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帝位継承権争い?興味ねえ!
再度、父上に呼び出しくらった
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さてさてペッテリの奇行から数日後、またしても皇帝陛下に呼び出しくらった。なんでもキヴィラハティ侯爵の処罰について父上直々にお尋ねになるとか。何でだよ!枢密省に頼めば良いだろ!
「エルネスティ様なら普通の処罰を下さないとわかっていらっしゃるのではないでしょうか」
文句を言った俺に返したヴァイナモの言葉である。なんだよ父上!俺を信用出来ないのかよ!
そんなこんなでぶつくさ言いながらも玉座の間にやって来た俺たちは、皇帝陛下の前で跪いて頭を垂れた。父上が頭を上げるよう促すと、俺は無駄のない動きで顔を上げた。
「ふむ。先日ぶりだな、エルネスティ。変わりないようで何よりだ」
「そう数日で人は急変しませんよ」
「数日で急変したお前が何を言う」
「天変地異は例外です」
父上はくつくつと笑う。俺が冗談を言ったと思っているのだろう。でも本当に、俺のこれは天変地異だぞ!何せ異世界の前世の記憶を思い出したんだからな!
父上は笑いが引かないうちに話を続けた。
「建国記念式典の準備は済んでいるか?」
「はい。父上にあそこまで良くしていただいて、怠るほど私も馬鹿ではありません」
「つまり我が動かなければ準備していなかった、と」
「……言葉の綾ですよ」
「どうだかな。紹介した衣装職人とダンスの講師はどうであった?」
「……父上の人脈は計り知れないと言うことと、悔しいほど父上が私を理解していらっしゃるのだと痛感しました」
「そうであろう、そうであろう!」
不本意ながらも父上を褒めると父上は嬉しそうに頷いた。どうした父上。なんか反応が若々しいぞ。俺のことを理解していることがそんなに嬉しいのか?まあこちらとしても有難いけど。
そんな話をしていると、端で控えていた枢長がおずおずと会話に入って来た。
「……陛下、そろそろ本題に移られては……?」
「おお、そうであったな。枢長も忙しいことだし、そろそろ本題に入ろう」
そこで自分の多忙を口にしないのね、父上。絶対枢長より忙しいでしょ。それが父上の優れたところではあるけど。
「さて、先日キヴィラハティ侯爵の四男がお前の私物を盗む事件が起きた。その処罰について、お前の希望はなんだ?」
「はい。私は彼らの騎士団退団と貴族子息という身分の返上を求めます」
「……返上で良いのか?剥奪ではなく」
父上は眉を顰めて尋ねてきた。返上と剥奪では意味合いが変わってくる。返上だと自分から地位を捨てることとなるが、剥奪だと強制的に身分を捨てさせられることになる。罰するという点においては、剥奪の方が不名誉なため、ふさわしいのだ。
「ええ。私は今回、最終的には何も奪われていないので。ヴァイナモと魔法陣が侮辱されましたが、それはその場できちんと落とし前をつけましたし。そんな私が彼らから何かを奪うのは忍びなく存じます」
「……甘い考えだとは思わないのか?結果云々の話ではなく、奴らはお前の大切なものを奪おうとしたのだぞ?」
「結果失敗してるじゃないですか。何故その程度の人間のために奪う労力と、その責任を負う必要がありますか」
枢長は息を呑んだ。俺の言葉はつまり、小物には興味ねえってことだからな。俺に害を成した人間に対して言う言葉ではないとは俺も思う。けど、本当にどうでもいいんだよ。
「何よりヴァイナモが大事にしなくて良いと言っていましたので。実害のあったヴァイナモがそう言っているのに、何故私が大事にする必要がありますか」
「……なるほど。お前の感情より専属護衛騎士の感情か。まあ奴らは取り調べ中、お前の名前を聞いて可哀想なほど震え上がっていたからな。またお前に害を成すこともないだろう」
「私の感情としても、ヴァイナモや魔法陣を侮辱された怒りはもう処理しているので、本当にどうでもいいのです」
「……そうか。わかった」
俺が心底興味ねえって表情で言ってのけると、父上は諦めたように溜息をついた。父上的には、もっと厳しい処罰にしたかったのかもしれない。まあ皇族の威厳にも関わるからね。だからと言って俺が何か配慮するつもりはないけど。
「……それで?キヴィラハティ侯爵の処罰はどうする?」
「えっ?何故そこで侯爵の名前が出て来るのですか?」
俺が恍けると父上は瞠目して俺を凝視した。父上ならキヴィラハティ侯爵の指示であると知っているだろうし、その事実を俺も掴んでいると思っていたのだろう。正解だよ、父上。でも今回は恍けさせてくださいな。
「……お前が知っていないはずが無いだろう。今回の件はキヴィラハティ侯爵の指示で起きたのだ」
「へえ、そうなんですね。それがどうしたのですか?」
「……だからその処罰をどうする」
「別に何もしなくて構いませんよ?」
「いくらエルネスティ殿下のご希望だとしても、それは許容出来ません」
俺の判断に枢長が苦言を呈した。実行犯の処罰でも甘いと思っていたのだろうが、皇帝陛下が許してしまったから何も言えなかったのだろう。今回は父上が何か言う前に口を挟んだ。皇族相手に物怖じしないところが彼が枢長という職に就いている所以だろう。枢長として皇族に物申せなければ意味がないからね。
「ですが彼は数日後にはご隠居します。そんな彼の社交界最後の日々を掻き乱すのは、流石に気が引けるのですが」
「……何故隠居の話を知っている。あれは秘匿のはずだが」
「さあ?何故でしょう。ですがひとつ確実に言えることは、私は誰よりも早くその情報を入手していました」
「それはどういう……ああ、なるほどな。理解した。その上でお前は処罰なしを希望するのだな?手を回してあると判断していいのだな?」
怪訝そうな表情を見せていた父上だが、俺の意図を読み取ったのか、不敵に笑いながら確認してきた。枢長も理解したのか、驚愕で目を見張ったまま固まっている。
「はい。ご心配なく。彼は何もしていませんので、私も何もしません」
「……わかった。ならその通りにしよう。お前もそれで良いな?」
「……はい。罪なき者を処することは皇族として有るまじきこと。このご決断が皇族の威光を損なうものではないと、枢密省の代表として賛成させていただきます」
枢長は恭しく頭を下げた。これでこの件に関する俺の仕事は終わり。後は枢密省や皇帝陛下、第二皇妃がなんとかしてくれるだろう。
よ~しこれで存分に魔法陣研究が出来るぞ~!
「エルネスティ、魔法陣研究にかまけて建国記念式典を忘れるでないぞ」
何ですか父上!そんなに信用ないんですか!?
* * * * * * * * *
役職などはオリジナルなので深く考えずふわっと捉えていただければ幸いです。
「エルネスティ様なら普通の処罰を下さないとわかっていらっしゃるのではないでしょうか」
文句を言った俺に返したヴァイナモの言葉である。なんだよ父上!俺を信用出来ないのかよ!
そんなこんなでぶつくさ言いながらも玉座の間にやって来た俺たちは、皇帝陛下の前で跪いて頭を垂れた。父上が頭を上げるよう促すと、俺は無駄のない動きで顔を上げた。
「ふむ。先日ぶりだな、エルネスティ。変わりないようで何よりだ」
「そう数日で人は急変しませんよ」
「数日で急変したお前が何を言う」
「天変地異は例外です」
父上はくつくつと笑う。俺が冗談を言ったと思っているのだろう。でも本当に、俺のこれは天変地異だぞ!何せ異世界の前世の記憶を思い出したんだからな!
父上は笑いが引かないうちに話を続けた。
「建国記念式典の準備は済んでいるか?」
「はい。父上にあそこまで良くしていただいて、怠るほど私も馬鹿ではありません」
「つまり我が動かなければ準備していなかった、と」
「……言葉の綾ですよ」
「どうだかな。紹介した衣装職人とダンスの講師はどうであった?」
「……父上の人脈は計り知れないと言うことと、悔しいほど父上が私を理解していらっしゃるのだと痛感しました」
「そうであろう、そうであろう!」
不本意ながらも父上を褒めると父上は嬉しそうに頷いた。どうした父上。なんか反応が若々しいぞ。俺のことを理解していることがそんなに嬉しいのか?まあこちらとしても有難いけど。
そんな話をしていると、端で控えていた枢長がおずおずと会話に入って来た。
「……陛下、そろそろ本題に移られては……?」
「おお、そうであったな。枢長も忙しいことだし、そろそろ本題に入ろう」
そこで自分の多忙を口にしないのね、父上。絶対枢長より忙しいでしょ。それが父上の優れたところではあるけど。
「さて、先日キヴィラハティ侯爵の四男がお前の私物を盗む事件が起きた。その処罰について、お前の希望はなんだ?」
「はい。私は彼らの騎士団退団と貴族子息という身分の返上を求めます」
「……返上で良いのか?剥奪ではなく」
父上は眉を顰めて尋ねてきた。返上と剥奪では意味合いが変わってくる。返上だと自分から地位を捨てることとなるが、剥奪だと強制的に身分を捨てさせられることになる。罰するという点においては、剥奪の方が不名誉なため、ふさわしいのだ。
「ええ。私は今回、最終的には何も奪われていないので。ヴァイナモと魔法陣が侮辱されましたが、それはその場できちんと落とし前をつけましたし。そんな私が彼らから何かを奪うのは忍びなく存じます」
「……甘い考えだとは思わないのか?結果云々の話ではなく、奴らはお前の大切なものを奪おうとしたのだぞ?」
「結果失敗してるじゃないですか。何故その程度の人間のために奪う労力と、その責任を負う必要がありますか」
枢長は息を呑んだ。俺の言葉はつまり、小物には興味ねえってことだからな。俺に害を成した人間に対して言う言葉ではないとは俺も思う。けど、本当にどうでもいいんだよ。
「何よりヴァイナモが大事にしなくて良いと言っていましたので。実害のあったヴァイナモがそう言っているのに、何故私が大事にする必要がありますか」
「……なるほど。お前の感情より専属護衛騎士の感情か。まあ奴らは取り調べ中、お前の名前を聞いて可哀想なほど震え上がっていたからな。またお前に害を成すこともないだろう」
「私の感情としても、ヴァイナモや魔法陣を侮辱された怒りはもう処理しているので、本当にどうでもいいのです」
「……そうか。わかった」
俺が心底興味ねえって表情で言ってのけると、父上は諦めたように溜息をついた。父上的には、もっと厳しい処罰にしたかったのかもしれない。まあ皇族の威厳にも関わるからね。だからと言って俺が何か配慮するつもりはないけど。
「……それで?キヴィラハティ侯爵の処罰はどうする?」
「えっ?何故そこで侯爵の名前が出て来るのですか?」
俺が恍けると父上は瞠目して俺を凝視した。父上ならキヴィラハティ侯爵の指示であると知っているだろうし、その事実を俺も掴んでいると思っていたのだろう。正解だよ、父上。でも今回は恍けさせてくださいな。
「……お前が知っていないはずが無いだろう。今回の件はキヴィラハティ侯爵の指示で起きたのだ」
「へえ、そうなんですね。それがどうしたのですか?」
「……だからその処罰をどうする」
「別に何もしなくて構いませんよ?」
「いくらエルネスティ殿下のご希望だとしても、それは許容出来ません」
俺の判断に枢長が苦言を呈した。実行犯の処罰でも甘いと思っていたのだろうが、皇帝陛下が許してしまったから何も言えなかったのだろう。今回は父上が何か言う前に口を挟んだ。皇族相手に物怖じしないところが彼が枢長という職に就いている所以だろう。枢長として皇族に物申せなければ意味がないからね。
「ですが彼は数日後にはご隠居します。そんな彼の社交界最後の日々を掻き乱すのは、流石に気が引けるのですが」
「……何故隠居の話を知っている。あれは秘匿のはずだが」
「さあ?何故でしょう。ですがひとつ確実に言えることは、私は誰よりも早くその情報を入手していました」
「それはどういう……ああ、なるほどな。理解した。その上でお前は処罰なしを希望するのだな?手を回してあると判断していいのだな?」
怪訝そうな表情を見せていた父上だが、俺の意図を読み取ったのか、不敵に笑いながら確認してきた。枢長も理解したのか、驚愕で目を見張ったまま固まっている。
「はい。ご心配なく。彼は何もしていませんので、私も何もしません」
「……わかった。ならその通りにしよう。お前もそれで良いな?」
「……はい。罪なき者を処することは皇族として有るまじきこと。このご決断が皇族の威光を損なうものではないと、枢密省の代表として賛成させていただきます」
枢長は恭しく頭を下げた。これでこの件に関する俺の仕事は終わり。後は枢密省や皇帝陛下、第二皇妃がなんとかしてくれるだろう。
よ~しこれで存分に魔法陣研究が出来るぞ~!
「エルネスティ、魔法陣研究にかまけて建国記念式典を忘れるでないぞ」
何ですか父上!そんなに信用ないんですか!?
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