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3.スポーツ大会
19.秘密特訓
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「ふぁ……」
校門前の坂道をあくびを飲み込みながら歩く。
あの後、クマ子さんに幾つか指導を受けて下校した私は、クマ子さんとの戦いでの敗因であったスキルの知識を得るために夕飯とお風呂を済ました後、部屋に篭ってずっとブレバトのまとめサイトを読み漁っていた。
気づいたら日付が変わっていて、お陰で寝不足だ。
教室に着くと、美月ちゃんが既に登校していたので「おはよ」と声をかけて、席に座る。
それから、美月ちゃんとすこし雑談をしていると、有坂さんが登校してきた。
「あっ」
声をかけようと思ったが、目が合った瞬間、有坂さんは目をそらし、そそくさと自席まで移動してしまった。
「真雪ちゃん、どうしたの?」
そんな私の様子を見て、美月ちゃんが聞いてくる。
どうしよう。いや、後回しにしちゃダメだ。
「ごめん美月ちゃん、ちょっと有坂さんに話があるの」
そう言って、席を立つ。そして、教室の前の方に位置する有坂さんの席に歩を進める。
私が近づいた気配に気づいたのが、有坂さんが振り返る。
「な、なによ」
目が合うと、怯えたように瞳を揺らした後、緊張の入り混じる言葉を投げかけてくる。
やはり昨日のブレバトでの一件が記憶に残っているのであろう。私は勘違いして、気づかないうちに二人をやっつけてしまっていた。クマ子さん曰く、私に対して悪意を持って指定した痛覚最大などの設定がそっくりそのまま二人に意趣返しの様に二人に降りかかったとの事だった。もしかしたら、私の事を怖がっているかも、というクマ子さんの予感は的中したみたいだ。普段通りを装おうとしているけど、ずっと入院生活していて相手の動きを観察していた私には、相手がすごく私に対して警戒して、壁を作っているのが観て取れた。
「あの。私、昨日のことは気にしてないから。二人もクマ子さんに叱られて反省していると思ってるから、だから今日からも一緒にスポーツ大会に向けて一緒に頑張って行きたいと思ってるから」
私の想いを正直に伝える。ちょっと怖かったけどそれだけだ。仕返しなんかは考えたいない。むしろ、仲直りして仲良くなりたいと思っている。
有坂さんは私の言葉を受けて驚いたような表情を浮かべた。
「うん。わ、分かったわ」
歯切れ悪く有坂さんが頷く。
恐怖心はなくなってない様だけど、私の言葉は伝わった、ってことなの、かな……?
「ありがとう。だから、今日もスポーツ大会の練習――」
「あの、その事なんだけど、ごめん。私と菫麗、今週、放課後に用事があるから、練習できないんだ」
私の言葉を遮って、有坂さんが告げる。
「え、そう、なんだね……」
やっぱり警戒されているのかな。ちょっと心が痛い。
私、有坂さん達とも、もっと仲良くなりたいっていうのが本音なんだけど、どう伝えたらいいかが分からない。
「また、練習するとき声かけるから、ね?」
「うん。分かった。その時はよろしくね」
取り繕う様な有坂さんの言葉に、私は少し落ち込みながら自分の席に戻った。
多分、今の私の言葉だけでは、有坂さん達に想いを伝えることができないだろう。
少し俯きながら席に戻る私を見た美月ちゃんが「何かあったの? もし困ったことがあったら言ってね」と声をかけてくれる。
私は心配かけないように笑顔を作って「ありがとう」と答えて、自分の席に座った。
その後、朝のホームルームギリギリに朱音ちゃんが登校してきて、ホームルームが始まったのを気づかずに、朱音ちゃんが「昨日のスポーツ大会練習の影響で筋肉痛だー」って嘆いた声を先生に注意される微笑ましい事件があった。
★
放課後。
今日は昨晩更かしして予習が出来なかったため、今日は全然授業に積極的に参加することが出来なかった。
「あー、今日もスポーツ大会の練習かぁ~ 先生、気合い入れすぎで体育館と校庭のバスケットコートをガッツリ押さえてくれちゃったから、部活より練習時間多くなりそうだよー」
ぐへー、と机に突っ伏して、朱音ちゃんが呻く。
「美月ちゃんも、練習なんだよね?」
朱音ちゃんとは違い、少しうれしそうな美月ちゃんに声をかける。
「そうだね。中学の時は補欠だったけど、経験者って事で頼りにされてて、私はちょっと嬉しいかも。本当だったら中学でエースだった朱音ちゃんがチームを引っ張るのがいいんだけど、天才肌の朱音ちゃんは指導者には向かないからね……」
「むー、なんか悪口言われた気がする―」
突っ伏した状態のまま、朱音ちゃんが顔だけこっちに向ける。
「そんなことないよ。ほら、立って。スポーツ大会の練習、行くよ」
美月ちゃんが、朱音ちゃんの体を引っ張り上げて立たせる。
「う~、美月の鬼教官~」
「はいはい。行きますよー」
朱音ちゃんの言葉を受け流しながら、美月ちゃんが背を押す。
「ってことだから、私達は行くね。真雪ちゃんも今日は練習かな?」
美月ちゃんが聞いてくる。その横で朱音ちゃんが「むー、ブレバト、うらやまー」とつぶやいている。
「ううん。今週はブレバトのメンバーは予定があるみたいなんで、練習はお休みなの」
ちらりと教室の前の木下さん達の席に視線を向ける。二人は帰りのホームルームが終わるとすぐに席を立って帰ってしまった。
「えー、じゃあブレバトできないんだね」
「うん……、あ、でも家に帰ってから少しだけゲームやる時間があるから、そこで練習はできるかな。昨日、知り合った人がすごく丁寧に教えてくれて、少しは上手になったんだよ」
残念そうにこちらを見る朱音ちゃんに、私はそう言葉を返す。
「今日も帰ったら秘密特訓する予定だから、スポーツ大会が終わって、次にバトる時は、私すごく強くなってるかもよ?」
にひひ、と笑ってみせる。
「あー、ブレバトやる時間あって、めっちゃ羨ましい……」
朱音ちゃんが悔しそうに口を尖らす。
「でも真雪ちゃん。ここでそれを言っちゃったら秘密の特訓にならないよ」
美月ちゃんのツッコミに、私は「あっ、ほんとだ」と小さく舌を出して見せる。
そして二人と笑い合った後、二人と別れの挨拶をした。
★
家に帰って夕食、お風呂を済ました後、私は端末を起動させた。
「今日は夕飯前に明日の予習を済ませたから、心置きなく秘密特訓ができるな」
独白しつつ、私は設定モードでまずはブレバトを立ち上げる。
「まずは装備の確認、っと」
表示されたのはクマの格好をしたアバター。
それは師匠やクマ子さんとは異なり真っ白な毛並み。シロクマだ。
『少しいい事を思いついた。
あの二人にどれだけ不利な設定に変えられていたかを今説明したのだが、いまいちピンと来てない様だからな。
逆に敢えてその不利な設定をしてみて、武者修行をするというのはどうだろう?』
クマ子さんの私が強くなるための提案は、周りを挑発しているような『無条件戦闘承認』の設定としてどんどんバトルして、経験を積むことであった。もちろん、痛覚設定や無条件フレンド承認については通常のままである。
『だが、どうだろう。その見た目だと変な虫が湧きそうだな……』
ふむ、と唸るクマ子さんに、その真意を確かめたら「君のアバターは精緻過ぎるのだ。その再現度の高い女性の身体を目にして、|闘い以外の目的でバトルを仕掛けてくる不届き者が湧き出てくるかもしれない」と説明された。
闘い以外の目的って――
男の人の手が私の体を欲情に任せて触る姿を想像して、ゾワリと鳥肌が立つ。
『私のように、見た目を偽れればよいのだが……』
その言葉で思い出す。私も師匠から「くまくまスーツ」を譲渡されていたことに。
そのことをクマ子さんに言うと「ならば、解決だな」と笑ってみせた。
ちなみに「くまくまスーツ」の特殊効果は「見た目」と「表示アバター名」を変更できるというものであった。
見た目については色も選択できたので、師匠やクマ子さんと見分けをつけるため、敢えて目立つ白を選択した。
表示アバター名については、女性と悟られない方が修行になるということだったので「くまたろう」にした。
それを伝えたらクマ子さんは「ははは、人のことは言えないが、素晴らしい命名センスだ」と笑われた。
あれ、これって褒められたの、かな?
と言うことで、今の私のアバターは見た目がずんぐりなシロクマで、アバター名は「くまたろう」と表示されている。
「これならこのアバターが私って分からないな。
よし。武者修行開始だ」
ひとつ頷くと、私は設定画面を終了させると、武者修行のためフルダイブを行うのであった。
校門前の坂道をあくびを飲み込みながら歩く。
あの後、クマ子さんに幾つか指導を受けて下校した私は、クマ子さんとの戦いでの敗因であったスキルの知識を得るために夕飯とお風呂を済ました後、部屋に篭ってずっとブレバトのまとめサイトを読み漁っていた。
気づいたら日付が変わっていて、お陰で寝不足だ。
教室に着くと、美月ちゃんが既に登校していたので「おはよ」と声をかけて、席に座る。
それから、美月ちゃんとすこし雑談をしていると、有坂さんが登校してきた。
「あっ」
声をかけようと思ったが、目が合った瞬間、有坂さんは目をそらし、そそくさと自席まで移動してしまった。
「真雪ちゃん、どうしたの?」
そんな私の様子を見て、美月ちゃんが聞いてくる。
どうしよう。いや、後回しにしちゃダメだ。
「ごめん美月ちゃん、ちょっと有坂さんに話があるの」
そう言って、席を立つ。そして、教室の前の方に位置する有坂さんの席に歩を進める。
私が近づいた気配に気づいたのが、有坂さんが振り返る。
「な、なによ」
目が合うと、怯えたように瞳を揺らした後、緊張の入り混じる言葉を投げかけてくる。
やはり昨日のブレバトでの一件が記憶に残っているのであろう。私は勘違いして、気づかないうちに二人をやっつけてしまっていた。クマ子さん曰く、私に対して悪意を持って指定した痛覚最大などの設定がそっくりそのまま二人に意趣返しの様に二人に降りかかったとの事だった。もしかしたら、私の事を怖がっているかも、というクマ子さんの予感は的中したみたいだ。普段通りを装おうとしているけど、ずっと入院生活していて相手の動きを観察していた私には、相手がすごく私に対して警戒して、壁を作っているのが観て取れた。
「あの。私、昨日のことは気にしてないから。二人もクマ子さんに叱られて反省していると思ってるから、だから今日からも一緒にスポーツ大会に向けて一緒に頑張って行きたいと思ってるから」
私の想いを正直に伝える。ちょっと怖かったけどそれだけだ。仕返しなんかは考えたいない。むしろ、仲直りして仲良くなりたいと思っている。
有坂さんは私の言葉を受けて驚いたような表情を浮かべた。
「うん。わ、分かったわ」
歯切れ悪く有坂さんが頷く。
恐怖心はなくなってない様だけど、私の言葉は伝わった、ってことなの、かな……?
「ありがとう。だから、今日もスポーツ大会の練習――」
「あの、その事なんだけど、ごめん。私と菫麗、今週、放課後に用事があるから、練習できないんだ」
私の言葉を遮って、有坂さんが告げる。
「え、そう、なんだね……」
やっぱり警戒されているのかな。ちょっと心が痛い。
私、有坂さん達とも、もっと仲良くなりたいっていうのが本音なんだけど、どう伝えたらいいかが分からない。
「また、練習するとき声かけるから、ね?」
「うん。分かった。その時はよろしくね」
取り繕う様な有坂さんの言葉に、私は少し落ち込みながら自分の席に戻った。
多分、今の私の言葉だけでは、有坂さん達に想いを伝えることができないだろう。
少し俯きながら席に戻る私を見た美月ちゃんが「何かあったの? もし困ったことがあったら言ってね」と声をかけてくれる。
私は心配かけないように笑顔を作って「ありがとう」と答えて、自分の席に座った。
その後、朝のホームルームギリギリに朱音ちゃんが登校してきて、ホームルームが始まったのを気づかずに、朱音ちゃんが「昨日のスポーツ大会練習の影響で筋肉痛だー」って嘆いた声を先生に注意される微笑ましい事件があった。
★
放課後。
今日は昨晩更かしして予習が出来なかったため、今日は全然授業に積極的に参加することが出来なかった。
「あー、今日もスポーツ大会の練習かぁ~ 先生、気合い入れすぎで体育館と校庭のバスケットコートをガッツリ押さえてくれちゃったから、部活より練習時間多くなりそうだよー」
ぐへー、と机に突っ伏して、朱音ちゃんが呻く。
「美月ちゃんも、練習なんだよね?」
朱音ちゃんとは違い、少しうれしそうな美月ちゃんに声をかける。
「そうだね。中学の時は補欠だったけど、経験者って事で頼りにされてて、私はちょっと嬉しいかも。本当だったら中学でエースだった朱音ちゃんがチームを引っ張るのがいいんだけど、天才肌の朱音ちゃんは指導者には向かないからね……」
「むー、なんか悪口言われた気がする―」
突っ伏した状態のまま、朱音ちゃんが顔だけこっちに向ける。
「そんなことないよ。ほら、立って。スポーツ大会の練習、行くよ」
美月ちゃんが、朱音ちゃんの体を引っ張り上げて立たせる。
「う~、美月の鬼教官~」
「はいはい。行きますよー」
朱音ちゃんの言葉を受け流しながら、美月ちゃんが背を押す。
「ってことだから、私達は行くね。真雪ちゃんも今日は練習かな?」
美月ちゃんが聞いてくる。その横で朱音ちゃんが「むー、ブレバト、うらやまー」とつぶやいている。
「ううん。今週はブレバトのメンバーは予定があるみたいなんで、練習はお休みなの」
ちらりと教室の前の木下さん達の席に視線を向ける。二人は帰りのホームルームが終わるとすぐに席を立って帰ってしまった。
「えー、じゃあブレバトできないんだね」
「うん……、あ、でも家に帰ってから少しだけゲームやる時間があるから、そこで練習はできるかな。昨日、知り合った人がすごく丁寧に教えてくれて、少しは上手になったんだよ」
残念そうにこちらを見る朱音ちゃんに、私はそう言葉を返す。
「今日も帰ったら秘密特訓する予定だから、スポーツ大会が終わって、次にバトる時は、私すごく強くなってるかもよ?」
にひひ、と笑ってみせる。
「あー、ブレバトやる時間あって、めっちゃ羨ましい……」
朱音ちゃんが悔しそうに口を尖らす。
「でも真雪ちゃん。ここでそれを言っちゃったら秘密の特訓にならないよ」
美月ちゃんのツッコミに、私は「あっ、ほんとだ」と小さく舌を出して見せる。
そして二人と笑い合った後、二人と別れの挨拶をした。
★
家に帰って夕食、お風呂を済ました後、私は端末を起動させた。
「今日は夕飯前に明日の予習を済ませたから、心置きなく秘密特訓ができるな」
独白しつつ、私は設定モードでまずはブレバトを立ち上げる。
「まずは装備の確認、っと」
表示されたのはクマの格好をしたアバター。
それは師匠やクマ子さんとは異なり真っ白な毛並み。シロクマだ。
『少しいい事を思いついた。
あの二人にどれだけ不利な設定に変えられていたかを今説明したのだが、いまいちピンと来てない様だからな。
逆に敢えてその不利な設定をしてみて、武者修行をするというのはどうだろう?』
クマ子さんの私が強くなるための提案は、周りを挑発しているような『無条件戦闘承認』の設定としてどんどんバトルして、経験を積むことであった。もちろん、痛覚設定や無条件フレンド承認については通常のままである。
『だが、どうだろう。その見た目だと変な虫が湧きそうだな……』
ふむ、と唸るクマ子さんに、その真意を確かめたら「君のアバターは精緻過ぎるのだ。その再現度の高い女性の身体を目にして、|闘い以外の目的でバトルを仕掛けてくる不届き者が湧き出てくるかもしれない」と説明された。
闘い以外の目的って――
男の人の手が私の体を欲情に任せて触る姿を想像して、ゾワリと鳥肌が立つ。
『私のように、見た目を偽れればよいのだが……』
その言葉で思い出す。私も師匠から「くまくまスーツ」を譲渡されていたことに。
そのことをクマ子さんに言うと「ならば、解決だな」と笑ってみせた。
ちなみに「くまくまスーツ」の特殊効果は「見た目」と「表示アバター名」を変更できるというものであった。
見た目については色も選択できたので、師匠やクマ子さんと見分けをつけるため、敢えて目立つ白を選択した。
表示アバター名については、女性と悟られない方が修行になるということだったので「くまたろう」にした。
それを伝えたらクマ子さんは「ははは、人のことは言えないが、素晴らしい命名センスだ」と笑われた。
あれ、これって褒められたの、かな?
と言うことで、今の私のアバターは見た目がずんぐりなシロクマで、アバター名は「くまたろう」と表示されている。
「これならこのアバターが私って分からないな。
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