53 / 221
人間関係が広がるお年頃
海の死神(笑)
しおりを挟む
俺がハラハラしながら料理を待つ中、他の3人の料理が順々に配膳された。いい匂いかこちらまでやって来る。うう……お腹空いた。
目の前にゲテモノ料理が並んでしまったら皇子命令で取り替えてしまいそうだ。さっさと食べてもらおう。
「みんな先に食べてて良いからね」
「おっ良いのか?サンキュ」
「いただきま~す!」
俺の言葉に遠慮なく食べ始めるオリヴァとサムエル。少しはこっちを気遣って欲しかったかな!主悲しい!まあ自業自得だし、自分から言ったんだけど!
ヴァイナモは戸惑った様子で料理と俺を交互に見る。まだ俺の料理と取り替える気だったのだろう。ヴァイナモはぐう優しいね。ヴァイナモは気遣う必要はないんだよ。
俺はニッコリ笑って頷く。ヴァイナモは少しの間苦悩するように複雑な表情を見せた後、凄く申し訳なさそうに恐る恐る口に入れる。すると凄く美味しかったらしく、目を輝かせて次へ次へと食べ進めた。
なんかめっちゃ和む。ヴァイナモ可愛いかよ。大人っぽいけどやっぱ19歳って言うか。食べ物に対してちょっと幼くなるって、なんだよぐう可愛いかよ。
そんな風に和んでいると、いよいよ俺の料理が配膳された。
「はーい。日替わり定食お待ち!」
出されたのは……タコ料理だった。
塩で豪快に丸茹でしている小ぶりのタコが主菜で、タコのカルパッチョらしきものに、タコ飯もどき。それに見たことのないような野菜が盛られたサラダが付いている。
えっ……普通に美味しそう。なんか和洋折衷と言うにはアンバランスな気がするけど。
俺はホッとするが、周りはそうではないらしく、ギョッとして日替わり定食を見た。えっ?なんかヤバいもの入ってる?野菜か?この見たこともない野菜が問題なのか?
「なんてことだ……!まさかの海の死神だと!?」
「エルっ!今からでも俺の料理と取り替えるぞ!」
「流石にこれは……僕でもドン引きです~」
3人は困惑して騒ぎ出した。周りでこちらを伺っていたお客さんも騒然としている。おばちゃんはクレームは受け付けませんと言わんばかりにそそくさと店の奥へと消えていった。
海の死神……あっ!そっか!そう言やこの世界にタコを食べる習慣がなかったな!逆に海難事故の元凶だと忌避されていたっけ!なんでもこの奇っ怪な足で人や船を海底へと引きずり込むらしい。実際にはそんなことないんだけどな!俺にとっちゃ『海の死神(笑)』だよ!
前世でも日本では食べられていたけど、他国では怪物扱いされたりしてたな!クラーケンとかも、タコとかイカみたいな見た目してたし!
俺はカルパッチョの一切れを持ち上げてまじまじと観察した。うん。まんまタコだな。これなら普通に食べられる。
「おい!止めとけエル!」
「食べるなエル!俺が食べてやるから!」
俺がタコを持ったことによって、オリヴァとヴァイナモが慌てて止めに入った。サムエルすらも歌うことを忘れて俺の腕を掴もうとする。海の死神を食べるなんて、この世界……少なくとも帝国では考えられないことだ。
でも俺は前世の記憶があるから、そこまで拒否反応はない。逆に前世では好きな方だった。
だから周りの制止も聞かず咀嚼した。
「うわっ!何やってんだ!ペッとしろ!ペッと!」
「だから食べなくて良いって!俺が食べてやるから!」
「いや!ヴァイ兄さんも食べたら駄目です~!こんなもの、海にポイすれば良いんです~!」
「おい坊主!いくら世間知らずとは言え、海の死神を食べることはないだろ!?吐き出せ!」
「おいコラ性悪女将!こんな子供になんてモン食わせてんだ!」
「性悪ってなんだい!アタシは注文通り料理を出しただけだよ!」
いよいよ周りが騒がしい。なんでそんな慌てふためくんだ?海の死神には毒でもあるのか?この世界の食材は基本的前世と変わらないから、タコに毒はないぞ?ちょっと食事ぐらい静かに食べたらどうなの?
俺はひょいっともう一口食べながら、騒がしい面々をじとりと睨んだ。
「ちょっとみんなうるさい」
「あっ、すまん。……って何平然と食べてんだ!」
「だって普通に美味しいもん」
「「「「はっ!?!?」」」」
タコを美味しいって言ったらみんなから異様なものを見る目で見られた。なんだよ!美味しいモンは美味しいんだよ!
「何言ってんだ……?海の死神だぞ……?」
「海の死神だから何なの?毒でもあるの?」
「いや……。そう言う訳では……」
「なら食べても問題ないでしょ。食べ物ひとつで何騒いでんの」
俺がなんてことないように言うと驚愕の表情を向けられた。みんなシンクロしすぎじゃない?俺だけ仲間外れなんだけど?エル君悲しいぞ?
……すんません調子乗りました自分に君付けとかキモいキモい万死万死。
「……その、美味しいのか……?」
ヴァイナモが遠慮気味に尋ねてきた。平然と海の死神を食べる俺が信じられないんだろう。俺は満面の笑みで頷く。
「うん。美味しいよ!」
「マジか……これが……?」
オリヴァがしげしげとタコ料理を見る。未だに信じられない面々はどう反応して良いのかわからず固まっている。でも俺は気にせずタコの丸茹でに手を伸ばす。
「えっ!?それも食べるのかっ!?」
「料理として出されてるんなら、食べられるでしょ」
俺はカプりと足に噛み付く。そしてグッと引きちぎった。うん。程よい塩気。タコ自体の質も良いのかな。シンプルな味付けなのに凄く美味しい。弾力があって噛みごたえも抜群だ。
俺がもっきゅもっきゅと咀嚼していると、みんなこの世のものではないものを見る目で見てくる。やめてくんない?俺は珍獣じゃねえ!
「アンタ!アンタが作った珍味を美味いって食う奴がホントにいたよ!」
性悪と呼ばれて怒り出て来たおばちゃんが、俺が美味しいと言って咀嚼する姿に目を見開いて店の奥へと叫んだ。アンタ……旦那さんのことかな?
すると奥からドタドタと足音がして、いかにも頑固そうな日焼けしたおじさんが姿を表した。料理人かな?
「おい!誰だ!ワイの飯を美味いっつった奴は!」
「えっあっはい!俺です!」
凄い気迫で叫んでいるので、思わず身を引く。なんか怒ってる?美味しいって言っちゃいけなかった?
俺が手を挙げるとガッと目を見開いた旦那さんが、ズカズカとこちらにやって来る。血走った目でこちらを凝視して来るその姿は、普段飄々としている俺やサムエルですら身を竦める迫力だ。思わず俺はヴァイナモの後ろに隠れる。
ヴァイナモは目を丸くしながらも一歩前に出て、俺を庇ってくれた。流石ヴァイナモ。ぐう紳士!
旦那さんはヴァイナモの前に立って後ろにいる俺を横から覗き込んだ。俺は怯えながらもちらりと顔を出す。
「坊主!ワイの料理は美味いか!?海の死神と呼ばれるその生物の料理が美味いか!?」
「はっ、はい!美味しいです!」
「お世辞じゃねえたろうな!」
「はい!本心です!」
「そうか!……ありがとう」
顔を真っ赤にして怒鳴っていた旦那さんはいきなり大人しくなったと思えば、涙を一筋頬に流した。
えっ……ごめんこの状況について行けてない。どうしてそうなった!?情緒不安定すぎるでしょ旦那さん!?
目の前にゲテモノ料理が並んでしまったら皇子命令で取り替えてしまいそうだ。さっさと食べてもらおう。
「みんな先に食べてて良いからね」
「おっ良いのか?サンキュ」
「いただきま~す!」
俺の言葉に遠慮なく食べ始めるオリヴァとサムエル。少しはこっちを気遣って欲しかったかな!主悲しい!まあ自業自得だし、自分から言ったんだけど!
ヴァイナモは戸惑った様子で料理と俺を交互に見る。まだ俺の料理と取り替える気だったのだろう。ヴァイナモはぐう優しいね。ヴァイナモは気遣う必要はないんだよ。
俺はニッコリ笑って頷く。ヴァイナモは少しの間苦悩するように複雑な表情を見せた後、凄く申し訳なさそうに恐る恐る口に入れる。すると凄く美味しかったらしく、目を輝かせて次へ次へと食べ進めた。
なんかめっちゃ和む。ヴァイナモ可愛いかよ。大人っぽいけどやっぱ19歳って言うか。食べ物に対してちょっと幼くなるって、なんだよぐう可愛いかよ。
そんな風に和んでいると、いよいよ俺の料理が配膳された。
「はーい。日替わり定食お待ち!」
出されたのは……タコ料理だった。
塩で豪快に丸茹でしている小ぶりのタコが主菜で、タコのカルパッチョらしきものに、タコ飯もどき。それに見たことのないような野菜が盛られたサラダが付いている。
えっ……普通に美味しそう。なんか和洋折衷と言うにはアンバランスな気がするけど。
俺はホッとするが、周りはそうではないらしく、ギョッとして日替わり定食を見た。えっ?なんかヤバいもの入ってる?野菜か?この見たこともない野菜が問題なのか?
「なんてことだ……!まさかの海の死神だと!?」
「エルっ!今からでも俺の料理と取り替えるぞ!」
「流石にこれは……僕でもドン引きです~」
3人は困惑して騒ぎ出した。周りでこちらを伺っていたお客さんも騒然としている。おばちゃんはクレームは受け付けませんと言わんばかりにそそくさと店の奥へと消えていった。
海の死神……あっ!そっか!そう言やこの世界にタコを食べる習慣がなかったな!逆に海難事故の元凶だと忌避されていたっけ!なんでもこの奇っ怪な足で人や船を海底へと引きずり込むらしい。実際にはそんなことないんだけどな!俺にとっちゃ『海の死神(笑)』だよ!
前世でも日本では食べられていたけど、他国では怪物扱いされたりしてたな!クラーケンとかも、タコとかイカみたいな見た目してたし!
俺はカルパッチョの一切れを持ち上げてまじまじと観察した。うん。まんまタコだな。これなら普通に食べられる。
「おい!止めとけエル!」
「食べるなエル!俺が食べてやるから!」
俺がタコを持ったことによって、オリヴァとヴァイナモが慌てて止めに入った。サムエルすらも歌うことを忘れて俺の腕を掴もうとする。海の死神を食べるなんて、この世界……少なくとも帝国では考えられないことだ。
でも俺は前世の記憶があるから、そこまで拒否反応はない。逆に前世では好きな方だった。
だから周りの制止も聞かず咀嚼した。
「うわっ!何やってんだ!ペッとしろ!ペッと!」
「だから食べなくて良いって!俺が食べてやるから!」
「いや!ヴァイ兄さんも食べたら駄目です~!こんなもの、海にポイすれば良いんです~!」
「おい坊主!いくら世間知らずとは言え、海の死神を食べることはないだろ!?吐き出せ!」
「おいコラ性悪女将!こんな子供になんてモン食わせてんだ!」
「性悪ってなんだい!アタシは注文通り料理を出しただけだよ!」
いよいよ周りが騒がしい。なんでそんな慌てふためくんだ?海の死神には毒でもあるのか?この世界の食材は基本的前世と変わらないから、タコに毒はないぞ?ちょっと食事ぐらい静かに食べたらどうなの?
俺はひょいっともう一口食べながら、騒がしい面々をじとりと睨んだ。
「ちょっとみんなうるさい」
「あっ、すまん。……って何平然と食べてんだ!」
「だって普通に美味しいもん」
「「「「はっ!?!?」」」」
タコを美味しいって言ったらみんなから異様なものを見る目で見られた。なんだよ!美味しいモンは美味しいんだよ!
「何言ってんだ……?海の死神だぞ……?」
「海の死神だから何なの?毒でもあるの?」
「いや……。そう言う訳では……」
「なら食べても問題ないでしょ。食べ物ひとつで何騒いでんの」
俺がなんてことないように言うと驚愕の表情を向けられた。みんなシンクロしすぎじゃない?俺だけ仲間外れなんだけど?エル君悲しいぞ?
……すんません調子乗りました自分に君付けとかキモいキモい万死万死。
「……その、美味しいのか……?」
ヴァイナモが遠慮気味に尋ねてきた。平然と海の死神を食べる俺が信じられないんだろう。俺は満面の笑みで頷く。
「うん。美味しいよ!」
「マジか……これが……?」
オリヴァがしげしげとタコ料理を見る。未だに信じられない面々はどう反応して良いのかわからず固まっている。でも俺は気にせずタコの丸茹でに手を伸ばす。
「えっ!?それも食べるのかっ!?」
「料理として出されてるんなら、食べられるでしょ」
俺はカプりと足に噛み付く。そしてグッと引きちぎった。うん。程よい塩気。タコ自体の質も良いのかな。シンプルな味付けなのに凄く美味しい。弾力があって噛みごたえも抜群だ。
俺がもっきゅもっきゅと咀嚼していると、みんなこの世のものではないものを見る目で見てくる。やめてくんない?俺は珍獣じゃねえ!
「アンタ!アンタが作った珍味を美味いって食う奴がホントにいたよ!」
性悪と呼ばれて怒り出て来たおばちゃんが、俺が美味しいと言って咀嚼する姿に目を見開いて店の奥へと叫んだ。アンタ……旦那さんのことかな?
すると奥からドタドタと足音がして、いかにも頑固そうな日焼けしたおじさんが姿を表した。料理人かな?
「おい!誰だ!ワイの飯を美味いっつった奴は!」
「えっあっはい!俺です!」
凄い気迫で叫んでいるので、思わず身を引く。なんか怒ってる?美味しいって言っちゃいけなかった?
俺が手を挙げるとガッと目を見開いた旦那さんが、ズカズカとこちらにやって来る。血走った目でこちらを凝視して来るその姿は、普段飄々としている俺やサムエルですら身を竦める迫力だ。思わず俺はヴァイナモの後ろに隠れる。
ヴァイナモは目を丸くしながらも一歩前に出て、俺を庇ってくれた。流石ヴァイナモ。ぐう紳士!
旦那さんはヴァイナモの前に立って後ろにいる俺を横から覗き込んだ。俺は怯えながらもちらりと顔を出す。
「坊主!ワイの料理は美味いか!?海の死神と呼ばれるその生物の料理が美味いか!?」
「はっ、はい!美味しいです!」
「お世辞じゃねえたろうな!」
「はい!本心です!」
「そうか!……ありがとう」
顔を真っ赤にして怒鳴っていた旦那さんはいきなり大人しくなったと思えば、涙を一筋頬に流した。
えっ……ごめんこの状況について行けてない。どうしてそうなった!?情緒不安定すぎるでしょ旦那さん!?
331
お気に入りに追加
3,825
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
悪役令息の死ぬ前に
やぬい
BL
「あんたら全員最高の馬鹿だ」
ある日、高貴な血筋に生まれた公爵令息であるラインハルト・ニーチェ・デ・サヴォイアが突如として婚約者によって破棄されるという衝撃的な出来事が起こった。
彼が愛し、心から信じていた相手の裏切りに、しかもその新たな相手が自分の義弟だということに彼の心は深く傷ついた。
さらに冤罪をかけられたラインハルトは公爵家の自室に幽閉され、数日後、シーツで作った縄で首を吊っているのを発見された。
青年たちは、ラインハルトの遺体を抱きしめる男からその話を聞いた。その青年たちこそ、マークの元婚約者と義弟とその友人である。
「真実も分からないクセに分かった風になっているガキがいたからラインは死んだんだ」
男によって過去に戻された青年たちは「真実」を見つけられるのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
お決まりの悪役令息は物語から消えることにします?
麻山おもと
BL
愛読していたblファンタジーものの漫画に転生した主人公は、最推しの悪役令息に転生する。今までとは打って変わって、誰にも興味を示さない主人公に周りが関心を向け始め、執着していく話を書くつもりです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
転生したけどやり直す前に終わった【加筆版】
リトルグラス
BL
人生を無気力に無意味に生きた、負け組男がナーロッパ的世界観に転生した。
転生モノ小説を読みながら「俺だってやり直せるなら、今度こそ頑張るのにな」と、思いながら最期を迎えた前世を思い出し「今度は人生を成功させる」と転生した男、アイザックは子供時代から努力を重ねた。
しかし、アイザックは成人の直前で家族を処刑され、平民落ちにされ、すべてを失った状態で追放された。
ろくなチートもなく、あるのは子供時代の努力の結果だけ。ともに追放された子ども達を抱えてアイザックは南の港町を目指す──
***
第11回BL小説大賞にエントリーするために修正と加筆を加え、作者のつぶやきは削除しました。(23'10'20)
**
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
悪役王子の取り巻きに転生したようですが、破滅は嫌なので全力で足掻いていたら、王子は思いのほか優秀だったようです
魚谷
BL
ジェレミーは自分が転生者であることを思い出す。
ここは、BLマンガ『誓いは星の如くきらめく』の中。
そしてジェレミーは物語の主人公カップルに手を出そうとして破滅する、悪役王子の取り巻き。
このままいけば、王子ともども断罪の未来が待っている。
前世の知識を活かし、破滅確定の未来を回避するため、奮闘する。
※微BL(手を握ったりするくらいで、キス描写はありません)
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する
135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。
現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。
最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【第2部開始】悪役令息ですが、家族のため精一杯生きているので邪魔しないでください~僕の執事は僕にだけイケすぎたオジイです~
ちくわぱん
BL
【第2部開始 更新は少々ゆっくりです】ハルトライアは前世を思い出した。自分が物語の当て馬兼悪役で、王子と婚約するがのちに魔王になって結局王子と物語の主役に殺される未来を。死にたくないから婚約を回避しようと王子から逃げようとするが、なぜか好かれてしまう。とにかく悪役にならぬように魔法も武術も頑張って、自分のそばにいてくれる執事とメイドを守るんだ!と奮闘する日々。そんな毎日の中、困難は色々振ってくる。やはり当て馬として死ぬしかないのかと苦しみながらも少しずつ味方を増やし成長していくハルトライア。そして執事のカシルもまた、ハルトライアを守ろうと陰ながら行動する。そんな二人の努力と愛の記録。両片思い。じれじれ展開ですが、ハピエン。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる