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帝位継承権争い?興味ねえ!
誤解は早めに解きましょう
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さてさて、そんなこんなで今日もやって来ました図書館!ヴァイナモはアウクスティの様子が気にならなくもなかったそうだが、それ以上に俺を侮辱したことに怒っていた。なんで俺より怒ってんの……嫌じゃないけど。寧ろ嬉しいけど。
司書達は「今日も来た……」という視線を俺にプレゼントしてくれた。ありがとうこれから毎日だよさっさと慣れろ。寧ろあの小部屋頂戴。でかでかと扉に名前書きたい。
「では今日は察知魔法と防御魔法関連の本を読んで、最後にちょっと実験してみましょうか」
「わかりました」
俺はひょいひょいっと本を取り出し、椅子に座って斜め読みを始める。ヴァイナモはじっと何もせずに俺を見守っていた。暇じゃないのかな?
「……ヴァイナモ?手持ち無沙汰ではないですか?私が本を読んでいる間は、別に好きなことをしていて良いですよ?」
「別に、楽しそうな殿下を見るのは楽しいですよ。俺は殿下の護衛ですし」
こんな所で暗殺とかあるのかな?まあ不意打ちであるかもしれないけど、余程のことが無い限り俺の魔法でどうにか出来ちゃうし。てかなんやねん俺を見てると楽しいて。俺は愛玩動物とちゃうし。思わず関西弁になってしもたやんか。
「ですがずっとそれなのは……」
「……なら、オススメの魔法陣の本を教えてくれませんか?俺もちょっと気になっていまして……ですが殿下が読まれた本を全部読むことは、時間的に難しいですし……」
「わかりました!すぐ取ってきますね!」
ヴァイナモがおずおずと俺に尋ねてきたので、俺は上機嫌で本を探しに行った。自分の好きなことに興味を持ってくれることは、やはり嬉しい。
* * *
本にのめり込んでいると、ヴァイナモからお昼の時間だと声をかけられた。今日の昼食はキッシュだ。なんかこの世界って前世のヨーロッパ文化がごっちゃ混ぜだな。そりゃ前世のどこかの国とまんま同じ文化だったらそれはそれで怖いけど。
ヴァイナモに本の進み具合を聞くと、まだ半分しか読めてないと返ってきた。いや、それもうだから!俺のスピードが異常なだけで十分早いからね!?
そんなこんなで手短に昼食を済まし、再び本の世界へ戻った。読み終えて顔を上げると、丁度本を読み終えたらしいヴァイナモが魔法陣を作る準備をしていた。俺の護衛騎士がぐう優秀(知ってた)
「では今日は試しに二重魔法陣を作ってみましょう」
「二重……ですか」
「ええ。普通は一重ですが、理論上は別の魔法陣を上手く重ねることで別の魔法を併用出来るらしいです」
「理論上は、ですか」
「ええ。これまで魔法陣魔法の種類を増やす研究はされてきたようですが、併用したり効果を高める研究はあまりされてこなかったようで。この本でも理論だけ展開して、実験はほとんどしてませんでした」
通常魔法なら魔力量やら神経の使い方やらで微調整をするため、比較的魔法を発動させ易いが、魔法陣だと一つの完成された形を作らないと上手く魔法が発動しない。もし魔法陣に不備があった場合、一から作り直しである。なので細かい微調整が難しく、一つの新しい魔法を完成させるのにも一苦労なのだ。よって魔法陣魔法は通常魔法より魔法の種類が少ない。だからこそ応用の効かない学問だと軽視されてきたのだが。
先人達はその『応用の効かない』というのを克服したいと躍起になり、様々な魔法陣魔法を生み出した。今でも圧倒的な種類数の差。その差を埋めるのに精一杯で、魔法陣と魔法陣を掛け合わせてみたりだとか、より効率のよい魔法陣を作り出す研究が追いついていないのだ。だから理論だけ展開して、実験を重ねて証明することを放棄している研究がこの分野には数多くある。
「私はそんな理論たちを研究すればもっと魔法陣が便利になって、魔法陣への偏見を取り除いたり分野人口を増加させたり出来ると思います。通常魔法と同じものにするのではなく、魔法陣の特長を最大限に活用した、通常魔法とはまた別の独立した存在にする。通常魔法と魔法陣魔法を一緒に考えるから、魔法陣魔法の欠点が目立ってしまうだけなのです。切り離して考えれば、魔法陣はきっと世界で輝くことが出来るでしょう」
「……殿下が魔法陣学を研究する上で、まず二重魔法陣というマニアックなものに手を出す理由が、それということですか……」
「まあ純粋に早く作ってヴァイナモに使ってもらいたいというのが一番ですが」
にっこり笑うとヴァイナモはキョトンとした後、へにゃりと頬を緩ませた。本当に嬉しい時、この笑い方になるのかな?破壊力パねえ……。こういう顔の時に、ああヴァイナモは16歳なんだなって実感する。若いってオーラがある。……ん?ジジくさいって?仕方ねえよ前世の俺の方が歳上だからな!
「俺のため、ですか……嬉しいです」
「……その顔をあまり他人に見せてはいけませんよ」
「え?何故ですか?」
「全世界の女性ないし一部の男性に致命傷を与えます」
「俺ってそんな笑顔変ですか!?」
ヴァイナモは自らを指差しながらショックを受けたように固まった。ん~そう言う意味じゃないけど説明も面倒だしそのままでいっか。無自覚って怖いな。
俺は曖昧に微笑んでおいた。ヴァイナモは肯定と捉えたようで、深刻そうな表情でブツブツと独り言を呟き始めた。顔が青い。……待って思った以上に落ち込んでる。説明端折らない方が良かった!?
「あ~えっと、ヴァイナモ?そこまで深刻に考えなくても……」
「いっ、いえ。俺は良く他人にもっと笑えって言われるのですが、どう笑えば良いのかわからなくて。ですか殿下のお側にいると自然と笑顔になれるのです。ですから俺の酷い笑顔は殿下しか見ないと言いますか、ですか殿下のお側だと笑顔を我慢しようとしても無意識に頬が緩むと言いますか……。殿下に俺のお見苦しい笑顔を向けるのは如何なものかと……」
「えっ!?あっ、ちょっ……私の前では良いんですよ!他の人に見せなければそれで!」
待って今、俺ナチュラルに『君の笑顔は俺のもの』発言しなかった!?恥ずっ!恥ずかしっ!!でも先にこの笑顔は俺専用って言ったのヴァイナモの方だし、全部ヴァイナモのせいだよね!?責任とってよね!?何の責任かはわからないけど!
「俺の醜い笑顔を許して下さるのですね……。殿下はお優しい……」
ん~なんか勘違いが変な方向行ってる!でももう誤解解くのも面倒だし、このままで良いや!誤解は早めに解いておく!これ訓戒!!
司書達は「今日も来た……」という視線を俺にプレゼントしてくれた。ありがとうこれから毎日だよさっさと慣れろ。寧ろあの小部屋頂戴。でかでかと扉に名前書きたい。
「では今日は察知魔法と防御魔法関連の本を読んで、最後にちょっと実験してみましょうか」
「わかりました」
俺はひょいひょいっと本を取り出し、椅子に座って斜め読みを始める。ヴァイナモはじっと何もせずに俺を見守っていた。暇じゃないのかな?
「……ヴァイナモ?手持ち無沙汰ではないですか?私が本を読んでいる間は、別に好きなことをしていて良いですよ?」
「別に、楽しそうな殿下を見るのは楽しいですよ。俺は殿下の護衛ですし」
こんな所で暗殺とかあるのかな?まあ不意打ちであるかもしれないけど、余程のことが無い限り俺の魔法でどうにか出来ちゃうし。てかなんやねん俺を見てると楽しいて。俺は愛玩動物とちゃうし。思わず関西弁になってしもたやんか。
「ですがずっとそれなのは……」
「……なら、オススメの魔法陣の本を教えてくれませんか?俺もちょっと気になっていまして……ですが殿下が読まれた本を全部読むことは、時間的に難しいですし……」
「わかりました!すぐ取ってきますね!」
ヴァイナモがおずおずと俺に尋ねてきたので、俺は上機嫌で本を探しに行った。自分の好きなことに興味を持ってくれることは、やはり嬉しい。
* * *
本にのめり込んでいると、ヴァイナモからお昼の時間だと声をかけられた。今日の昼食はキッシュだ。なんかこの世界って前世のヨーロッパ文化がごっちゃ混ぜだな。そりゃ前世のどこかの国とまんま同じ文化だったらそれはそれで怖いけど。
ヴァイナモに本の進み具合を聞くと、まだ半分しか読めてないと返ってきた。いや、それもうだから!俺のスピードが異常なだけで十分早いからね!?
そんなこんなで手短に昼食を済まし、再び本の世界へ戻った。読み終えて顔を上げると、丁度本を読み終えたらしいヴァイナモが魔法陣を作る準備をしていた。俺の護衛騎士がぐう優秀(知ってた)
「では今日は試しに二重魔法陣を作ってみましょう」
「二重……ですか」
「ええ。普通は一重ですが、理論上は別の魔法陣を上手く重ねることで別の魔法を併用出来るらしいです」
「理論上は、ですか」
「ええ。これまで魔法陣魔法の種類を増やす研究はされてきたようですが、併用したり効果を高める研究はあまりされてこなかったようで。この本でも理論だけ展開して、実験はほとんどしてませんでした」
通常魔法なら魔力量やら神経の使い方やらで微調整をするため、比較的魔法を発動させ易いが、魔法陣だと一つの完成された形を作らないと上手く魔法が発動しない。もし魔法陣に不備があった場合、一から作り直しである。なので細かい微調整が難しく、一つの新しい魔法を完成させるのにも一苦労なのだ。よって魔法陣魔法は通常魔法より魔法の種類が少ない。だからこそ応用の効かない学問だと軽視されてきたのだが。
先人達はその『応用の効かない』というのを克服したいと躍起になり、様々な魔法陣魔法を生み出した。今でも圧倒的な種類数の差。その差を埋めるのに精一杯で、魔法陣と魔法陣を掛け合わせてみたりだとか、より効率のよい魔法陣を作り出す研究が追いついていないのだ。だから理論だけ展開して、実験を重ねて証明することを放棄している研究がこの分野には数多くある。
「私はそんな理論たちを研究すればもっと魔法陣が便利になって、魔法陣への偏見を取り除いたり分野人口を増加させたり出来ると思います。通常魔法と同じものにするのではなく、魔法陣の特長を最大限に活用した、通常魔法とはまた別の独立した存在にする。通常魔法と魔法陣魔法を一緒に考えるから、魔法陣魔法の欠点が目立ってしまうだけなのです。切り離して考えれば、魔法陣はきっと世界で輝くことが出来るでしょう」
「……殿下が魔法陣学を研究する上で、まず二重魔法陣というマニアックなものに手を出す理由が、それということですか……」
「まあ純粋に早く作ってヴァイナモに使ってもらいたいというのが一番ですが」
にっこり笑うとヴァイナモはキョトンとした後、へにゃりと頬を緩ませた。本当に嬉しい時、この笑い方になるのかな?破壊力パねえ……。こういう顔の時に、ああヴァイナモは16歳なんだなって実感する。若いってオーラがある。……ん?ジジくさいって?仕方ねえよ前世の俺の方が歳上だからな!
「俺のため、ですか……嬉しいです」
「……その顔をあまり他人に見せてはいけませんよ」
「え?何故ですか?」
「全世界の女性ないし一部の男性に致命傷を与えます」
「俺ってそんな笑顔変ですか!?」
ヴァイナモは自らを指差しながらショックを受けたように固まった。ん~そう言う意味じゃないけど説明も面倒だしそのままでいっか。無自覚って怖いな。
俺は曖昧に微笑んでおいた。ヴァイナモは肯定と捉えたようで、深刻そうな表情でブツブツと独り言を呟き始めた。顔が青い。……待って思った以上に落ち込んでる。説明端折らない方が良かった!?
「あ~えっと、ヴァイナモ?そこまで深刻に考えなくても……」
「いっ、いえ。俺は良く他人にもっと笑えって言われるのですが、どう笑えば良いのかわからなくて。ですか殿下のお側にいると自然と笑顔になれるのです。ですから俺の酷い笑顔は殿下しか見ないと言いますか、ですか殿下のお側だと笑顔を我慢しようとしても無意識に頬が緩むと言いますか……。殿下に俺のお見苦しい笑顔を向けるのは如何なものかと……」
「えっ!?あっ、ちょっ……私の前では良いんですよ!他の人に見せなければそれで!」
待って今、俺ナチュラルに『君の笑顔は俺のもの』発言しなかった!?恥ずっ!恥ずかしっ!!でも先にこの笑顔は俺専用って言ったのヴァイナモの方だし、全部ヴァイナモのせいだよね!?責任とってよね!?何の責任かはわからないけど!
「俺の醜い笑顔を許して下さるのですね……。殿下はお優しい……」
ん~なんか勘違いが変な方向行ってる!でももう誤解解くのも面倒だし、このままで良いや!誤解は早めに解いておく!これ訓戒!!
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