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帝位継承権争い?興味ねえ!
彼は俺ではなく天使を見ている
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「はあ……。やはり似合ってる……!天使だ……。天使が目の前に舞い降りた……!」
二重魔法陣の実験の数日後、建国記念式典用の衣装が完成したとのことで、ペッテリがやって来て最終調整を行っている。採寸は寸分の狂いもないのは、ペッテリのプロの意地か、天使崇拝者の根性か。十中八九後者だろうな。ペッテリは被服関連にはあまり興味ないし。職人がそれで良いのかって話だが、仕事の出来は優秀なので問題ないだろう。
彼の世界は常に天使中心で回っているのだ。
「どうでしょうかエルネスティ様……!渾身の出来です……!正に僕の理想の天使……!目に焼き付けないと……!」
「ええ。サイズはピッタリですし、衣装の最低限のしきたりも守れてますね。ダンスも難なく踊れそうですし。ちょっとこのマントが邪魔ですが」
「それは理想の天使の必需品です……!外さないでくださいね……!」
「外しませんよ。ペッテリならこのマントを計算に入れて全体のバランスをとっているのでしょう?」
「もちろんでございます……!ひらりと舞われる度に天使が幸せを運ぶかの如く光を反射してキラキラと輝き……!楽園の匂いがふわりと香る……!」
「もしかして香水を染み込ませたりしてます?」
「いえいえ……!長く香りが続く匂い袋を縫い付けております……!」
俺はマントをひらひらさせながらペッテリの話を聞いた。匂い袋が縫い付けてあるって、どこにだ……?重さでわかりそうなのに、わからん。でもふわりと丁度いい香りが動く度に香るから、どこかにはあるんだろうけど。
俺は振り返って後ろに控えていたヴァイナモに意見を聞いてみた。くるりと1回ターンをする。
「ヴァイナモ、どうでしょう?」
「……とてもお似合いですよ。ただし、珍しいデザインなので目立つことは間違いありませんが」
「まあ目立つのは別に構いませんから。似合ってるのであれば良かったです」
ヴァイナモは優しく微笑みながらも少し心配そうだ。俺は周りの目にはあまり興味ないから気にしてないんだけどな。まあそれでも不躾な視線は鬱陶しくはあるけど。ペッテリが折角デザインしてくれたから、着ていきたい。
「その姿でダンスを踊れば視線を独り占めすること間違いなしです……!ああ……!願わくばヴァイナモ様の衣装も作りたかった……!天使の隣に一番相応しい守護者に仕立てあげたと言うのに……!」
「すみません、俺は騎士団所属なので公式の場には騎士団の制服で行く決まりがあります」
「わかっています……!だから口惜しいのです……!」
ペッテリは悔しそうに座り込んで床をダァァンッと叩いた。いくら掃除しているとは言え、ばっちいぞ?ペッテリよ。
「ですからヴァイナモ様……!是非天使の本領発揮出来るよう、完璧なエスコートお願いしますね……!」
「承知しておりますよ。責任重大ですね」
「はい……!僕の全神経を使ってヴァイナモ様に重圧をかけさせていただきますね……!」
ペッテリは手をワキワキさせながら何か不穏なオーラを醸し出している。おいコラ、ペッテリ。俺のことは好きに言ってもいいが、ヴァイナモに迷惑かけんじゃねえ。
「あまりヴァイナモを気負わせないでください、ペッテリ」
「ですが……!僕の天使……!」
「貴方だけの天使ではありません」
俺がピシャリと言うとペッテリはハッとなった。そして素早く土下座の体勢をとった。ペッテリよ、時々出るその神速は何なんだ。
「申し訳ございません……!僕、理想の天使をコーディネート出来ることに舞い上がって、自分のものなどと烏滸がましいことを口にしてしまいました……!どうかご慈悲を……!」
「いえ、わかっているのであれば構いませんよ。貴方の信仰に私が口出しすべきではありませんので」
「ああ……ありがとうございます……!神に感謝を!森羅万象に万歳!」
ペッテリは土下座と万歳を繰り返す。なんか見慣れてしまった自分が怖い。これが俺自身に対する信仰じゃなくて本当に良かった。こんなん向けられたら気が狂いそうだ。
……ん?俺への信仰じゃないのかって?違うよ。ペッテリは天使を信仰しているのであって、俺を信仰している訳じゃないから。ヤルノからも言質とったし。
* * *
これは二重魔法陣の研究をした後、ヤルノが帰る時の話である。
「そう言えば、殿下。ペッテリが、そろそろ衣装が完成すると申してました」
「ああ!そうですか。最終調整の日程をまた決めないといけませんね」
荷物をまとめていたヤルノがふと手を止めて俺にそう言ってきた。俺は上機嫌になりながら日程を確認する。と言っても用事なんてそうそうないので、何時でも良いのだが。
「楽しみです。ペッテリはどんな衣装を仕立てて来るのでしょうか」
「……デザイン案はご覧になったのですよね?」
「ええ。ですが実物を見ないとわからないこともあるじゃないですか。彼はどのようにして理想の天使を作り上げるのでしょうか」
俺がワクワクしながらそう答える。するとヤルノは微妙な表情を浮かべ、言いにくそうにおずおずと口を開いた。
「……あの、失礼を承知で申し上げるのですが、ペッテリは決して殿下ではなく……」
「ああ、私自身ではなく、私が持つ天使のような容姿を崇拝しているのでしょう?」
「……ご存じでしたか」
俺が言葉を先回りしたとこにヤルノは瞠目した。まあペッテリのあの反応は勘違いされやすいだろうな。俺じゃなきゃ誤解されてたかも。
「ええ。ペッテリは私の見目には興味ありますが、私の中身には興味がありませんでしたから。今回の衣装も私のためでなく、彼の中にある理想の天使のためでしょうし」
「……ペッテリをご理解していただき、ありがとうございます」
ヤルノは恭しく頭を下げた。その姿からこれまでの苦労が滲み出ており、今まで数え切れないほど誤解され、その度にヤルノがカバーしていたんだろうなということが伺えた。
「……苦労されているのですね」
「はい……天使だと他人を崇めると相手が勘違いするので……。しかもアイツは顔が良いので、勘違いした相手が面倒なことを起こして……」
「……本当にお疲れ様です」
言葉は続かないが、その哀愁漂う表情からどんなことがあったかは何となく想像出来る。でもペッテリが人間不信になっていないのは他人に興味がないからか、ヤルノがカバーしたからか。両方だな。
「……ですから、今までになく容姿に心酔している貴方がご理解していただけるなら、私も安心して貴方にペッテリを頼めます。どうか、ペッテリを宜しくお願い致します」
ヤルノは再び頭を下げた。幼馴染のペッテリが本当に大切なのだろう。もしかすると、それ以上の感情があるのかもしれない。だがそこに踏み入ると言うのは野暮というものだ。
「はい。私も気にかけておきますね」
俺は笑顔で了承した。ペッテリは俺にとってもいて欲しい人材なので、断る理由もない。寧ろ言われなくても気にかけるつもりだったのだ。
* * *
「……どうなさいましたか?エルネスティ様」
黙り込んだ俺の顔をヴァイナモが覗き込んで来た。ペッテリは尚も土下座と万歳を繰り返す。俺はペッテリを一瞥した後、にっこりと笑った。ヴァイナモは不思議そうにしながらも、俺に笑顔を返してくれた。
俺の周りは今日も平和である。
二重魔法陣の実験の数日後、建国記念式典用の衣装が完成したとのことで、ペッテリがやって来て最終調整を行っている。採寸は寸分の狂いもないのは、ペッテリのプロの意地か、天使崇拝者の根性か。十中八九後者だろうな。ペッテリは被服関連にはあまり興味ないし。職人がそれで良いのかって話だが、仕事の出来は優秀なので問題ないだろう。
彼の世界は常に天使中心で回っているのだ。
「どうでしょうかエルネスティ様……!渾身の出来です……!正に僕の理想の天使……!目に焼き付けないと……!」
「ええ。サイズはピッタリですし、衣装の最低限のしきたりも守れてますね。ダンスも難なく踊れそうですし。ちょっとこのマントが邪魔ですが」
「それは理想の天使の必需品です……!外さないでくださいね……!」
「外しませんよ。ペッテリならこのマントを計算に入れて全体のバランスをとっているのでしょう?」
「もちろんでございます……!ひらりと舞われる度に天使が幸せを運ぶかの如く光を反射してキラキラと輝き……!楽園の匂いがふわりと香る……!」
「もしかして香水を染み込ませたりしてます?」
「いえいえ……!長く香りが続く匂い袋を縫い付けております……!」
俺はマントをひらひらさせながらペッテリの話を聞いた。匂い袋が縫い付けてあるって、どこにだ……?重さでわかりそうなのに、わからん。でもふわりと丁度いい香りが動く度に香るから、どこかにはあるんだろうけど。
俺は振り返って後ろに控えていたヴァイナモに意見を聞いてみた。くるりと1回ターンをする。
「ヴァイナモ、どうでしょう?」
「……とてもお似合いですよ。ただし、珍しいデザインなので目立つことは間違いありませんが」
「まあ目立つのは別に構いませんから。似合ってるのであれば良かったです」
ヴァイナモは優しく微笑みながらも少し心配そうだ。俺は周りの目にはあまり興味ないから気にしてないんだけどな。まあそれでも不躾な視線は鬱陶しくはあるけど。ペッテリが折角デザインしてくれたから、着ていきたい。
「その姿でダンスを踊れば視線を独り占めすること間違いなしです……!ああ……!願わくばヴァイナモ様の衣装も作りたかった……!天使の隣に一番相応しい守護者に仕立てあげたと言うのに……!」
「すみません、俺は騎士団所属なので公式の場には騎士団の制服で行く決まりがあります」
「わかっています……!だから口惜しいのです……!」
ペッテリは悔しそうに座り込んで床をダァァンッと叩いた。いくら掃除しているとは言え、ばっちいぞ?ペッテリよ。
「ですからヴァイナモ様……!是非天使の本領発揮出来るよう、完璧なエスコートお願いしますね……!」
「承知しておりますよ。責任重大ですね」
「はい……!僕の全神経を使ってヴァイナモ様に重圧をかけさせていただきますね……!」
ペッテリは手をワキワキさせながら何か不穏なオーラを醸し出している。おいコラ、ペッテリ。俺のことは好きに言ってもいいが、ヴァイナモに迷惑かけんじゃねえ。
「あまりヴァイナモを気負わせないでください、ペッテリ」
「ですが……!僕の天使……!」
「貴方だけの天使ではありません」
俺がピシャリと言うとペッテリはハッとなった。そして素早く土下座の体勢をとった。ペッテリよ、時々出るその神速は何なんだ。
「申し訳ございません……!僕、理想の天使をコーディネート出来ることに舞い上がって、自分のものなどと烏滸がましいことを口にしてしまいました……!どうかご慈悲を……!」
「いえ、わかっているのであれば構いませんよ。貴方の信仰に私が口出しすべきではありませんので」
「ああ……ありがとうございます……!神に感謝を!森羅万象に万歳!」
ペッテリは土下座と万歳を繰り返す。なんか見慣れてしまった自分が怖い。これが俺自身に対する信仰じゃなくて本当に良かった。こんなん向けられたら気が狂いそうだ。
……ん?俺への信仰じゃないのかって?違うよ。ペッテリは天使を信仰しているのであって、俺を信仰している訳じゃないから。ヤルノからも言質とったし。
* * *
これは二重魔法陣の研究をした後、ヤルノが帰る時の話である。
「そう言えば、殿下。ペッテリが、そろそろ衣装が完成すると申してました」
「ああ!そうですか。最終調整の日程をまた決めないといけませんね」
荷物をまとめていたヤルノがふと手を止めて俺にそう言ってきた。俺は上機嫌になりながら日程を確認する。と言っても用事なんてそうそうないので、何時でも良いのだが。
「楽しみです。ペッテリはどんな衣装を仕立てて来るのでしょうか」
「……デザイン案はご覧になったのですよね?」
「ええ。ですが実物を見ないとわからないこともあるじゃないですか。彼はどのようにして理想の天使を作り上げるのでしょうか」
俺がワクワクしながらそう答える。するとヤルノは微妙な表情を浮かべ、言いにくそうにおずおずと口を開いた。
「……あの、失礼を承知で申し上げるのですが、ペッテリは決して殿下ではなく……」
「ああ、私自身ではなく、私が持つ天使のような容姿を崇拝しているのでしょう?」
「……ご存じでしたか」
俺が言葉を先回りしたとこにヤルノは瞠目した。まあペッテリのあの反応は勘違いされやすいだろうな。俺じゃなきゃ誤解されてたかも。
「ええ。ペッテリは私の見目には興味ありますが、私の中身には興味がありませんでしたから。今回の衣装も私のためでなく、彼の中にある理想の天使のためでしょうし」
「……ペッテリをご理解していただき、ありがとうございます」
ヤルノは恭しく頭を下げた。その姿からこれまでの苦労が滲み出ており、今まで数え切れないほど誤解され、その度にヤルノがカバーしていたんだろうなということが伺えた。
「……苦労されているのですね」
「はい……天使だと他人を崇めると相手が勘違いするので……。しかもアイツは顔が良いので、勘違いした相手が面倒なことを起こして……」
「……本当にお疲れ様です」
言葉は続かないが、その哀愁漂う表情からどんなことがあったかは何となく想像出来る。でもペッテリが人間不信になっていないのは他人に興味がないからか、ヤルノがカバーしたからか。両方だな。
「……ですから、今までになく容姿に心酔している貴方がご理解していただけるなら、私も安心して貴方にペッテリを頼めます。どうか、ペッテリを宜しくお願い致します」
ヤルノは再び頭を下げた。幼馴染のペッテリが本当に大切なのだろう。もしかすると、それ以上の感情があるのかもしれない。だがそこに踏み入ると言うのは野暮というものだ。
「はい。私も気にかけておきますね」
俺は笑顔で了承した。ペッテリは俺にとってもいて欲しい人材なので、断る理由もない。寧ろ言われなくても気にかけるつもりだったのだ。
* * *
「……どうなさいましたか?エルネスティ様」
黙り込んだ俺の顔をヴァイナモが覗き込んで来た。ペッテリは尚も土下座と万歳を繰り返す。俺はペッテリを一瞥した後、にっこりと笑った。ヴァイナモは不思議そうにしながらも、俺に笑顔を返してくれた。
俺の周りは今日も平和である。
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