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動き出す時
閑話:或先輩近衛騎士の溜息
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「……いた。捜したぞ、ヴァイナモ」
「……オリヴァ先輩」
物置へと入ってみると、部屋の隅でヴァイナモが丸まっていた。俺は自分の勘も捨てたモンじゃないな、と思いつつヴァイナモに近づく。
「さあ、吐け。殿下と一体何があった?」
「……エルネスティ様に嫌われました」
「はあ?んな馬鹿な。どんな天変地異だよ。寝言は寝て言え」
俺がヴァイナモの頭をぺちんと叩くと、ヴァイナモはムッとなって、ぐしゃぐしゃの顔をガバッと上げて反論した。
「ですが!エルネスティ様は確かに俺の手を軽蔑の眼差しで振りほどかれた!俺が執拗いから!」
「……とりあえずそう言うことにしてやるから、ちゃんと事情を俺にもわかるように説明しろ」
その表情があまりにも切羽詰まっていたので、一応ヴァイナモの言うことは信じて……と言うより、少なくともヴァイナモにはそう見えたと仮定して、事情を説明してもらった。
全て聞いた後、俺は呆れて溜息をついた。
「……まあ確かに夢の内容を聞くのは不躾かもしれんし、殿下も嫌だったかもしれん。でもそれはただ単に夢の内容を聞かれたのが嫌だっただけで、別にヴァイナモを嫌ったりはしてないだろ」
「ですが!あんなことされたのは初めてで……!俺が執拗いから、エルネスティ様は嫌になって!」
「……いや、その程度で執拗いとか、どんだけ我儘なんだよ」
ヴァイナモはキョトンとした。いや、なんでわからん。俺がそんなことされたら『自分のことは棚に上げて、何いけしゃあしゃあと言ってやがる』って一発殴るぞ。アスモ以外だったら。アスモだったらそれはそれで可愛いから許すけど。ああ、アスモに会いたい。手のかかる後輩の世話に疲れた俺を癒してくれ。
「以前、殿下はお前に『貴方の全てを知りたい』っつってただろ。相手を暴くだけ暴いて、自分は秘密主義とかタチが悪すぎる。殿下はそんな自己中じゃないだろ」
「……でも、俺は実際に拒絶されて……」
「そりゃお前みたいに自分のことを躊躇いもなく相手に晒せる奴なんてそうそういないぞ。殿下は痛い所を突かれて反射的に拒絶しただけだろ。今頃後悔してんじゃないか?」
「……そう、でしょうか……」
ヴァイナモは自信なさげに相槌を打った。いや、十中八九そうだろ。殿下はヴァイナモのことが好きだって自覚してるから、このことが原因でヴァイナモが離れてしまったら、なんて考えてボロ泣きしてんだろ。
全く、殿下もヴァイナモも、なんでこんなに奥手で鈍感なんだ。普通普段のあんな反応見せられたら、自分に気があるのではないか?ってぐらいは思うだろ。相手に遠慮しすぎなんだよな。さっさと自分の気持ちをぶつけ合って、くっ付けってんだ鈍感共め。
「……まあ何はともあれ、一度殿下とちゃんと話をしろ。決めつけて避けるのは逃げと同じだ。逃げるな。ちゃんと向き合え」
「……わかりました」
ヴァイナモは躊躇いながらも了解した。よし。こっちは大丈夫だな。後はダーヴィドたちがきちんと殿下を説得してくれるのを待つだけだ。全く、手間をかけやがってこの鈍感野郎。
……そう言やなんでヴァイナモは殿下の夢の内容を知りたがったんだ?いつものコイツならプライベートな部分まで干渉はしないのに。
「……で?なんでお前は殿下の夢の内容を知りたがったんだ?殿下が曖昧に誤魔化したんなら、言い難いことなのは確かだろう。いつものお前ならそこで身を引くんじゃないのか?」
「……魔力の波長が乱されて、外部から何かしらの干渉があった可能性がある、との報告を受けたので。原因究明にも、夢の内容を知ることは必要だと思いました」
「……なら素直に魔力操作の件を殿下にお伝えすれば良かったじゃねえか。殿下ならちゃんと事情を説明すれば、話してくれたかもしれねえのに。そもそもなんで殿下に内緒にしてんだよ。知らせた方が良いに決まってんだろ。殿下は魔法が得意だから、自衛出来るかもしれねえのに」
俺が疑問を並べると、ヴァイナモは居心地が悪そうに顔を背けた。俺は誤魔化しは効かねえぞとヴァイナモの額を小突いてやる。ヴァイナモは渋々、言い難そうに口を彷徨わせながら開いた。
「……その、エルネスティ様には何の心配もしないで、屈託の無い笑顔でいて欲しいので」
「……はっ?」
「自身が狙われていると知ると、エルネスティ様の笑顔が曇ってしまうのでは、と怖くて……」
何言ってんだコイツ??
いや、殿下の屈託の無い笑みはわかる。めちゃくちゃ楽しんでる時の、実年齢より幼いあの満面の笑みだろ?アスモも言ってたぞ、「守りたい、その笑顔」って。だからその気持ちはわかる。問題はその笑顔の守り方だ。
どうした?殿下が大切すぎて拗らせたのか?
そんなことで殿下は喜ばないだろ?
「殿下はそんなことで気を病まない。毒盛られて飄々としてたんだろ?多分殿下なら『大体のことは魔法でなんとかなります』とか、こっちが心配になるほど楽観視するだろ。殿下を信じろ。殿下は見た目に反して図太いぞ」
「……それはオリヴァ先輩が夢に恐れるエルネスティ様の姿を見ていないからだ!あの日、夜中に俺の元へやって来たエルネスティ様が、どれだけ怖がっていたことか……!」
「ならその不安を吹き飛ばすぐらい、お前が支えてやれば良いだろ。お前が笑顔にすれば良いだろ。お前が安心させたら良いだろ。その夜の時みたいに。お前にはそう出来る力と信頼があるんだからな」
ヴァイナモは思ってもみなかった、と驚いた表情を見せた。どうせ自分にはそんな力なんてない、って思ってんだろうな。馬鹿野郎。お前と話す殿下のあの幸せそうな笑顔。あれはヴァイナモでしか引き出せないと言うのに。
俺の勘は当たっていたようで、ヴァイナモは不安げに眉を下げた。
「……そんなこと、俺に出来るでしょうか」
「『出来るか』じゃなくて『やる』んだよ。俺にはどんな困難があったとしても、アスモの笑顔を守り抜くって覚悟がある。アスモのためなら何だってする。アスモがこの世で一番大切だからな。……まあ流石にアスモを悲しませるようなことは出来ないが」
ヴァイナモは「出来るか、ではなく、やる……」と俺の言葉を反芻した。そして徐々に覚悟を決めたように精悍な表情になっていく。……答えは見つかったようだな。全く、手のかかる後輩だ。
本当、コイツらは相手のことをよく見てるようで、全然見てないんだから、見てるこっちがもどかしくて堪らない。まあ自分の気持ちにすら気づかない鈍チン野郎共だからな。今回のこれも、「俺は騎士として殿下を支える!」とか考えてるんだろうなこの朴念仁は。
殿下は自分の気持ちに気づいたが、ヴァイナモはいつになることやら。
そんなことを考えていると、ヴァイナモの口から衝撃の言葉が放たれた。
「……俺が生涯エルネスティ様に添い遂げる資格はないけど、そんな人が現れるまでは、俺が……!」
拳を握りしめてそう小声で自分に言い聞かせるヴァイナモを見て、俺は思わず目を丸くする。
『生涯添い遂げる』
その言葉に含まれている意味を、ヴァイナモは知っているだろうか。いや、普通は知ってて使ってるって思うだろうが、ヴァイナモだからな……。
でも、それでも、期待しても良いだろうか。
「ヴァイナモ、お前は……」
俺がひとつの仮定を導き出し、その真偽を問おうとしたその時。
「ヴァイナモー!オリヴァ先輩ー!どこですかー!?」
部屋の外からダーヴィドが俺たちを呼ぶ大声が聞こえてきた。おいダーヴィド!タイミングが悪すぎる!今めちゃくちゃ重要なことを問いただそうとしてたんだぞ!?空気読め!
「……行くか」
「オリヴァ先輩?さっき何か言いかけませんでしたか?」
「……いや、もういい」
ヴァイナモは不思議そうにするが、俺はもう言う気にはならない。興が削がれたってか、純粋に小っ恥ずかしいぞ、あんなこと聞くの。その場の空気に流されてじゃねえと無理だ。
まあダーヴィドが来たと言うことは、とりあえず殿下の方も話はついたようだな。後はコイツらの頑張り次第か。見守るしかない。
さて、舞台のお膳立ては俺たちがしてやるから、お前らはさっさと仲直りして来い。
ついでにさっさと付き合えこの無自覚砂糖量産コンビめ。
俺は呆れて溜息をつきながら部屋を出て、ダーヴィドの元へと向かった。
「……オリヴァ先輩」
物置へと入ってみると、部屋の隅でヴァイナモが丸まっていた。俺は自分の勘も捨てたモンじゃないな、と思いつつヴァイナモに近づく。
「さあ、吐け。殿下と一体何があった?」
「……エルネスティ様に嫌われました」
「はあ?んな馬鹿な。どんな天変地異だよ。寝言は寝て言え」
俺がヴァイナモの頭をぺちんと叩くと、ヴァイナモはムッとなって、ぐしゃぐしゃの顔をガバッと上げて反論した。
「ですが!エルネスティ様は確かに俺の手を軽蔑の眼差しで振りほどかれた!俺が執拗いから!」
「……とりあえずそう言うことにしてやるから、ちゃんと事情を俺にもわかるように説明しろ」
その表情があまりにも切羽詰まっていたので、一応ヴァイナモの言うことは信じて……と言うより、少なくともヴァイナモにはそう見えたと仮定して、事情を説明してもらった。
全て聞いた後、俺は呆れて溜息をついた。
「……まあ確かに夢の内容を聞くのは不躾かもしれんし、殿下も嫌だったかもしれん。でもそれはただ単に夢の内容を聞かれたのが嫌だっただけで、別にヴァイナモを嫌ったりはしてないだろ」
「ですが!あんなことされたのは初めてで……!俺が執拗いから、エルネスティ様は嫌になって!」
「……いや、その程度で執拗いとか、どんだけ我儘なんだよ」
ヴァイナモはキョトンとした。いや、なんでわからん。俺がそんなことされたら『自分のことは棚に上げて、何いけしゃあしゃあと言ってやがる』って一発殴るぞ。アスモ以外だったら。アスモだったらそれはそれで可愛いから許すけど。ああ、アスモに会いたい。手のかかる後輩の世話に疲れた俺を癒してくれ。
「以前、殿下はお前に『貴方の全てを知りたい』っつってただろ。相手を暴くだけ暴いて、自分は秘密主義とかタチが悪すぎる。殿下はそんな自己中じゃないだろ」
「……でも、俺は実際に拒絶されて……」
「そりゃお前みたいに自分のことを躊躇いもなく相手に晒せる奴なんてそうそういないぞ。殿下は痛い所を突かれて反射的に拒絶しただけだろ。今頃後悔してんじゃないか?」
「……そう、でしょうか……」
ヴァイナモは自信なさげに相槌を打った。いや、十中八九そうだろ。殿下はヴァイナモのことが好きだって自覚してるから、このことが原因でヴァイナモが離れてしまったら、なんて考えてボロ泣きしてんだろ。
全く、殿下もヴァイナモも、なんでこんなに奥手で鈍感なんだ。普通普段のあんな反応見せられたら、自分に気があるのではないか?ってぐらいは思うだろ。相手に遠慮しすぎなんだよな。さっさと自分の気持ちをぶつけ合って、くっ付けってんだ鈍感共め。
「……まあ何はともあれ、一度殿下とちゃんと話をしろ。決めつけて避けるのは逃げと同じだ。逃げるな。ちゃんと向き合え」
「……わかりました」
ヴァイナモは躊躇いながらも了解した。よし。こっちは大丈夫だな。後はダーヴィドたちがきちんと殿下を説得してくれるのを待つだけだ。全く、手間をかけやがってこの鈍感野郎。
……そう言やなんでヴァイナモは殿下の夢の内容を知りたがったんだ?いつものコイツならプライベートな部分まで干渉はしないのに。
「……で?なんでお前は殿下の夢の内容を知りたがったんだ?殿下が曖昧に誤魔化したんなら、言い難いことなのは確かだろう。いつものお前ならそこで身を引くんじゃないのか?」
「……魔力の波長が乱されて、外部から何かしらの干渉があった可能性がある、との報告を受けたので。原因究明にも、夢の内容を知ることは必要だと思いました」
「……なら素直に魔力操作の件を殿下にお伝えすれば良かったじゃねえか。殿下ならちゃんと事情を説明すれば、話してくれたかもしれねえのに。そもそもなんで殿下に内緒にしてんだよ。知らせた方が良いに決まってんだろ。殿下は魔法が得意だから、自衛出来るかもしれねえのに」
俺が疑問を並べると、ヴァイナモは居心地が悪そうに顔を背けた。俺は誤魔化しは効かねえぞとヴァイナモの額を小突いてやる。ヴァイナモは渋々、言い難そうに口を彷徨わせながら開いた。
「……その、エルネスティ様には何の心配もしないで、屈託の無い笑顔でいて欲しいので」
「……はっ?」
「自身が狙われていると知ると、エルネスティ様の笑顔が曇ってしまうのでは、と怖くて……」
何言ってんだコイツ??
いや、殿下の屈託の無い笑みはわかる。めちゃくちゃ楽しんでる時の、実年齢より幼いあの満面の笑みだろ?アスモも言ってたぞ、「守りたい、その笑顔」って。だからその気持ちはわかる。問題はその笑顔の守り方だ。
どうした?殿下が大切すぎて拗らせたのか?
そんなことで殿下は喜ばないだろ?
「殿下はそんなことで気を病まない。毒盛られて飄々としてたんだろ?多分殿下なら『大体のことは魔法でなんとかなります』とか、こっちが心配になるほど楽観視するだろ。殿下を信じろ。殿下は見た目に反して図太いぞ」
「……それはオリヴァ先輩が夢に恐れるエルネスティ様の姿を見ていないからだ!あの日、夜中に俺の元へやって来たエルネスティ様が、どれだけ怖がっていたことか……!」
「ならその不安を吹き飛ばすぐらい、お前が支えてやれば良いだろ。お前が笑顔にすれば良いだろ。お前が安心させたら良いだろ。その夜の時みたいに。お前にはそう出来る力と信頼があるんだからな」
ヴァイナモは思ってもみなかった、と驚いた表情を見せた。どうせ自分にはそんな力なんてない、って思ってんだろうな。馬鹿野郎。お前と話す殿下のあの幸せそうな笑顔。あれはヴァイナモでしか引き出せないと言うのに。
俺の勘は当たっていたようで、ヴァイナモは不安げに眉を下げた。
「……そんなこと、俺に出来るでしょうか」
「『出来るか』じゃなくて『やる』んだよ。俺にはどんな困難があったとしても、アスモの笑顔を守り抜くって覚悟がある。アスモのためなら何だってする。アスモがこの世で一番大切だからな。……まあ流石にアスモを悲しませるようなことは出来ないが」
ヴァイナモは「出来るか、ではなく、やる……」と俺の言葉を反芻した。そして徐々に覚悟を決めたように精悍な表情になっていく。……答えは見つかったようだな。全く、手のかかる後輩だ。
本当、コイツらは相手のことをよく見てるようで、全然見てないんだから、見てるこっちがもどかしくて堪らない。まあ自分の気持ちにすら気づかない鈍チン野郎共だからな。今回のこれも、「俺は騎士として殿下を支える!」とか考えてるんだろうなこの朴念仁は。
殿下は自分の気持ちに気づいたが、ヴァイナモはいつになることやら。
そんなことを考えていると、ヴァイナモの口から衝撃の言葉が放たれた。
「……俺が生涯エルネスティ様に添い遂げる資格はないけど、そんな人が現れるまでは、俺が……!」
拳を握りしめてそう小声で自分に言い聞かせるヴァイナモを見て、俺は思わず目を丸くする。
『生涯添い遂げる』
その言葉に含まれている意味を、ヴァイナモは知っているだろうか。いや、普通は知ってて使ってるって思うだろうが、ヴァイナモだからな……。
でも、それでも、期待しても良いだろうか。
「ヴァイナモ、お前は……」
俺がひとつの仮定を導き出し、その真偽を問おうとしたその時。
「ヴァイナモー!オリヴァ先輩ー!どこですかー!?」
部屋の外からダーヴィドが俺たちを呼ぶ大声が聞こえてきた。おいダーヴィド!タイミングが悪すぎる!今めちゃくちゃ重要なことを問いただそうとしてたんだぞ!?空気読め!
「……行くか」
「オリヴァ先輩?さっき何か言いかけませんでしたか?」
「……いや、もういい」
ヴァイナモは不思議そうにするが、俺はもう言う気にはならない。興が削がれたってか、純粋に小っ恥ずかしいぞ、あんなこと聞くの。その場の空気に流されてじゃねえと無理だ。
まあダーヴィドが来たと言うことは、とりあえず殿下の方も話はついたようだな。後はコイツらの頑張り次第か。見守るしかない。
さて、舞台のお膳立ては俺たちがしてやるから、お前らはさっさと仲直りして来い。
ついでにさっさと付き合えこの無自覚砂糖量産コンビめ。
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