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学園生活をエンジョイする
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どうもこんにちは。学園の倉庫に絵の具を取りに来たら何故かクラスの委員長に壁ドンされると言う訳のわからない状況に巻き込まれていて俺氏困惑中。いや本当、まったくもってさっぱりわからん。何が「許さない」なの?許さないのは俺の方だよ?毒盛って来たことは一生忘れねえからな??
……えっと、まあ、とりあえず。
「落ち着いてくださいシーウェルト王子」
「ぐへっ!」
俺は防壁魔法を発動させてシーウェルト王子を弾き返した。シーウェルト王子は後ろへよろけて尻餅をつく。ちょっと他国の王子に魔法を使うのははばかられたけど、仕方ないよね。先に仕掛けてきたのは向こうだし。因果応報だうはははは(棒)
「……痛い……」
「自業自得ですよ。で?いきなり何なのですか?」
「私に対する気遣いとかはないのですね……」
「何で私がそんなことを?私は立派な被害者ですよ??」
「……確かにそれもそうですね」
シーウェルト王子は納得がいったかのように神妙に頷いた。いや何真剣に納得してんだよ冗談とかじゃなかったのかよ。
「……で?もう一度聞きますがいきなり何なのですか?」
「……わかりません。気がついたら身体が勝手に」
「……恍けるつもりですか?」
「いや!これは本当のことで……」
俺が疑いの目を向けるとシーウェルト王子はガバッと顔を上げて俺の顔を見た。その瞬間シーウェルト王子の動きは止まり、俺の目に釘付けになった。虚ろな目でこちらを見る。どんどん目から光が失われて行った。
……これ、本気で何かおかしいぞ。
「戻って来てください。どうどう」
「ぶへっ!」
俺はシーウェルト王子の頭にチョップをかました。シーウェルト王子は頭を押さえて悶える。……あれ?強すぎた?軽くしたつもり何だけど。
「誰かに叩かれるのは初めてです……」
「ああ、成程。免疫がなかったのですね。それは悪いことをしました」
俺はシーウェルト王子に痛み止め魔法をかけた。まあ一国の王子が頭を叩かれる経験なんて、ある訳ないよな。父親温厚そうだし。
「……あれ?」
「痛み止め魔法をかけました。これで痛みはなくなったと思うのですが」
「いや、何か……肩が軽くなったと言いますか……悪い憑き物が祓われたみたいな……」
「えっ?そんな効果ないですよ?」
「……気の所為か……?」
シーウェルト王子は不思議そうな表情で肩を回した。まあ体調が良くなったのであればそれに越したことはないけど。
「……で?本当に何故あんな行動をしたのかわからないのですか?」
俺がシーウェルト王子と目線を合わせるようにしゃがみこむと、シーウェルト王子は分が悪そうに俯き気味で答えた。
「……憶測でしかありませんし馬鹿馬鹿しいと思うかもしれませんが……多分最近よく見る夢のせいかと」
「夢ですか?」
シーウェルト王子がボソッと言った独り言に俺は首を傾げた。夢と奇行が何の因果関係があるんだ?胡蝶の夢か?世界の真理に近づいてしまってSAN値チェックか?1D10でサイコロ振るか??
「……幼い頃から何度も見る夢があるんです。現実では有り得ない設定なのに、何故か現実味を帯びているように感じてしまう、体験したことがあると思ってしまうような、そんな夢が。これまでは年に数回ぐらいだったのですが、最近毎日のようにその夢を見るようになったので……」
「へえ。それで?それが何の関係が?」
「……」
シーウェルト王子は言いにくそうに目を逸らした。おお、自信家な彼がそんな反応するなんて珍しい……って今はそれどころじゃないか。
「……どんな突拍子のない話でも笑いませんから、言ってください」
「……その言葉、信じますからね。それは私ではない私が青空に裏切られる夢なんです」
「……はい?」
俺は思わず素っ頓狂な声を出してしまった。突拍子のないにも程がありすぎる。私ではない私って、哲学か何か?てか青空に裏切られるって何かの比喩??
間抜けな顔をする俺を見て、シーウェルト王子はため息をついた。
「……馬鹿らしいと思ってるでしょうが、言ってしまったからには理解してもらうまで説明しますからね。その夢は多分、この世界ではない別の世界での私の話なんです」
シーウェルト王子の話を聞いて俺が出した結論は、シーウェルト王子には前世の、しかも俺の前世の世界とも今世の世界とも違う世界で生きた記憶がある、と言うことだった。
シーウェルト王子の話を要約するとこうだ。
夢の中の世界では魔法ではなく「魔術」……この世界で言う魔法陣学に似た位置づけになる学問で栄えていた。話を聞く分には前世で言う科学の部分がまるまる魔術に置き換えられている感じだ。勿論原理などは全く異なるが。
そして夢の中のシーウェルト王子は軍事国家の航空軍所属で、戦闘機を乗りこなして戦場を飛び回る軍人であった。平民の身分でありながら若くして少佐にまで上り詰めた実力者だったらしい。
彼には『青空悪魔』二つ名があった。晴れの日に彼が出陣すればどれだけ味方が不利な状況下にあっても勝利に導くと言われていたそうな。それ故に彼は青空に強い思い入れがあり、空色を愛して止まなかったそうな。自分を勝利に導いてくれるラッキーカラーのようなものなのだ。無理もないだろう。
実力的には国から勲章を贈られ、大佐や下手したら将校クラスの位を与えられてもおかしくなかったそうだが、平民と言う出身が足を引っ張って少佐止まりだったそうな。少佐でも十分凄いと思うけどね。俺は軍のことはからきしだけど。
それはそれとして、シーウェルト王子曰く、夢の中では同じ日を繰り返しているそうな。
時は各地で戦争の絶えない戦乱期。彼の国も隣国との戦争が泥沼化していた。そしてある日、彼が配属された地域のすぐそこに敵国が攻め込んで来た。
その日は綺麗な快晴だった。彼は運は自分に味方していると確信し、少々不利な戦況であったが出陣を希望した。
そして意気揚々と向かった戦場にて、自分の乗る戦闘機が爆撃を受け、彼は帰らぬ人となった。
彼が最後に見たのは上空で戦闘機から脱出した時に見た雲ひとつない快晴の空。話を聞く分にパラシュートなどの技術がなかった様であるその世界では例え爆撃から逃れられたとしても、落ちていく身体を救う術などなかった。今まで味方だと思っていた空色。これがあったから今日も勝ちを確信して出陣したのに。彼の死を目の前にしても空色は平然と鮮やかな色彩を彼の目に焼き付けていた。
裏切られた。世界で最も愛していた空色に。
彼は絶望に打ちひしがれながら、全身に走る痛みと共に、夢から覚める……。そんな悪夢を生まれてこの方何度も繰り返し見続けたそうだ。
「その夢の影響からか、私は空色を愛して止まない。愛しているからこそ、裏切られた憎しみが抑えきれない。愛しい、憎い、愛しい。空色を前にすると、相反する感情がせめぎ合って、頭の中がぐちゃぐちゃになる。自分の感情のはずなのに、自分でないような気がしてくる。自分が何者かわからなくなるんだ」
シーウェルト王子はいつもの丁寧な口調を崩してそう言うと、髪の毛をくしゃっとさせながら頭を抱えるのであった。
……えっと、まあ、とりあえず。
「落ち着いてくださいシーウェルト王子」
「ぐへっ!」
俺は防壁魔法を発動させてシーウェルト王子を弾き返した。シーウェルト王子は後ろへよろけて尻餅をつく。ちょっと他国の王子に魔法を使うのははばかられたけど、仕方ないよね。先に仕掛けてきたのは向こうだし。因果応報だうはははは(棒)
「……痛い……」
「自業自得ですよ。で?いきなり何なのですか?」
「私に対する気遣いとかはないのですね……」
「何で私がそんなことを?私は立派な被害者ですよ??」
「……確かにそれもそうですね」
シーウェルト王子は納得がいったかのように神妙に頷いた。いや何真剣に納得してんだよ冗談とかじゃなかったのかよ。
「……で?もう一度聞きますがいきなり何なのですか?」
「……わかりません。気がついたら身体が勝手に」
「……恍けるつもりですか?」
「いや!これは本当のことで……」
俺が疑いの目を向けるとシーウェルト王子はガバッと顔を上げて俺の顔を見た。その瞬間シーウェルト王子の動きは止まり、俺の目に釘付けになった。虚ろな目でこちらを見る。どんどん目から光が失われて行った。
……これ、本気で何かおかしいぞ。
「戻って来てください。どうどう」
「ぶへっ!」
俺はシーウェルト王子の頭にチョップをかました。シーウェルト王子は頭を押さえて悶える。……あれ?強すぎた?軽くしたつもり何だけど。
「誰かに叩かれるのは初めてです……」
「ああ、成程。免疫がなかったのですね。それは悪いことをしました」
俺はシーウェルト王子に痛み止め魔法をかけた。まあ一国の王子が頭を叩かれる経験なんて、ある訳ないよな。父親温厚そうだし。
「……あれ?」
「痛み止め魔法をかけました。これで痛みはなくなったと思うのですが」
「いや、何か……肩が軽くなったと言いますか……悪い憑き物が祓われたみたいな……」
「えっ?そんな効果ないですよ?」
「……気の所為か……?」
シーウェルト王子は不思議そうな表情で肩を回した。まあ体調が良くなったのであればそれに越したことはないけど。
「……で?本当に何故あんな行動をしたのかわからないのですか?」
俺がシーウェルト王子と目線を合わせるようにしゃがみこむと、シーウェルト王子は分が悪そうに俯き気味で答えた。
「……憶測でしかありませんし馬鹿馬鹿しいと思うかもしれませんが……多分最近よく見る夢のせいかと」
「夢ですか?」
シーウェルト王子がボソッと言った独り言に俺は首を傾げた。夢と奇行が何の因果関係があるんだ?胡蝶の夢か?世界の真理に近づいてしまってSAN値チェックか?1D10でサイコロ振るか??
「……幼い頃から何度も見る夢があるんです。現実では有り得ない設定なのに、何故か現実味を帯びているように感じてしまう、体験したことがあると思ってしまうような、そんな夢が。これまでは年に数回ぐらいだったのですが、最近毎日のようにその夢を見るようになったので……」
「へえ。それで?それが何の関係が?」
「……」
シーウェルト王子は言いにくそうに目を逸らした。おお、自信家な彼がそんな反応するなんて珍しい……って今はそれどころじゃないか。
「……どんな突拍子のない話でも笑いませんから、言ってください」
「……その言葉、信じますからね。それは私ではない私が青空に裏切られる夢なんです」
「……はい?」
俺は思わず素っ頓狂な声を出してしまった。突拍子のないにも程がありすぎる。私ではない私って、哲学か何か?てか青空に裏切られるって何かの比喩??
間抜けな顔をする俺を見て、シーウェルト王子はため息をついた。
「……馬鹿らしいと思ってるでしょうが、言ってしまったからには理解してもらうまで説明しますからね。その夢は多分、この世界ではない別の世界での私の話なんです」
シーウェルト王子の話を聞いて俺が出した結論は、シーウェルト王子には前世の、しかも俺の前世の世界とも今世の世界とも違う世界で生きた記憶がある、と言うことだった。
シーウェルト王子の話を要約するとこうだ。
夢の中の世界では魔法ではなく「魔術」……この世界で言う魔法陣学に似た位置づけになる学問で栄えていた。話を聞く分には前世で言う科学の部分がまるまる魔術に置き換えられている感じだ。勿論原理などは全く異なるが。
そして夢の中のシーウェルト王子は軍事国家の航空軍所属で、戦闘機を乗りこなして戦場を飛び回る軍人であった。平民の身分でありながら若くして少佐にまで上り詰めた実力者だったらしい。
彼には『青空悪魔』二つ名があった。晴れの日に彼が出陣すればどれだけ味方が不利な状況下にあっても勝利に導くと言われていたそうな。それ故に彼は青空に強い思い入れがあり、空色を愛して止まなかったそうな。自分を勝利に導いてくれるラッキーカラーのようなものなのだ。無理もないだろう。
実力的には国から勲章を贈られ、大佐や下手したら将校クラスの位を与えられてもおかしくなかったそうだが、平民と言う出身が足を引っ張って少佐止まりだったそうな。少佐でも十分凄いと思うけどね。俺は軍のことはからきしだけど。
それはそれとして、シーウェルト王子曰く、夢の中では同じ日を繰り返しているそうな。
時は各地で戦争の絶えない戦乱期。彼の国も隣国との戦争が泥沼化していた。そしてある日、彼が配属された地域のすぐそこに敵国が攻め込んで来た。
その日は綺麗な快晴だった。彼は運は自分に味方していると確信し、少々不利な戦況であったが出陣を希望した。
そして意気揚々と向かった戦場にて、自分の乗る戦闘機が爆撃を受け、彼は帰らぬ人となった。
彼が最後に見たのは上空で戦闘機から脱出した時に見た雲ひとつない快晴の空。話を聞く分にパラシュートなどの技術がなかった様であるその世界では例え爆撃から逃れられたとしても、落ちていく身体を救う術などなかった。今まで味方だと思っていた空色。これがあったから今日も勝ちを確信して出陣したのに。彼の死を目の前にしても空色は平然と鮮やかな色彩を彼の目に焼き付けていた。
裏切られた。世界で最も愛していた空色に。
彼は絶望に打ちひしがれながら、全身に走る痛みと共に、夢から覚める……。そんな悪夢を生まれてこの方何度も繰り返し見続けたそうだ。
「その夢の影響からか、私は空色を愛して止まない。愛しているからこそ、裏切られた憎しみが抑えきれない。愛しい、憎い、愛しい。空色を前にすると、相反する感情がせめぎ合って、頭の中がぐちゃぐちゃになる。自分の感情のはずなのに、自分でないような気がしてくる。自分が何者かわからなくなるんだ」
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