9 / 219
帝位継承権争い?興味ねえ!
失敗は成功のもとでござる
しおりを挟む
気を取り直して、二重魔法陣の実験を始めた。最初はシンプルに一つの魔法陣の上にもう一つの魔法陣を重ねて描いてみよう。
「まずは、察知魔法の魔法陣を……っと」
「うわあ模様が複雑ですね……」
見本の魔法陣を見てヴァイナモは顔を顰めた。確かにこれ本当に一筆書きできんの?って模様だけど、きちんと書き順まで記載されている。先人の知恵すげえなこんなん思いつかないわ。
俺は丁寧に魔法陣を描き写していく。少し形は歪になったが、何とか発動出来る魔法陣が完成した。
「次は防御魔法を……」
「こっちもすごい模様ですね……」
防御魔法の魔法陣の見本もとても芸術的だった。こちらもご丁寧に書き順が書かれているから有難い。え?一筆書き究めるぐらいなら他の新しい魔法陣研究すればだって?ちっちっち、こういうのって一つのことをとことん究めたいもんなんだよ。一つ新しい魔法陣作り出したら一筆書きの方法まで研究したくなるよな、わかる。めっちゃ共感。
俺は察知魔法の上に重ねるように防御魔法の魔法陣を描き写していく。こちらも少し歪だが、まあ発動するだろう。
「では、魔力を流し込んでみますね……」
「今日は興奮で結界魔法解かないでくださいね」
「わかってますって」
ドキドキしながら魔法陣に触れ、昨日やったように魔力を流し込んでみる。すると魔法陣が反発するように俺の魔力が逆流してきた。俺は眉を顰めつつ流し込む魔力量を増やしてみると、抵抗はすごいが何とか魔力を流し込めることが出来た。
ほっとするのも束の間、急に魔法陣の一部がブチッと音を立てて擦り切れ、そこから俺の魔力が溢れ出してきた。相当の量を流し込んでいたため、俺の魔力が一瞬にして結界内に充満する。ヴァイナモは俺の魔力に気分が悪くなったらしく蹲った。俺は慌てて魔法陣内の魔力を抜き取り、充満した魔力を魔法で一箇所に集めた。その魔力を吸収し、ヴァイナモに駆け寄る。
「大丈夫ですか!?」
「うっ……気持ち悪い……。吐きそう……」
「すみません。まさか魔法陣が擦り切れて魔力が溢れ出すとは思ってもいなくて……」
「……大丈夫、です……。俺こそ、これくらいのことで調子を悪くしてしまい、すみません」
「いえいえ、自分の魔力の恐ろしさは自分で良くわかっていますから。無理もありませんよ」
俺はヴァイナモの背を摩りながら治癒魔法をかける。ヴァイナモはみるみるうちに顔色が良くなり、目を見開いて俺を見た。
「……魔法の天賦の才を持つという噂は聞いていたのですが……治癒魔法って光属性ですよね?特殊属性魔法まで使えるとは……一体、いくつ適正属性があるのですか?」
ヴァイナモは純粋に疑問が零れたようだ。俺は本当のことを言うべきか否か迷ったが、これから魔法陣学を研究する上で隠し通せるものでもないので、素直に伝えることにした。
「これは内緒なのですが、全部ですよ。全属性に適正があります」
「この魔力量に、魔力操作能力の高さ、それに加えて全属性に適正がある……想像以上に超人だ……超人すぎて変人だ……」
「聞こえてますよ」
「あっ、すみません」
口をポカンと開けて惚けるヴァイナモに、もう体調は大丈夫だろうと判断して、魔法陣の元へ戻る。ヴァイナモもハッとなって立ち上がり、身だしなみを整える。
「今回何故魔法陣が擦り切れたのか、見当はついているのですか?」
「ええ、まあ。多分、一筆書きで描かなかったからだと思います」
「……?記載通りに一筆書きしましたよね?」
「個々には一筆書きだったのですが、併用するには二つあわせて一筆書きする必要があるみたいです」
「……マジですか……」
俺の言葉にヴァイナモは遠い目になった。確かにそれぞれだけでも複雑で一筆書きが難しかったのに、二つの魔法陣を一括で描くのは至難の業だろう。
今回の実験では魔力が線の向きと反対流れる部分が多かった。普通であれば反発で逆流し、魔法陣に魔力が流れることはなかったのだろう。しかし俺のチート魔力で無理矢理流し込んだが故に上限以上の魔力が高圧力で魔法陣内に流れ込み、魔法陣が魔力の摩擦抵抗に耐えきれず擦り切れてしまったのだ。
「今後の目標は出来るだけ一筆書きを、無理なら出来るだけ線の向きに魔力を流せるように魔法陣を描くこと。あとは魔法陣自体の耐久性の強化と、魔法陣の簡略化が出来れば良いですね」
「……道のりは長そうですね」
「だからこそ研究のやり甲斐があると言うものです」
俺は生き生きと紙に今日の研究結果と考察を書き記していく。遠い目をしていたヴァイナモも俺が全く気落ちしていないこと、寧ろ嬉しそうな様子に不思議そうに首を傾げた。
「……嬉しそうですね。失敗したことに落ち込まないのですか?」
「何を落ち込むことがありますかっ!失敗は成功のもとでござりますぞ!失敗から夢は膨らみ、同時に実体化していくものでござる!」
「ご、ござる……?」
おっと気分が高揚して変な口調になっちまった失敬失敬。俺が微笑んで誤魔化すと、ヴァイナモは仕方がないものを見るかのように呆れ笑いを浮かべ、ため息をついた。俺が変人なことは不変の真理!気にしたら負けだぞ!
「……失敗が嬉しいという考えは良くわかりませんが……まあ殿下が楽しそうなので俺は何も言いません」
「いつかわかりますよ、多分」
「……殿下の気持ちがわかりたいような、変人になりたくないような……」
「それは失敗を楽しむ全ての常識人に失礼ですよ」
「そこで自分を含めないところが殿下らしいです……」
当たり前だろ?俺を変人扱いすることに間違いなんてないんだからな!
「まずは、察知魔法の魔法陣を……っと」
「うわあ模様が複雑ですね……」
見本の魔法陣を見てヴァイナモは顔を顰めた。確かにこれ本当に一筆書きできんの?って模様だけど、きちんと書き順まで記載されている。先人の知恵すげえなこんなん思いつかないわ。
俺は丁寧に魔法陣を描き写していく。少し形は歪になったが、何とか発動出来る魔法陣が完成した。
「次は防御魔法を……」
「こっちもすごい模様ですね……」
防御魔法の魔法陣の見本もとても芸術的だった。こちらもご丁寧に書き順が書かれているから有難い。え?一筆書き究めるぐらいなら他の新しい魔法陣研究すればだって?ちっちっち、こういうのって一つのことをとことん究めたいもんなんだよ。一つ新しい魔法陣作り出したら一筆書きの方法まで研究したくなるよな、わかる。めっちゃ共感。
俺は察知魔法の上に重ねるように防御魔法の魔法陣を描き写していく。こちらも少し歪だが、まあ発動するだろう。
「では、魔力を流し込んでみますね……」
「今日は興奮で結界魔法解かないでくださいね」
「わかってますって」
ドキドキしながら魔法陣に触れ、昨日やったように魔力を流し込んでみる。すると魔法陣が反発するように俺の魔力が逆流してきた。俺は眉を顰めつつ流し込む魔力量を増やしてみると、抵抗はすごいが何とか魔力を流し込めることが出来た。
ほっとするのも束の間、急に魔法陣の一部がブチッと音を立てて擦り切れ、そこから俺の魔力が溢れ出してきた。相当の量を流し込んでいたため、俺の魔力が一瞬にして結界内に充満する。ヴァイナモは俺の魔力に気分が悪くなったらしく蹲った。俺は慌てて魔法陣内の魔力を抜き取り、充満した魔力を魔法で一箇所に集めた。その魔力を吸収し、ヴァイナモに駆け寄る。
「大丈夫ですか!?」
「うっ……気持ち悪い……。吐きそう……」
「すみません。まさか魔法陣が擦り切れて魔力が溢れ出すとは思ってもいなくて……」
「……大丈夫、です……。俺こそ、これくらいのことで調子を悪くしてしまい、すみません」
「いえいえ、自分の魔力の恐ろしさは自分で良くわかっていますから。無理もありませんよ」
俺はヴァイナモの背を摩りながら治癒魔法をかける。ヴァイナモはみるみるうちに顔色が良くなり、目を見開いて俺を見た。
「……魔法の天賦の才を持つという噂は聞いていたのですが……治癒魔法って光属性ですよね?特殊属性魔法まで使えるとは……一体、いくつ適正属性があるのですか?」
ヴァイナモは純粋に疑問が零れたようだ。俺は本当のことを言うべきか否か迷ったが、これから魔法陣学を研究する上で隠し通せるものでもないので、素直に伝えることにした。
「これは内緒なのですが、全部ですよ。全属性に適正があります」
「この魔力量に、魔力操作能力の高さ、それに加えて全属性に適正がある……想像以上に超人だ……超人すぎて変人だ……」
「聞こえてますよ」
「あっ、すみません」
口をポカンと開けて惚けるヴァイナモに、もう体調は大丈夫だろうと判断して、魔法陣の元へ戻る。ヴァイナモもハッとなって立ち上がり、身だしなみを整える。
「今回何故魔法陣が擦り切れたのか、見当はついているのですか?」
「ええ、まあ。多分、一筆書きで描かなかったからだと思います」
「……?記載通りに一筆書きしましたよね?」
「個々には一筆書きだったのですが、併用するには二つあわせて一筆書きする必要があるみたいです」
「……マジですか……」
俺の言葉にヴァイナモは遠い目になった。確かにそれぞれだけでも複雑で一筆書きが難しかったのに、二つの魔法陣を一括で描くのは至難の業だろう。
今回の実験では魔力が線の向きと反対流れる部分が多かった。普通であれば反発で逆流し、魔法陣に魔力が流れることはなかったのだろう。しかし俺のチート魔力で無理矢理流し込んだが故に上限以上の魔力が高圧力で魔法陣内に流れ込み、魔法陣が魔力の摩擦抵抗に耐えきれず擦り切れてしまったのだ。
「今後の目標は出来るだけ一筆書きを、無理なら出来るだけ線の向きに魔力を流せるように魔法陣を描くこと。あとは魔法陣自体の耐久性の強化と、魔法陣の簡略化が出来れば良いですね」
「……道のりは長そうですね」
「だからこそ研究のやり甲斐があると言うものです」
俺は生き生きと紙に今日の研究結果と考察を書き記していく。遠い目をしていたヴァイナモも俺が全く気落ちしていないこと、寧ろ嬉しそうな様子に不思議そうに首を傾げた。
「……嬉しそうですね。失敗したことに落ち込まないのですか?」
「何を落ち込むことがありますかっ!失敗は成功のもとでござりますぞ!失敗から夢は膨らみ、同時に実体化していくものでござる!」
「ご、ござる……?」
おっと気分が高揚して変な口調になっちまった失敬失敬。俺が微笑んで誤魔化すと、ヴァイナモは仕方がないものを見るかのように呆れ笑いを浮かべ、ため息をついた。俺が変人なことは不変の真理!気にしたら負けだぞ!
「……失敗が嬉しいという考えは良くわかりませんが……まあ殿下が楽しそうなので俺は何も言いません」
「いつかわかりますよ、多分」
「……殿下の気持ちがわかりたいような、変人になりたくないような……」
「それは失敗を楽しむ全ての常識人に失礼ですよ」
「そこで自分を含めないところが殿下らしいです……」
当たり前だろ?俺を変人扱いすることに間違いなんてないんだからな!
337
お気に入りに追加
3,805
あなたにおすすめの小説
【第2部開始】悪役令息ですが、家族のため精一杯生きているので邪魔しないでください~僕の執事は僕にだけイケすぎたオジイです~
ちくわぱん
BL
【第2部開始 更新は少々ゆっくりです】ハルトライアは前世を思い出した。自分が物語の当て馬兼悪役で、王子と婚約するがのちに魔王になって結局王子と物語の主役に殺される未来を。死にたくないから婚約を回避しようと王子から逃げようとするが、なぜか好かれてしまう。とにかく悪役にならぬように魔法も武術も頑張って、自分のそばにいてくれる執事とメイドを守るんだ!と奮闘する日々。そんな毎日の中、困難は色々振ってくる。やはり当て馬として死ぬしかないのかと苦しみながらも少しずつ味方を増やし成長していくハルトライア。そして執事のカシルもまた、ハルトライアを守ろうと陰ながら行動する。そんな二人の努力と愛の記録。両片思い。じれじれ展開ですが、ハピエン。
優しい庭師の見る夢は
エウラ
BL
植物好きの青年が不治の病を得て若くして亡くなり、気付けば異世界に転生していた。
かつて管理者が住んでいた森の奥の小さなロッジで15歳くらいの体で目覚めた樹希(いつき)は、前世の知識と森の精霊達の協力で森の木々や花の世話をしながら一人暮らしを満喫していくのだが・・・。
※主人公総受けではありません。
精霊達は単なる家族・友人・保護者的な位置づけです。お互いがそういう認識です。
基本的にほのぼのした話になると思います。
息抜きです。不定期更新。
※タグには入れてませんが、女性もいます。
魔法や魔法薬で同性同士でも子供が出来るというふんわり設定。
※10万字いっても終わらないので、一応、長編に切り替えます。
お付き合い下さいませ。
マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.
結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、転生特典(執事)と旅に出たい
オオトリ
BL
とある教会で、今日一組の若い男女が結婚式を挙げようとしていた。
今、まさに新郎新婦が手を取り合おうとしたその時―――
「ちょっと待ったー!」
乱入者の声が響き渡った。
これは、とある事情で異世界転生した主人公が、結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、
白米を求めて 俺TUEEEEせずに、執事TUEEEEな旅に出たい
そんなお話
※主人公は当初女性と婚約しています(タイトルの通り)
※主人公ではない部分で、男女の恋愛がお話に絡んでくることがあります
※BLは読むことも初心者の作者の初作品なので、タグ付けなど必要があれば教えてください
※完結しておりますが、今後番外編及び小話、続編をいずれ追加して参りたいと思っています
※小説家になろうさんでも同時公開中
R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)
黒崎由希
BL
目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。
しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ?
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
…ええっと…
もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m
.
【完結】だから俺は主人公じゃない!
美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。
しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!?
でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。
そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。
主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱!
だから、…俺は主人公じゃないんだってば!
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
転生したけどやり直す前に終わった【加筆版】
リトルグラス
BL
人生を無気力に無意味に生きた、負け組男がナーロッパ的世界観に転生した。
転生モノ小説を読みながら「俺だってやり直せるなら、今度こそ頑張るのにな」と、思いながら最期を迎えた前世を思い出し「今度は人生を成功させる」と転生した男、アイザックは子供時代から努力を重ねた。
しかし、アイザックは成人の直前で家族を処刑され、平民落ちにされ、すべてを失った状態で追放された。
ろくなチートもなく、あるのは子供時代の努力の結果だけ。ともに追放された子ども達を抱えてアイザックは南の港町を目指す──
***
第11回BL小説大賞にエントリーするために修正と加筆を加え、作者のつぶやきは削除しました。(23'10'20)
**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる