問題じゃないです! 指輪が反応して守ってくれましたけど、危なかったんですからね!」

「……すまない」
「怪我をしたら隠さずに報告!」
「わかった……」


 ブリュンヒルトの迫力にクラウスは何も言い返すことができずに頷くしかない。そんな二人の様子にアロイが「クラウスの兄さん、怪我は大丈夫か」と近寄ってきた。ブリュンヒルトが怒っているのを見て酷いのかと心配したようだ。

 ブリュンヒルトが「見てくださいよ!」とアロイにクラウスの腕を見せる。傷跡を見て彼は「これはひでぇ」と顔を顰めていた。


「かみ砕かれなくてよかったな、ほんと」
「その指輪は持ち主も守るのか?」
「あぁ、そういうものらしい」


 シグルドの問いにクラウスは答えて指輪を見つめる。ブリュンヒルトが「そのカースマジックは己の呪いで持ち主が死ぬのを望んでいる」と説明した。

 人の恨みや憎しみ、憎悪、それらを吸って生まれた深紅の指輪は呪いによって死ぬのを望んでいる。勝手に死ぬことは許さず、呪いに苛まれながら命を吸われて死ぬことを。


「クラウスさんは呪いに耐性があるので死ぬことはないですが。今のところこの指輪は持ち主に何かあれば守ってくれます。でも、過信はよくないですからね!」

「あぁ、わかっている」
「なら、怪我は隠さないでください。今、癒しますから」


 そう言ってブリュンヒルトはロッドをクラウスの腕に翳した。詠唱をすると紫の魔法石が淡く光り腕の傷を癒していく。傷口は塞がって痛みはだいぶ引いたクラウスは感覚を確認するように腕を動かした。


「完全には痛みは引いてないですけど、これで大丈夫だと思います」
「ありがとう、ヒルデ」
「これも私の役目ですから!」


 得意なことですからと胸を張るブリュンヒルトにクラウスはそうだったなと小さく笑って彼女の頭を撫でた。


「これからも頼む」
「と、同然です!」


 ブリュンヒルトはクラウスの不意打ちに慌てながらも答える。それはなんとも初々しいものでアロイもフィリベルトも思わず温かく見守ってしまう。


「あたしも頑張ったー!」
「ルールー、お前もよくやったぞ」
「シグルドお兄ちゃん、子供扱いしてない?」
「していないが? お前は愛らしいが立派な女性だろう」


 よしよしとルールエの頭を撫でながらシグルドに言われて、ルールエは行動と言葉が合っていないようなと思いながらも、愛らしいという言葉に照れたように視線を逸らした。こういった対応には慣れていない様子だ。


「ひとまず、マンティコアは倒した。他の魔物が来る前に森を抜けよう」
「おっさんの言う通りだな。急ごうぜ」


 二人に言われてクラウスは「わかった」と返事を返し、シグルドたちに声をかけてブリュンヒルトの背を押してからドワーフの男の元へと向かった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

とあるオタが勇者召喚に巻き込まれた件~イレギュラーバグチートスキルで異世界漫遊~

剣伎 竜星
ファンタジー
仕事の修羅場を乗り越えて、徹夜明けもなんのその、年2回ある有○の戦場を駆けた夏。長期休暇を取得し、自宅に引きこもって戦利品を堪能すべく、帰宅の途上で食材を購入して後はただ帰るだけだった。しかし、学生4人組とすれ違ったと思ったら、俺はスマホの電波が届かない中世ヨーロッパと思しき建築物の複雑な幾何学模様の上にいた。学生4人組とともに。やってきた召喚者と思しき王女様達の魔族侵略の話を聞いて、俺は察した。これあかん系異世界勇者召喚だと。しかも、どうやら肝心の勇者は学生4人組みの方で俺は巻き込まれた一般人らしい。【鑑定】や【空間収納】といった鉄板スキルを保有して、とんでもないバグと思えるチートスキルいるが、違うらしい。そして、安定の「元の世界に帰る方法」は不明→絶望的な難易度。勇者系の称号がないとわかると王女達は掌返しをして俺を奴隷扱いするのは必至。1人を除いて学生共も俺を馬鹿にしだしたので俺は迷惑料を(強制的に)もらって早々に国を脱出し、この異世界をチートスキルを駆使して漫遊することにした。※10話前後までスタート地点の王城での話になります。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

勇者パーティを追放されそうになった俺は、泣いて縋って何とか残り『元のDQNに戻る事にした』どうせ俺が生きている間には滅びんだろう!

石のやっさん
ファンタジー
今度の主人公はマジで腐っている。基本悪党、だけど自分のルールあり! パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のリヒトは、とうとう勇者でありパーティリーダーのドルマンにクビを宣告されてしまう。幼馴染も全員ドルマンの物で、全員から下に見られているのが解った。 だが、意外にも主人公は馬鹿にされながらも残る道を選んだ。 『もう友達じゃ無いんだな』そう心に誓った彼は…勇者達を骨の髄までしゃぶり尽くす事を決意した。 此処迄するのか…そう思う『ざまぁ』を貴方に 前世のDQNに戻る事を決意した、暗黒面に落ちた外道魔法戦士…このざまぁは知らないうちに世界を壊す。

勇者に恋人寝取られ、悪評付きでパーティーを追放された俺、燃えた実家の道具屋を世界一にして勇者共を見下す

大小判
ファンタジー
平民同然の男爵家嫡子にして魔道具職人のローランは、旅に不慣れな勇者と四人の聖女を支えるべく勇者パーティーに加入するが、いけ好かない勇者アレンに義妹である治癒の聖女は心を奪われ、恋人であり、魔術の聖女である幼馴染を寝取られてしまう。 その上、何の非もなくパーティーに貢献していたローランを追放するために、勇者たちによって役立たずで勇者の恋人を寝取る最低男の悪評を世間に流されてしまった。 地元以外の冒険者ギルドからの信頼を失い、怒りと失望、悲しみで頭の整理が追い付かず、抜け殻状態で帰郷した彼に更なる追い打ちとして、将来継ぐはずだった実家の道具屋が、爵位証明書と両親もろとも炎上。 失意のどん底に立たされたローランだったが、 両親の葬式の日に義妹と幼馴染が王都で呑気に勇者との結婚披露宴パレードなるものを開催していたと知って怒りが爆発。 「勇者パーティ―全員、俺に泣いて土下座するくらい成り上がってやる!!」 そんな決意を固めてから一年ちょっと。成人を迎えた日に希少な鉱物や植物が無限に湧き出る不思議な土地の権利書と、現在の魔道具製造技術を根底から覆す神秘の合成釜が父の遺産としてローランに継承されることとなる。 この二つを使って世界一の道具屋になってやると意気込むローラン。しかし、彼の自分自身も自覚していなかった能力と父の遺産は世界各地で目を付けられ、勇者に大国、魔王に女神と、ローランを引き込んだり排除したりする動きに巻き込まれる羽目に これは世界一の道具屋を目指す青年が、爽快な生産チートで主に勇者とか聖女とかを嘲笑いながら邪魔する者を薙ぎ払い、栄光を掴む痛快な物語。

神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>

ラララキヲ
ファンタジー
 フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。  それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。  彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。  そしてフライアルド聖国の歴史は動く。  『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……  神「プンスコ(`3´)」 !!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!! ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇ちょっと【恋愛】もあるよ! ◇なろうにも上げてます。

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

処理中です...