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動き出す時
ヴァイナモのお父上
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ダーヴィドが許せまいが、旅は続いていく。その後は何の問題もなく計画通りに事が進み、いよいよ俺はサルメライネン伯爵領に到着した。
遠くに見える港町は馬車の中から見ても活気が溢れているのがわかる。サルメライネン伯爵領が繁栄している証拠だ。港町視察も勅命にあったし、早く行ってみたいな。
今回、サルメライネン伯爵領ではサルメライネン伯爵邸に滞在する。まあ皇族が2週間も滞在するんだから、そこら辺の宿じゃ駄目だわな。そして皇族に何かあれば直ぐに伯爵の責任に出来ると言う理由もあるらしい……恐ろしい。ヴァイナモのお父上のためにも、絶対何もやらかさないようにしよう。
伯爵邸の門前に到着した俺たち一行は、騎士の一人が門番に皇族の到着を伝えに行った。俺は馬車の中で魔法陣の書物を読みながら騎士の帰りを待つ。
だが何を手間取っているのか、なかなか騎士が帰って来ない。不審に思ったので、俺もヴァイナモとオリヴァを連れて門番の所へ向かうことにした。もし騎士が粗相を起こしたのであれば、俺の責任だからね。
馬車を降りようとした俺に、先に降りていたヴァイナモが手を差し伸べた。所謂エスコートの動作である。いや、俺は男ですから。確かに未成年は公の場では女でも男でも女性の扱いを受けるけどさ!……その、王道騎士様っぽくて小っ恥ずかしい。
でも差し伸べられた手を無視するのは、マナー的によろしくない。俺は恥ずかしさを笑顔で誤魔化しつつヴァイナモの手に俺の手を置いた。……大きい手。暖かいな。
そのままヴァイナモにエスコートされる形で門番の元へ向かった。そこでは門番と騎士が何やら言い合いをしているようだった。
「ですから!エルネスティ殿下がご到着しましたと!伯爵閣下にお伝えください!事前に連絡は入れさせていただきましたから!」
「いいや、そんな話御館様からは聞いてない。招かれざる客は入れる訳にもいかない。これ以上いちゃもんをつけるようなら、武力行使でお帰りしていただくが?」
「何か伝達ミスがあったのでしょう!貴方は殿下を野にほっぽり出すのですか!?」
「はん!なら見せてもらおうじゃねえか!事前連絡も入れず泊めてくれと頼んで来る、傲慢な皇子殿下をなあ!」
……あれ?俺が来ること、伝わってないの?
俺はヴァイナモを見上げた。皇帝の命令でヴァイナモが俺の滞在の連絡を入れたはずなのだ。ヴァイナモも連絡が行ってないことに驚いていた。……何が起きたのか確かめるためにも、一度サルメライネン伯爵にお話を伺いたいな。
「おい、どうした。何をもたついている」
「あっ!オリヴァ先輩!門番が今日は来客の予定はないから入れられないと……」
「仲間を呼んでも無駄だぞ!お前らを入れることは出来……ねえ……」
オリヴァが騎士に話しかけると門番が威勢よく怒鳴ったが、俺の姿を見て語尾を窄めた。まあ俺はどこからどう見ても皇族だからな。当惑するのも無理はない。
「おい、父上に連絡は入れたはずだが、何も伝えられてないのか?」
「あっ!ヴァイナモ坊ちゃま!お帰りになられたのですね!?」
「ブフォ!坊ちゃま!ヴァイナモが!坊ちゃま!」
「……その呼び方はやめろと何度も言ってるだろう」
ヴァイナモが門番に話しかけると、門番は表情を明るくしてヴァイナモに駆け寄った。そして『坊ちゃま』呼びにオリヴァが吹き出す。俺も思わずぷぷぷと笑った。だって!精悍な顔つきの19歳に坊ちゃまって!
「私の中の坊ちゃまは家出前の状態で止まっているのですよ。坊ちゃま呼びがお嫌いでしたら、早く結婚して成人であることを証明してくださいまし」
「……はあ。またそれか。俺は結婚するつもりはないのだが」
ヴァイナモは溜息をついた。これはアレだな。結婚適正年齢を過ぎかけてる人が実家に帰る度に親戚一同から結婚話を振られる、面倒なアレだ。
「……それより、父上を呼んでくれ。殿下の訪問が伝わっていないのは大問題だ」
「ひえっ!ではやはりあそこにおられるのは皇子殿下で……?」
「ああ。第四皇子のエルネスティ殿下だ」
「すっ、すみませんした!今すぐ確認して来ます!」
門番はペコペコと頭を下げて、急いで確認に向かった。そう言や俺のこと傲慢皇子とか、散々言ってたな。まあ俺は気にしないから、聞かなかったことにするけど。
「……すみません。家の者が失礼なことを」
「いえ。私は何も聞いていないので大丈夫ですよ」
「……ありがとうございます」
ヴァイナモはホッと胸を撫で下ろした。門番的に間違ったことはしていないし。さっきの会話を聞いた限り、主従と言うより家族のような関係なんだろうな。そんなヴァイナモの大切な人を、あれくらいのことで罰したりはしない。
……でも、なんだろう。何かが心に突っかかってる、気がする。
* * *
暫く待っていると、邸宅の方から先程の門番と如何にもダンディなお貴族様っぽい風格の男性が駆け足でやって来た。この方がヴァイナモのお父上かな?ちょっと顔つきが精悍なのがヴァイナモに似てる気がする。
「おい、ヴァイナモ!どう言うことだ!」
「父上!手紙が来ましたでしょう?第四皇子殿下が我が領をご訪問なさると!」
「ああ来たさ!今日の朝な!そんな当日の朝にいきなり言われても、準備出来る訳ないだろ阿呆!」
ヴァイナモのお父上はヴァイナモの頭をぺしんと叩いた。ヴァイナモは目を丸くする。
「えっ?でも2週間前に手紙出しましたよ?」
「阿呆!一般郵便では各領の郵便局を経由するから、郵便が届くのに帝都から我が領だと2週間かかることを知らないのか阿呆!急ぎの要件は魔法郵便で直接屋敷に向けて出せと言っただろうが阿呆!」
「えっ!?そうなんですか!?」
ヴァイナモのお父上は『阿呆』を連呼しながらぺしぺしとヴァイナモを叩いた。ヴァイナモはバツが悪そうに甘んじてその攻撃を受けている。あちゃー。ヴァイナモやらかしたかー。
「しかも私的な訪問ならまだしも、今回は陛下の勅命による公式な訪問なんだぞ!後一日手紙が来るのが遅れていたらお前、職務怠慢でどんな厳罰を下されていたかわからないんだぞ!?わかってるのかこの阿呆!」
「すっ、すみません……」
ヴァイナモのお父上は早口で色々と捲し立てる。今回はヴァイナモに非があるから、俺は庇うことは出来ない。……でもヴァイナモも本気で反省してるみたいだし、そろそろ止めた方が良いかな?
俺が口を挟もうとしたが、それはヴァイナモのお父上の説教によってかき消された。
「お前は高潔な近衛騎士であり、私はそんなお前を誇りに思っている!それをこんな馬鹿げたことでドブに捨てるなんて、私が許さないからな!それにお前は学園に通ってないから、騎士団を退団させられたら他に就職口はないぞ!その危機感を持っておけこの阿呆!」
……ん?ヴァイナモのお父上は、連絡が遅れたことに怒ってるんじゃなくて、それによってヴァイナモの立場が危うくなることを心配してるっぽい?
なんだヴァイナモのお父上、ヴァイナモのこと大好きじゃん!
* * * * * * * * *
2022/03/16
誤字修正しました。
遠くに見える港町は馬車の中から見ても活気が溢れているのがわかる。サルメライネン伯爵領が繁栄している証拠だ。港町視察も勅命にあったし、早く行ってみたいな。
今回、サルメライネン伯爵領ではサルメライネン伯爵邸に滞在する。まあ皇族が2週間も滞在するんだから、そこら辺の宿じゃ駄目だわな。そして皇族に何かあれば直ぐに伯爵の責任に出来ると言う理由もあるらしい……恐ろしい。ヴァイナモのお父上のためにも、絶対何もやらかさないようにしよう。
伯爵邸の門前に到着した俺たち一行は、騎士の一人が門番に皇族の到着を伝えに行った。俺は馬車の中で魔法陣の書物を読みながら騎士の帰りを待つ。
だが何を手間取っているのか、なかなか騎士が帰って来ない。不審に思ったので、俺もヴァイナモとオリヴァを連れて門番の所へ向かうことにした。もし騎士が粗相を起こしたのであれば、俺の責任だからね。
馬車を降りようとした俺に、先に降りていたヴァイナモが手を差し伸べた。所謂エスコートの動作である。いや、俺は男ですから。確かに未成年は公の場では女でも男でも女性の扱いを受けるけどさ!……その、王道騎士様っぽくて小っ恥ずかしい。
でも差し伸べられた手を無視するのは、マナー的によろしくない。俺は恥ずかしさを笑顔で誤魔化しつつヴァイナモの手に俺の手を置いた。……大きい手。暖かいな。
そのままヴァイナモにエスコートされる形で門番の元へ向かった。そこでは門番と騎士が何やら言い合いをしているようだった。
「ですから!エルネスティ殿下がご到着しましたと!伯爵閣下にお伝えください!事前に連絡は入れさせていただきましたから!」
「いいや、そんな話御館様からは聞いてない。招かれざる客は入れる訳にもいかない。これ以上いちゃもんをつけるようなら、武力行使でお帰りしていただくが?」
「何か伝達ミスがあったのでしょう!貴方は殿下を野にほっぽり出すのですか!?」
「はん!なら見せてもらおうじゃねえか!事前連絡も入れず泊めてくれと頼んで来る、傲慢な皇子殿下をなあ!」
……あれ?俺が来ること、伝わってないの?
俺はヴァイナモを見上げた。皇帝の命令でヴァイナモが俺の滞在の連絡を入れたはずなのだ。ヴァイナモも連絡が行ってないことに驚いていた。……何が起きたのか確かめるためにも、一度サルメライネン伯爵にお話を伺いたいな。
「おい、どうした。何をもたついている」
「あっ!オリヴァ先輩!門番が今日は来客の予定はないから入れられないと……」
「仲間を呼んでも無駄だぞ!お前らを入れることは出来……ねえ……」
オリヴァが騎士に話しかけると門番が威勢よく怒鳴ったが、俺の姿を見て語尾を窄めた。まあ俺はどこからどう見ても皇族だからな。当惑するのも無理はない。
「おい、父上に連絡は入れたはずだが、何も伝えられてないのか?」
「あっ!ヴァイナモ坊ちゃま!お帰りになられたのですね!?」
「ブフォ!坊ちゃま!ヴァイナモが!坊ちゃま!」
「……その呼び方はやめろと何度も言ってるだろう」
ヴァイナモが門番に話しかけると、門番は表情を明るくしてヴァイナモに駆け寄った。そして『坊ちゃま』呼びにオリヴァが吹き出す。俺も思わずぷぷぷと笑った。だって!精悍な顔つきの19歳に坊ちゃまって!
「私の中の坊ちゃまは家出前の状態で止まっているのですよ。坊ちゃま呼びがお嫌いでしたら、早く結婚して成人であることを証明してくださいまし」
「……はあ。またそれか。俺は結婚するつもりはないのだが」
ヴァイナモは溜息をついた。これはアレだな。結婚適正年齢を過ぎかけてる人が実家に帰る度に親戚一同から結婚話を振られる、面倒なアレだ。
「……それより、父上を呼んでくれ。殿下の訪問が伝わっていないのは大問題だ」
「ひえっ!ではやはりあそこにおられるのは皇子殿下で……?」
「ああ。第四皇子のエルネスティ殿下だ」
「すっ、すみませんした!今すぐ確認して来ます!」
門番はペコペコと頭を下げて、急いで確認に向かった。そう言や俺のこと傲慢皇子とか、散々言ってたな。まあ俺は気にしないから、聞かなかったことにするけど。
「……すみません。家の者が失礼なことを」
「いえ。私は何も聞いていないので大丈夫ですよ」
「……ありがとうございます」
ヴァイナモはホッと胸を撫で下ろした。門番的に間違ったことはしていないし。さっきの会話を聞いた限り、主従と言うより家族のような関係なんだろうな。そんなヴァイナモの大切な人を、あれくらいのことで罰したりはしない。
……でも、なんだろう。何かが心に突っかかってる、気がする。
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暫く待っていると、邸宅の方から先程の門番と如何にもダンディなお貴族様っぽい風格の男性が駆け足でやって来た。この方がヴァイナモのお父上かな?ちょっと顔つきが精悍なのがヴァイナモに似てる気がする。
「おい、ヴァイナモ!どう言うことだ!」
「父上!手紙が来ましたでしょう?第四皇子殿下が我が領をご訪問なさると!」
「ああ来たさ!今日の朝な!そんな当日の朝にいきなり言われても、準備出来る訳ないだろ阿呆!」
ヴァイナモのお父上はヴァイナモの頭をぺしんと叩いた。ヴァイナモは目を丸くする。
「えっ?でも2週間前に手紙出しましたよ?」
「阿呆!一般郵便では各領の郵便局を経由するから、郵便が届くのに帝都から我が領だと2週間かかることを知らないのか阿呆!急ぎの要件は魔法郵便で直接屋敷に向けて出せと言っただろうが阿呆!」
「えっ!?そうなんですか!?」
ヴァイナモのお父上は『阿呆』を連呼しながらぺしぺしとヴァイナモを叩いた。ヴァイナモはバツが悪そうに甘んじてその攻撃を受けている。あちゃー。ヴァイナモやらかしたかー。
「しかも私的な訪問ならまだしも、今回は陛下の勅命による公式な訪問なんだぞ!後一日手紙が来るのが遅れていたらお前、職務怠慢でどんな厳罰を下されていたかわからないんだぞ!?わかってるのかこの阿呆!」
「すっ、すみません……」
ヴァイナモのお父上は早口で色々と捲し立てる。今回はヴァイナモに非があるから、俺は庇うことは出来ない。……でもヴァイナモも本気で反省してるみたいだし、そろそろ止めた方が良いかな?
俺が口を挟もうとしたが、それはヴァイナモのお父上の説教によってかき消された。
「お前は高潔な近衛騎士であり、私はそんなお前を誇りに思っている!それをこんな馬鹿げたことでドブに捨てるなんて、私が許さないからな!それにお前は学園に通ってないから、騎士団を退団させられたら他に就職口はないぞ!その危機感を持っておけこの阿呆!」
……ん?ヴァイナモのお父上は、連絡が遅れたことに怒ってるんじゃなくて、それによってヴァイナモの立場が危うくなることを心配してるっぽい?
なんだヴァイナモのお父上、ヴァイナモのこと大好きじゃん!
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2022/03/16
誤字修正しました。
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