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第2章:謎の町にて
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「俺たち、出たら死んじまうんだろ?」
「嫌だ! 死にたくない!」
「これは名誉の死だ。喜んで死んでこそ神はお喜びになられるのだ」
「じゃあ、あんたが死んでくれ」
仲間割れ……。
「私は皆を纏める役割があるので無理だ」
「別にあんたなんかいなくてもやっていける」
「そ、そんな事は無い」
「俺たちはあんたが勝手にやってるのを許してるだけだ。認めている訳じゃない」
「な!?」
こんな所で放置は止めてくれ。
やるなら早くしてくれよ。
ああ、頭が痛い。
僕からは見えないがケンカまで始まっているらしい。
ニンゲンとは争い合うもの。
学校で習った通りだ。
まさか目の前でその光景を見る、いや、聞く事になるとは思わなかったけど。
「誰がこいつを処刑するんだよ」
「お前が行けよ」
「いいや、お前こそ」
「ここはあんたが行くべきだろ」
まだ言い争ってる。
「我らが傷付け合ってどうする。何か方法は無いか考えるんだ」
「こんな殴られた状態でまともに頭が働くか!」
「痛みで考えに集中できないぞ」
知らないよ。
僕には関係無い。
「そうだ。あいつに一人で行かせるのはどうだ?」
「逃げるぞ」
「違えよ。片手だけ外すんだよ。そんで鍵を町の外に投げる。すると?」
「どうなるんだよ」
「あいつは助かるためには町の外に出て鍵を拾わなきゃなんねえだろ?」
「まあ、そうだな」
「外に出て死ぬか、このまま磔にされて死ぬか、二択ってわけだ。これならあいつは外に出るしか無いだろ?」
「なるほど!」
「首と胴と片手はそのままにしておけば、助けを呼びに行く事もできないわな」
「助けが来ても対処できるように見張りは付けないと」
「それならやるぞ。あいつが神の裁きを受けるのを見届けたいからな!」
決まったなら早くしてくれ。
こっちはしんどいんだから。
「待ってろ。今、片手だけは自由にしてやる」
右手の拘束具を外される。
そして、足も。
「後は自分の足で鍵を取りに行けよ」
男は鍵を投げる。
「よし! 良い感じに町の外に落ちたな」
「はいはい。良かったですね」
そんな事を口に出してしまったものだから、僕は思い切り殴られた。
「罪人らしい口の聞き方をするんだな」
「さあ、ショーの始まりだ。自ら罰せられるのを見届けようじゃないか」
僕はよたよたと十字架を背負い歩き始める。
体調悪いのに、こんな、十分な罰だろ。
僕はそんな事ばかり考えながら、どうにかこうにか足を動かす。
どうせそれしか選択肢は無いんだから。
「さあ、行け!」
「あはは! みっともない歩き方だな!」
「町の外に出る前に倒れちまうんじゃねえか?」
「…………」
僕は無言で歩く。
何も言い返す気力も無い。
ただ、一歩、一歩、確実に鍵に向かう。
僕が助かる方法は、それだけだから。
「嫌だ! 死にたくない!」
「これは名誉の死だ。喜んで死んでこそ神はお喜びになられるのだ」
「じゃあ、あんたが死んでくれ」
仲間割れ……。
「私は皆を纏める役割があるので無理だ」
「別にあんたなんかいなくてもやっていける」
「そ、そんな事は無い」
「俺たちはあんたが勝手にやってるのを許してるだけだ。認めている訳じゃない」
「な!?」
こんな所で放置は止めてくれ。
やるなら早くしてくれよ。
ああ、頭が痛い。
僕からは見えないがケンカまで始まっているらしい。
ニンゲンとは争い合うもの。
学校で習った通りだ。
まさか目の前でその光景を見る、いや、聞く事になるとは思わなかったけど。
「誰がこいつを処刑するんだよ」
「お前が行けよ」
「いいや、お前こそ」
「ここはあんたが行くべきだろ」
まだ言い争ってる。
「我らが傷付け合ってどうする。何か方法は無いか考えるんだ」
「こんな殴られた状態でまともに頭が働くか!」
「痛みで考えに集中できないぞ」
知らないよ。
僕には関係無い。
「そうだ。あいつに一人で行かせるのはどうだ?」
「逃げるぞ」
「違えよ。片手だけ外すんだよ。そんで鍵を町の外に投げる。すると?」
「どうなるんだよ」
「あいつは助かるためには町の外に出て鍵を拾わなきゃなんねえだろ?」
「まあ、そうだな」
「外に出て死ぬか、このまま磔にされて死ぬか、二択ってわけだ。これならあいつは外に出るしか無いだろ?」
「なるほど!」
「首と胴と片手はそのままにしておけば、助けを呼びに行く事もできないわな」
「助けが来ても対処できるように見張りは付けないと」
「それならやるぞ。あいつが神の裁きを受けるのを見届けたいからな!」
決まったなら早くしてくれ。
こっちはしんどいんだから。
「待ってろ。今、片手だけは自由にしてやる」
右手の拘束具を外される。
そして、足も。
「後は自分の足で鍵を取りに行けよ」
男は鍵を投げる。
「よし! 良い感じに町の外に落ちたな」
「はいはい。良かったですね」
そんな事を口に出してしまったものだから、僕は思い切り殴られた。
「罪人らしい口の聞き方をするんだな」
「さあ、ショーの始まりだ。自ら罰せられるのを見届けようじゃないか」
僕はよたよたと十字架を背負い歩き始める。
体調悪いのに、こんな、十分な罰だろ。
僕はそんな事ばかり考えながら、どうにかこうにか足を動かす。
どうせそれしか選択肢は無いんだから。
「さあ、行け!」
「あはは! みっともない歩き方だな!」
「町の外に出る前に倒れちまうんじゃねえか?」
「…………」
僕は無言で歩く。
何も言い返す気力も無い。
ただ、一歩、一歩、確実に鍵に向かう。
僕が助かる方法は、それだけだから。
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