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第3章:ロボットとニンゲンの距離
それから
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「結局、誰にも会わなかったね」
僕はエリーに話し掛ける。
「…………」
僕ももう年を取ってしまった。
彼女は当時のままの姿で眠っている。
数十年の時はニンゲンとアンドロイドの違いを知らしめるには十分過ぎた。
「エリー。僕ももうすぐそっちに行きそうだよ」
二人の旅もいつか限界は来る。
世界の何処かにはまだ誰かがいるかもしれないが、少なくとも僕らが出会う事はなかった。
ロボットが機械的に生活する町をいくつか通り過ぎた後、僕らは静かな場所に住処を設けた。
瓦礫のような町の一角に小さな畑を作った。僕とエリーが生活するにはそれで十分だった。
いつしか彼女は限界を迎えていた。アンドロイドもいつかは永遠の眠りにつく。
「君の好きだった花、今日も摘んできたよ」
白いカモミールの小さな花束。それを彼女の胸に捧げる。
僕らの友情と愛の証。
「少し眠ろうかな」
僕は彼女の側のイスに腰掛けて目を閉じた。
部屋のテーブルには書きかけの僕らの冒険の物語があった。
いつか、誰かが手に取る日が来る事を願って綴った物語が。
Fin
僕はエリーに話し掛ける。
「…………」
僕ももう年を取ってしまった。
彼女は当時のままの姿で眠っている。
数十年の時はニンゲンとアンドロイドの違いを知らしめるには十分過ぎた。
「エリー。僕ももうすぐそっちに行きそうだよ」
二人の旅もいつか限界は来る。
世界の何処かにはまだ誰かがいるかもしれないが、少なくとも僕らが出会う事はなかった。
ロボットが機械的に生活する町をいくつか通り過ぎた後、僕らは静かな場所に住処を設けた。
瓦礫のような町の一角に小さな畑を作った。僕とエリーが生活するにはそれで十分だった。
いつしか彼女は限界を迎えていた。アンドロイドもいつかは永遠の眠りにつく。
「君の好きだった花、今日も摘んできたよ」
白いカモミールの小さな花束。それを彼女の胸に捧げる。
僕らの友情と愛の証。
「少し眠ろうかな」
僕は彼女の側のイスに腰掛けて目を閉じた。
部屋のテーブルには書きかけの僕らの冒険の物語があった。
いつか、誰かが手に取る日が来る事を願って綴った物語が。
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