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波乱の建国記念式典
父上変人コレクター説浮上
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気になったので3人の左遷理由を聞いてみたら、2人ともなんとまあ変人だった。
サムエルは今年近衛騎士団に配属となった新人らしいが、一発目の仕事が第一皇女の護衛だったらしい。第一皇女と言えば気が短い神経質な人で有名だから、俺と同じく近衛騎士の中でめっちゃ避けられる任務だ。近衛騎士の先輩方は右も左も分からない新人に押し付けたのだろう。まじギルティ。
そして第一皇女の護衛をしていたサムエルは急に歌いたくなったので、第一皇女に許可もとらずに歌い出したらしい。第一皇女はquietを通り越してsilentを好むからサムエルの行動に激怒。その場で首を落とされそうになったから全速力で逃げて近衛騎士団団長の元へ逃げたらしい。
ちょっと待って歌いたくなるまではわかるけど、なんでそれを実行しちゃうかな?しかも物音ひとつしない第一皇女の側で。欲望に忠実かよ馬鹿野郎!
その後団長さんにこっぴどく叱られたが、部下想いの団長さんが頑張ってくれたお陰で5年間の減給で済んだらしい。5年間って長く思うかもだけど、十分軽いからね!皇族を怒らせたんだ、普通なら打首を覚悟しなくちゃいけない。
団長さんにそれを捻じ曲げる力があったのかって?なんと団長さんは皇帝陛下を頼って、父上がサムエルを全力で擁護したのだ。皇帝が許してしまえば第一皇女は逆らえない。かくしてサムエルは第一皇女に大きな恨みを買われた状態で近衛騎士を続けているのだ。
なんで父上はサムエルを庇ったんだろ?ただの新人近衛騎士でしょ?てかなんか父上って変人を色々囲ってない?ペッテリ然り、パヌ先生然り。なんなの父上は変人コレクターかなんかなの??
まあそれは置いておいて。だけど皇族を怒らせた騎士の扱いには困らない訳もなく。色んな所をタライ回しにされた後、不人気な宮殿警備の夜番に落ち着いたそうだ。
この一件でサムエルも学んだらしく、歌う時は一度周りに確認をとるようになったそうだ。なんでそこで歌わないって選択肢がないかな?うん。紛うことなき変人だな、サムエルは。
次にアスモの話だが、まあこちらはまだしもマシと言うか、同情の余地があった。
なんでもアスモの実家は薬屋らしく、小さい頃から薬学に触れていたアスモは薬にとても興味があったそうだ。そして将来、薬屋になりたいと思っていたらしい。
しかしアスモは次男。家業は長男が継ぐし、新しく店を開くにはお金が全く足りない。家は家業でなんとか生活出来ている、所謂貧乏家庭であったが故に高い受験費のかかる薬師試験は長男しか受けることが出来ず、渋々夢を諦めて収入の良い騎士団に入団したらしい。
そこでオリヴァと同期として紆余曲折ありながらも仲良くなり、2人は揃って近衛騎士団に配属となったのを機に付き合うようになったらしい。オリヴァが何故アスモ全肯定botになったかは秘密だそうな。なんで!?そこが一番気になるのに!?
2人は何だかんだ言って上手くやって行っていた。オリヴァは基本的にしっかりした常識人だったからだろう。時々宮殿内に生えていた薬草やらの薬の材料を拾って来ては薬を作っていたらしいが。基礎的なものは実家で教わったらしい。
でも騎士が薬学の知識があるのって、割と有利だよね。怪我した時の応急処置とか、毒の判別とか。それを団長さんがきちんと理解してくれていたから、少々のことは目を瞑ってもらっていたらしい。団長さんめっちゃ良い人!
だけど世の中そんな人ばかりではなくて。ある日アルットゥリ兄上の護衛をしていた時、滅多に見ない薬の材料を見つけて興奮して、一瞬だけ護衛を抜けてその材料の採集に行ったらしい。だけどそのことをアルットゥリ兄上にバレて、一言。
「そんなに薬が好きなら騎士なんて辞めて薬屋になれば良いでしょうに」
こう言われたがために直ぐにアスモはアルットゥリ兄上の護衛から外されて、強制退団させられそうになった。アルットゥリ兄上は効率主義者だから、騎士は騎士の、薬屋は薬屋の仕事をすべきだと言う考えの持ち主だから無理もない。だけど護衛を抜けたのも一瞬だし、それで退団はいかがなものかと俺は思う。アスモが薬屋ではなく騎士になっているのにも、お金と言う高く高くそびえ立つ壁があったからなのに。あくまで俺の主観だけど。
職を失う大ピンチだったが、そこでまたしても団長さんが頑張って、皇帝陛下が擁護して減給1年間で済んだそうだ。その場でアスモを庇って一緒に強制退団させられそうになったオリヴァはお咎めなしで。
まあアスモの薬学の知識は騎士団でも重宝しているし、薬のことになると止まらないアスモの監視をしてくれるオリヴァはアスモとセットで必要だったのだろう。そして父上変人コレクター説が割と有力になってしまった。なんてこった。
そして例の如くアスモの扱いに困り、こちらも宮殿警備の夜番に落ち着いたそうだ。もちろんオリヴァもセットで。
うん。まあ同情はする。でも変人なことには変わりないな、2人とも。
彼らのそんな身の上話を聞いていると俺も落ち着きを取り戻して、木箱の中ならもそもそと出た。ヤルノが呆れたようなホッとしたような溜息をつく。ごめんね、心配させて。
「気分が紛れて冷静になれました。お話しくださり、ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ我々などと言う低俗な輩の話をお聞きくださり、ありがとうございました。……ですが、なんだかヴァイナモが羨ましいですね」
オリヴァは少し悲しそうな表情を浮かべてそう呟いた。俺がその真意を聞くと、オリヴァは戸惑いながらも答えてくれた。
「ヴァイナモは主の理解があり、大切にしてもらえているからです。……俺たちは主からの理解が得られなかったので」
俺は胸が締め付けられた。彼らが不憫で、そして……ヴァイナモの良き主として見られているのが嬉しくて。そうだ。俺はヴァイナモの主なんだ。きちんとヴァイナモの意思を尊重してあげないと。
「それに、ヴァイナモが上からの命令に背くのも珍しいですよ。アイツの中では基本的に上からの命令は絶対ですから」
「……そう、なんですか……」
そっか。ヴァイナモにとってこの訓練は、それだけ重要なものなんだ。それを俺のために……だなんて。何だこれめっちゃむず痒い。でもまあ、それなら俺は尚更そんなヴァイナモの意思を、軽々しく否定するべきではないな。
でも、それでも俺にも曲げられないものがあるから。
「……少し、とある提案をしてもよろしいでしょうか?」
少しでも、折り合いをつけられるように努力しよう。
俺の言葉に一同キョトンとした。それがあまりにシンクロすぎて、俺は思わず笑ってしまった。
変人はシンクロ率が高いのかな??
* * * * * * * * *
2020/12/15
脱字を修正しました。
サムエルは今年近衛騎士団に配属となった新人らしいが、一発目の仕事が第一皇女の護衛だったらしい。第一皇女と言えば気が短い神経質な人で有名だから、俺と同じく近衛騎士の中でめっちゃ避けられる任務だ。近衛騎士の先輩方は右も左も分からない新人に押し付けたのだろう。まじギルティ。
そして第一皇女の護衛をしていたサムエルは急に歌いたくなったので、第一皇女に許可もとらずに歌い出したらしい。第一皇女はquietを通り越してsilentを好むからサムエルの行動に激怒。その場で首を落とされそうになったから全速力で逃げて近衛騎士団団長の元へ逃げたらしい。
ちょっと待って歌いたくなるまではわかるけど、なんでそれを実行しちゃうかな?しかも物音ひとつしない第一皇女の側で。欲望に忠実かよ馬鹿野郎!
その後団長さんにこっぴどく叱られたが、部下想いの団長さんが頑張ってくれたお陰で5年間の減給で済んだらしい。5年間って長く思うかもだけど、十分軽いからね!皇族を怒らせたんだ、普通なら打首を覚悟しなくちゃいけない。
団長さんにそれを捻じ曲げる力があったのかって?なんと団長さんは皇帝陛下を頼って、父上がサムエルを全力で擁護したのだ。皇帝が許してしまえば第一皇女は逆らえない。かくしてサムエルは第一皇女に大きな恨みを買われた状態で近衛騎士を続けているのだ。
なんで父上はサムエルを庇ったんだろ?ただの新人近衛騎士でしょ?てかなんか父上って変人を色々囲ってない?ペッテリ然り、パヌ先生然り。なんなの父上は変人コレクターかなんかなの??
まあそれは置いておいて。だけど皇族を怒らせた騎士の扱いには困らない訳もなく。色んな所をタライ回しにされた後、不人気な宮殿警備の夜番に落ち着いたそうだ。
この一件でサムエルも学んだらしく、歌う時は一度周りに確認をとるようになったそうだ。なんでそこで歌わないって選択肢がないかな?うん。紛うことなき変人だな、サムエルは。
次にアスモの話だが、まあこちらはまだしもマシと言うか、同情の余地があった。
なんでもアスモの実家は薬屋らしく、小さい頃から薬学に触れていたアスモは薬にとても興味があったそうだ。そして将来、薬屋になりたいと思っていたらしい。
しかしアスモは次男。家業は長男が継ぐし、新しく店を開くにはお金が全く足りない。家は家業でなんとか生活出来ている、所謂貧乏家庭であったが故に高い受験費のかかる薬師試験は長男しか受けることが出来ず、渋々夢を諦めて収入の良い騎士団に入団したらしい。
そこでオリヴァと同期として紆余曲折ありながらも仲良くなり、2人は揃って近衛騎士団に配属となったのを機に付き合うようになったらしい。オリヴァが何故アスモ全肯定botになったかは秘密だそうな。なんで!?そこが一番気になるのに!?
2人は何だかんだ言って上手くやって行っていた。オリヴァは基本的にしっかりした常識人だったからだろう。時々宮殿内に生えていた薬草やらの薬の材料を拾って来ては薬を作っていたらしいが。基礎的なものは実家で教わったらしい。
でも騎士が薬学の知識があるのって、割と有利だよね。怪我した時の応急処置とか、毒の判別とか。それを団長さんがきちんと理解してくれていたから、少々のことは目を瞑ってもらっていたらしい。団長さんめっちゃ良い人!
だけど世の中そんな人ばかりではなくて。ある日アルットゥリ兄上の護衛をしていた時、滅多に見ない薬の材料を見つけて興奮して、一瞬だけ護衛を抜けてその材料の採集に行ったらしい。だけどそのことをアルットゥリ兄上にバレて、一言。
「そんなに薬が好きなら騎士なんて辞めて薬屋になれば良いでしょうに」
こう言われたがために直ぐにアスモはアルットゥリ兄上の護衛から外されて、強制退団させられそうになった。アルットゥリ兄上は効率主義者だから、騎士は騎士の、薬屋は薬屋の仕事をすべきだと言う考えの持ち主だから無理もない。だけど護衛を抜けたのも一瞬だし、それで退団はいかがなものかと俺は思う。アスモが薬屋ではなく騎士になっているのにも、お金と言う高く高くそびえ立つ壁があったからなのに。あくまで俺の主観だけど。
職を失う大ピンチだったが、そこでまたしても団長さんが頑張って、皇帝陛下が擁護して減給1年間で済んだそうだ。その場でアスモを庇って一緒に強制退団させられそうになったオリヴァはお咎めなしで。
まあアスモの薬学の知識は騎士団でも重宝しているし、薬のことになると止まらないアスモの監視をしてくれるオリヴァはアスモとセットで必要だったのだろう。そして父上変人コレクター説が割と有力になってしまった。なんてこった。
そして例の如くアスモの扱いに困り、こちらも宮殿警備の夜番に落ち着いたそうだ。もちろんオリヴァもセットで。
うん。まあ同情はする。でも変人なことには変わりないな、2人とも。
彼らのそんな身の上話を聞いていると俺も落ち着きを取り戻して、木箱の中ならもそもそと出た。ヤルノが呆れたようなホッとしたような溜息をつく。ごめんね、心配させて。
「気分が紛れて冷静になれました。お話しくださり、ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ我々などと言う低俗な輩の話をお聞きくださり、ありがとうございました。……ですが、なんだかヴァイナモが羨ましいですね」
オリヴァは少し悲しそうな表情を浮かべてそう呟いた。俺がその真意を聞くと、オリヴァは戸惑いながらも答えてくれた。
「ヴァイナモは主の理解があり、大切にしてもらえているからです。……俺たちは主からの理解が得られなかったので」
俺は胸が締め付けられた。彼らが不憫で、そして……ヴァイナモの良き主として見られているのが嬉しくて。そうだ。俺はヴァイナモの主なんだ。きちんとヴァイナモの意思を尊重してあげないと。
「それに、ヴァイナモが上からの命令に背くのも珍しいですよ。アイツの中では基本的に上からの命令は絶対ですから」
「……そう、なんですか……」
そっか。ヴァイナモにとってこの訓練は、それだけ重要なものなんだ。それを俺のために……だなんて。何だこれめっちゃむず痒い。でもまあ、それなら俺は尚更そんなヴァイナモの意思を、軽々しく否定するべきではないな。
でも、それでも俺にも曲げられないものがあるから。
「……少し、とある提案をしてもよろしいでしょうか?」
少しでも、折り合いをつけられるように努力しよう。
俺の言葉に一同キョトンとした。それがあまりにシンクロすぎて、俺は思わず笑ってしまった。
変人はシンクロ率が高いのかな??
* * * * * * * * *
2020/12/15
脱字を修正しました。
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