104 / 219
動き出す時
ヴァイナモの長兄
しおりを挟む
結局その後パレンシア侯爵は料理人を連れて意気揚々と帰って行った。そんなに海の死神を気に入ったのか。予想以上だ。まあパレンシア侯爵に海の死神を布教してもらえるなら、それに越したことはないから有難いけど。
パレンシア侯爵がお帰りになり、静かになった部屋で俺はぽつりと呟いた。
「……もしかしてこれは、あの料理人さんにウーノさんの料理を教え込んで、パレンシア侯爵の元へ派遣した方が良いのでは……?」
「……確かにパレンシア侯爵が海の死神を布教するのであれば、側にレシピを知っている料理人がいた方が良いですよね。陛下に願い立てますか?」
「そうですね。その準備を進めておきましょう。まあ動くのは当の本人たちの意見を聞いてからですが」
「それもそうですね。料理人が帰って来たら早速聞いてみましょうか」
これは俺が動く必要があるけど、やはり最終的には本人たちの意思を尊重すべきだからね。料理人も、もしかしたら宮殿料理人に憧れて今の職業に就いてるのかもしれないし。
まあ何にせよ、海の死神の布教は着実に進んでいるな。やったねウーノさん!食界隈で発言力抜群の美食家が味方についたよ!
* * *
その日は色々と疲れたので、サルメライネン伯爵邸に着いた俺は湯浴みをして直ぐに休んだ。夕食を食べてなかったけど、お腹がいっぱいだから入らなかったんだよね。ヴァイナモには心配されたけど、夕食を一食抜いただけで死にはしないよ!
そう言や今朝はヴァイナモと顔を合わせられない!って思ってたけど、意外と別のことに気を取られていると大丈夫だったな。まあ騎士の皆さんが常にいてくれたって言うのもあるけど。やっぱり自分の気持ちに自覚しようが、ヴァイナモの側は俺にとって気を緩められる、安心出来る場所なんだなあ。……なんかちょっと小っ恥ずかしいな。
そんなことを考えながら眠りにつき、翌朝となった。モーニングコールにはヴァイナモと、無理矢理ついて来たのであろうダーヴィドがやって来た。
俺の中で、律儀に2人きりにしないように配慮してくれるダーヴィドの株が爆上がりなのだが。いや、好きな人を前にしてあたふたする俺をニマニマ眺めたいからって下衆な考えが見え透いてるけど。理由はどうあれ2人きりじゃなくなるからね。感謝はしている。釈然としないけど。
にしても、パロメロ皇国大使との食事会も済んだし、港町視察も済んだし、やること無くなったな。あと一週間ぐらい滞在する予定だけど、何しよう?
俺は2人にそのことを相談した。するとヴァイナモが港町から少し離れた場所にある別荘に行かないか、と提案して来た。自然に囲まれた長閑な田舎町にあるらしい。そう言や俺って前世も今世も大都市に住んでたから、自然豊かな田舎とかに縁がなかったな。ちょっと面白そう。そう思った俺はヴァイナモの提案を呑んだ。今日のうちにサルメライネン伯爵に許可を取ってくれるそうだ。
そんな会話をしながら廊下を歩いていると、前から白皙で細身の青年がやって来た。見かけない顔だなあ、とぼんやり思っていると、ヴァイナモが驚いた様子でその青年に駆け寄った。
「ユリウス兄上!お身体は大丈夫なのですか!?」
「やあヴァイナモ、おはよう。今日は調子が良いからね。ずっと部屋に篭っていても気分が滅入るから、ちょっと屋敷内を散歩していたんだよ」
青年は温和そうに微笑んだ。兄上……ってことは、この方がヴァイナモの一番上のお兄さんか。病弱だって言ってたけど、確かに雰囲気が儚げで、風が吹いたら飛んでいってしまいそうな方だな。
談話していたユリウスさんは俺の方を見て目を丸くした。
「……おや、そちらの方は」
「あっ。この方は第四皇子のエルネスティ殿下です」
「ああ、父上がそんな話をしていたね。初のお目にかかります、殿下。私はサルメライネン伯爵家長男、ユリウス・アーポ・サルメライネンと申します。以後お見知り置きを」
ユリウスさんが恭しく頭を下げたので、俺も軽く会釈して自己紹介をすることにした。
「ご紹介に預かりました。エルネスティ・トゥーレ・タルヴィッキ・ニコ・ハーララです。少しの間ですが、サルメライネン伯爵邸にお邪魔しています」
「確か陛下の勅命でパロメロ皇国大使と食事会を開催されるのでしたか」
「それは昨日済みましたので、残りの滞在期間は別荘の方で過ごそうかと言う話を先程していました」
「そうなのですね。別荘は良い場所ですよ。空気が澄んでいて、とても長閑で。私もよく療養でそちらにいました」
ユリウスさんはそう言うと顔を背けてコホコホと咳をした。それだけでヴァイナモは心配そうにユリウスさんの背中を摩る。伯爵位を継げない程病弱だって聞いたし、病床生活が長いんだろうな。咳ひとつでも心配になるわ。
「まあまだ伯爵の了承を得てはいないのですが」
「きっと了承してくれますよ。別荘は比較的最近まで私が住んでいたので、埃などは溜まっていないでしょうし。別荘ではその周辺を探索してみるのもよろしいかと。ヴァイナモ、その時は殿下の案内を頼むよ」
「わかっています。……そうだ、エルネスティ様。以前俺が話した砂浜が別荘付近にあるので、時間を見つけて行きましょう」
「そうなのですね!楽しみです!」
ヴァイナモの言葉に俺は頬を綻ばせた。砂浜って、ヴァイナモが前にお気に入りの場所だって言ってた所だよね。夕日を受けてキラキラと輝く海面と白砂か。楽しみだなあ。
俺が胸を躍らせていると、ユリウスさんがキョトンと首を傾げ、口を開いた。
「あれ?殿下はヴァイナモのお嫁さんなの?」
一瞬、その場は沈黙に包まれた。誰もユリウスさんの言葉を理解出来なかったからだ。かく言う俺も頭が真っ白になり、宇宙を見た猫の気持ちを実感していた。……えっ?お嫁さん?
いち早く困惑から解放されたのは、ヴァイナモだった。
「……なっ!なんでそうなるんですか兄上!?」
「え?だって昔、家族で行った時に言ってたでしょ?いつかお嫁さんをこの砂浜に連れて来る!って」
「一体いつの話をしてるんですか!?て言うかお嫁さん以外でも連れて行きますよ!」
「そうなの?でもこれまで誰も連れて行ってなかったから、てっきりお嫁さんしか連れて行くつもりはないのかと……」
「それは!今まで俺の交友関係が!狭かったからだ!」
ヴァイナモが珍しく口調が崩れながらも大慌てで訂正を入れようとする。必死な様子にユリウスさんは目を白黒させた。揶揄っている訳ではなく、本気でそう思っていたようだ。幼少期の言葉を今も信じるなんて、ユリウスさん天然か!?
てかヴァイナモ。どさくさに紛れて自虐みたいなこと言うな!?お気に入りの場所を紹介するような友人がいなかったって!悲しいこと言うなよ!
ヴァイナモが大混乱する中、ユリウスさんはマイペースにも何か思い出したような仕草をした。
「あっ、そうだ。父上がさっきヴァイナモを呼んでたよ」
「話を逸らさないでください!……ってそれ、早く言ってくださいよ!今から向かいます!ダーヴィド先輩!エルネスティ様の護衛をお願いします!」
「はいはーい!先輩に任せなさーい!」
ダーヴィドの元気な返事を背に、ヴァイナモは駆け足で去って行った。……えっ待って皆通常運転に戻るの早すぎ!俺を放置しないで!?
* * * * * * * * *
2020/09/15
誤字を修正しました。
パレンシア侯爵がお帰りになり、静かになった部屋で俺はぽつりと呟いた。
「……もしかしてこれは、あの料理人さんにウーノさんの料理を教え込んで、パレンシア侯爵の元へ派遣した方が良いのでは……?」
「……確かにパレンシア侯爵が海の死神を布教するのであれば、側にレシピを知っている料理人がいた方が良いですよね。陛下に願い立てますか?」
「そうですね。その準備を進めておきましょう。まあ動くのは当の本人たちの意見を聞いてからですが」
「それもそうですね。料理人が帰って来たら早速聞いてみましょうか」
これは俺が動く必要があるけど、やはり最終的には本人たちの意思を尊重すべきだからね。料理人も、もしかしたら宮殿料理人に憧れて今の職業に就いてるのかもしれないし。
まあ何にせよ、海の死神の布教は着実に進んでいるな。やったねウーノさん!食界隈で発言力抜群の美食家が味方についたよ!
* * *
その日は色々と疲れたので、サルメライネン伯爵邸に着いた俺は湯浴みをして直ぐに休んだ。夕食を食べてなかったけど、お腹がいっぱいだから入らなかったんだよね。ヴァイナモには心配されたけど、夕食を一食抜いただけで死にはしないよ!
そう言や今朝はヴァイナモと顔を合わせられない!って思ってたけど、意外と別のことに気を取られていると大丈夫だったな。まあ騎士の皆さんが常にいてくれたって言うのもあるけど。やっぱり自分の気持ちに自覚しようが、ヴァイナモの側は俺にとって気を緩められる、安心出来る場所なんだなあ。……なんかちょっと小っ恥ずかしいな。
そんなことを考えながら眠りにつき、翌朝となった。モーニングコールにはヴァイナモと、無理矢理ついて来たのであろうダーヴィドがやって来た。
俺の中で、律儀に2人きりにしないように配慮してくれるダーヴィドの株が爆上がりなのだが。いや、好きな人を前にしてあたふたする俺をニマニマ眺めたいからって下衆な考えが見え透いてるけど。理由はどうあれ2人きりじゃなくなるからね。感謝はしている。釈然としないけど。
にしても、パロメロ皇国大使との食事会も済んだし、港町視察も済んだし、やること無くなったな。あと一週間ぐらい滞在する予定だけど、何しよう?
俺は2人にそのことを相談した。するとヴァイナモが港町から少し離れた場所にある別荘に行かないか、と提案して来た。自然に囲まれた長閑な田舎町にあるらしい。そう言や俺って前世も今世も大都市に住んでたから、自然豊かな田舎とかに縁がなかったな。ちょっと面白そう。そう思った俺はヴァイナモの提案を呑んだ。今日のうちにサルメライネン伯爵に許可を取ってくれるそうだ。
そんな会話をしながら廊下を歩いていると、前から白皙で細身の青年がやって来た。見かけない顔だなあ、とぼんやり思っていると、ヴァイナモが驚いた様子でその青年に駆け寄った。
「ユリウス兄上!お身体は大丈夫なのですか!?」
「やあヴァイナモ、おはよう。今日は調子が良いからね。ずっと部屋に篭っていても気分が滅入るから、ちょっと屋敷内を散歩していたんだよ」
青年は温和そうに微笑んだ。兄上……ってことは、この方がヴァイナモの一番上のお兄さんか。病弱だって言ってたけど、確かに雰囲気が儚げで、風が吹いたら飛んでいってしまいそうな方だな。
談話していたユリウスさんは俺の方を見て目を丸くした。
「……おや、そちらの方は」
「あっ。この方は第四皇子のエルネスティ殿下です」
「ああ、父上がそんな話をしていたね。初のお目にかかります、殿下。私はサルメライネン伯爵家長男、ユリウス・アーポ・サルメライネンと申します。以後お見知り置きを」
ユリウスさんが恭しく頭を下げたので、俺も軽く会釈して自己紹介をすることにした。
「ご紹介に預かりました。エルネスティ・トゥーレ・タルヴィッキ・ニコ・ハーララです。少しの間ですが、サルメライネン伯爵邸にお邪魔しています」
「確か陛下の勅命でパロメロ皇国大使と食事会を開催されるのでしたか」
「それは昨日済みましたので、残りの滞在期間は別荘の方で過ごそうかと言う話を先程していました」
「そうなのですね。別荘は良い場所ですよ。空気が澄んでいて、とても長閑で。私もよく療養でそちらにいました」
ユリウスさんはそう言うと顔を背けてコホコホと咳をした。それだけでヴァイナモは心配そうにユリウスさんの背中を摩る。伯爵位を継げない程病弱だって聞いたし、病床生活が長いんだろうな。咳ひとつでも心配になるわ。
「まあまだ伯爵の了承を得てはいないのですが」
「きっと了承してくれますよ。別荘は比較的最近まで私が住んでいたので、埃などは溜まっていないでしょうし。別荘ではその周辺を探索してみるのもよろしいかと。ヴァイナモ、その時は殿下の案内を頼むよ」
「わかっています。……そうだ、エルネスティ様。以前俺が話した砂浜が別荘付近にあるので、時間を見つけて行きましょう」
「そうなのですね!楽しみです!」
ヴァイナモの言葉に俺は頬を綻ばせた。砂浜って、ヴァイナモが前にお気に入りの場所だって言ってた所だよね。夕日を受けてキラキラと輝く海面と白砂か。楽しみだなあ。
俺が胸を躍らせていると、ユリウスさんがキョトンと首を傾げ、口を開いた。
「あれ?殿下はヴァイナモのお嫁さんなの?」
一瞬、その場は沈黙に包まれた。誰もユリウスさんの言葉を理解出来なかったからだ。かく言う俺も頭が真っ白になり、宇宙を見た猫の気持ちを実感していた。……えっ?お嫁さん?
いち早く困惑から解放されたのは、ヴァイナモだった。
「……なっ!なんでそうなるんですか兄上!?」
「え?だって昔、家族で行った時に言ってたでしょ?いつかお嫁さんをこの砂浜に連れて来る!って」
「一体いつの話をしてるんですか!?て言うかお嫁さん以外でも連れて行きますよ!」
「そうなの?でもこれまで誰も連れて行ってなかったから、てっきりお嫁さんしか連れて行くつもりはないのかと……」
「それは!今まで俺の交友関係が!狭かったからだ!」
ヴァイナモが珍しく口調が崩れながらも大慌てで訂正を入れようとする。必死な様子にユリウスさんは目を白黒させた。揶揄っている訳ではなく、本気でそう思っていたようだ。幼少期の言葉を今も信じるなんて、ユリウスさん天然か!?
てかヴァイナモ。どさくさに紛れて自虐みたいなこと言うな!?お気に入りの場所を紹介するような友人がいなかったって!悲しいこと言うなよ!
ヴァイナモが大混乱する中、ユリウスさんはマイペースにも何か思い出したような仕草をした。
「あっ、そうだ。父上がさっきヴァイナモを呼んでたよ」
「話を逸らさないでください!……ってそれ、早く言ってくださいよ!今から向かいます!ダーヴィド先輩!エルネスティ様の護衛をお願いします!」
「はいはーい!先輩に任せなさーい!」
ダーヴィドの元気な返事を背に、ヴァイナモは駆け足で去って行った。……えっ待って皆通常運転に戻るの早すぎ!俺を放置しないで!?
* * * * * * * * *
2020/09/15
誤字を修正しました。
249
お気に入りに追加
3,806
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、転生特典(執事)と旅に出たい
オオトリ
BL
とある教会で、今日一組の若い男女が結婚式を挙げようとしていた。
今、まさに新郎新婦が手を取り合おうとしたその時―――
「ちょっと待ったー!」
乱入者の声が響き渡った。
これは、とある事情で異世界転生した主人公が、結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、
白米を求めて 俺TUEEEEせずに、執事TUEEEEな旅に出たい
そんなお話
※主人公は当初女性と婚約しています(タイトルの通り)
※主人公ではない部分で、男女の恋愛がお話に絡んでくることがあります
※BLは読むことも初心者の作者の初作品なので、タグ付けなど必要があれば教えてください
※完結しておりますが、今後番外編及び小話、続編をいずれ追加して参りたいと思っています
※小説家になろうさんでも同時公開中
R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)
黒崎由希
BL
目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。
しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ?
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
…ええっと…
もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m
.
俺の婚約者は悪役令息ですか?
SEKISUI
BL
結婚まで後1年
女性が好きで何とか婚約破棄したい子爵家のウルフロ一レン
ウルフローレンをこよなく愛する婚約者
ウルフローレンを好き好ぎて24時間一緒に居たい
そんな婚約者に振り回されるウルフローレンは突っ込みが止まらない
【完結】だから俺は主人公じゃない!
美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。
しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!?
でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。
そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。
主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱!
だから、…俺は主人公じゃないんだってば!
乙女ゲームが俺のせいでバグだらけになった件について
はかまる
BL
異世界転生配属係の神様に間違えて何の関係もない乙女ゲームの悪役令状ポジションに転生させられた元男子高校生が、世界がバグだらけになった世界で頑張る話。
この道を歩む~転生先で真剣に生きていたら、第二王子に真剣に愛された~
乃ぞみ
BL
※ムーンライトの方で500ブクマしたお礼で書いた物をこちらでも追加いたします。(全6話)BL要素少なめですが、よければよろしくお願いします。
【腹黒い他国の第二王子×負けず嫌いの転生者】
エドマンドは13歳の誕生日に日本人だったことを静かに思い出した。
転生先は【エドマンド・フィッツパトリック】で、二年後に死亡フラグが立っていた。
エドマンドに不満を持った隣国の第二王子である【ブライトル・ モルダー・ヴァルマ】と険悪な関係になるものの、いつの間にか友人や悪友のような関係に落ち着く二人。
死亡フラグを折ることで国が負けるのが怖いエドマンドと、必死に生かそうとするブライトル。
「僕は、生きなきゃ、いけないのか……?」
「当たり前だ。俺を残して逝く気だったのか? 恨むぞ」
全体的に結構シリアスですが、明確な死亡表現や主要キャラの退場は予定しておりません。
闘ったり、負傷したり、国同士の戦争描写があったります。
本編ド健全です。すみません。
※ 恋愛までが長いです。バトル小説にBLを添えて。
※ 攻めがまともに出てくるのは五話からです。
※ タイトル変更しております。旧【転生先がバトル漫画の死亡フラグが立っているライバルキャラだった件 ~本筋大幅改変なしでフラグを折りたいけど、何であんたがそこにいる~】
※ ムーンライトノベルズにも投稿しております。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て運命の相手を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
────────────
※感想、いいね大歓迎です!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる