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大書庫からの旅立ち
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「古い文献の中にわずかですが、ネビュラ・メイガスに関する記述を見つけました。
この情報を分析すれば、何か分かるかもしれません。」
次の日、クラスチェンジに失敗して落ち込んで部屋に引きこもっていた俺に、エクレールが朗報を持ってきてくれた。
彼女の眼は真っ赤にはれている。俺の為に徹夜で文献をあたってくれたようだ。
ううう、すまんエクレール、俺がバカな真似をしたばっかりに苦労をかけてばかりで。
その後エクレールの努力のおかげで、なんとかフォトン・ブラストだけは何とか使用可能に戻すことができた。
「この書庫にある情報ではフォトン・ブラストの使用禁止を解除するのが精一杯でした。
前例のない新しいルートを選んだタケルさんには、これ以上十分なサポートが行えません。
なので、ここは思い切って一度書庫を出て、情報収集を行った方が良いでしょう。」
「情報収集って具体的にはどうしたらいいんだ?」
「ここから北にある魔法王国テスラに向かうのが良いでしょう。
現在この大陸で最も魔法文化が盛んな、テスラ国の王立図書館でなら新しい情報が得られるかもしれません。」
魔法王国!そんなのがあったのか、初めて聞いたぞ。
「ただテスラは魔法絶対主義の国、亜人に対する差別も激しいと聞きます。
カントの町のようにはいかないでしょう。
それにフォトンブラストしか魔法が使えないタケルさんが、セフィアルさん達を連れてそのまま乗り込んだのではトラブルに巻き込まれた時どうなるかわかりません。」
確かにカントの町でさえ短時間でトラブルに巻き込まれたのだ、亜人差別が激しいというテスラ国ではなにが起こるかわからない。
。
守りの要といえるプロテクション・スフィアが使えない俺には、以前に考えた光球内に非難するというようなトラブル対策は使えない。
それに魔法が使用禁止になってしまっただけではない、HPも半分になり4しかない。
一発殴られただけでも、あの世行きは避けられないだろう。
そう考えると今まで俺を守ってくれたプロテクション・スフィアの存在の大きさを、今更ながらひしひしと感じる。
「テスラ国では何よりもタケルさんの身の安全を第一に考えて、できるだけ目立たないように行動する必要があります。ですから、前回使った認識阻害の指輪以外にもいくつかマジックアイテムを準備しました。」
エクレールが持参した魔道具の説明を始めた。
「まずこのフード付きのローブです。
これには相手の意識をそらす効力を付与してあります。
これを身に付けて、フードを頭から被れば他人はタケルさん達の行動に注意を払わないでしょう。
ただ効果自体は弱いものなので、魔法に長けた者や感覚の鋭い者には見破られてしまいます。
注意してください。」
特にこれといって特徴のないローブだが、目立たないということは今の俺達にとって最適な機能だ。
「次にこの腕輪ですが、近距離であればお互いの位置を知ることができます。
街中ではぐれたときなどには、役に立つでしょう」
銀製の腕輪は、細くて軽いのでかさばることはない。これはスノウにもつけておいたほうが良さそうだ。
「最後に、タケルさんご待望の魔法のバックです
魔法が使えなくなったとはいえ、タケルさん自身の魔力は残っています。
このバックは使用者の魔力に比例して、容量が増えるのでタケルさんならばかなりの量が入るはずです。」
エクレールは落ち込んでいる俺を励ます意味も込めて、秘蔵の魔法鞄を引っ張り出してくれたようだ。
ううう、ありがとうエクレール、どうにかして力を取り戻してみせるからな。
引きこもってはいられない俺は改めてエクレールに感謝して、魔力を取り戻す決意を固めるのだった。
この情報を分析すれば、何か分かるかもしれません。」
次の日、クラスチェンジに失敗して落ち込んで部屋に引きこもっていた俺に、エクレールが朗報を持ってきてくれた。
彼女の眼は真っ赤にはれている。俺の為に徹夜で文献をあたってくれたようだ。
ううう、すまんエクレール、俺がバカな真似をしたばっかりに苦労をかけてばかりで。
その後エクレールの努力のおかげで、なんとかフォトン・ブラストだけは何とか使用可能に戻すことができた。
「この書庫にある情報ではフォトン・ブラストの使用禁止を解除するのが精一杯でした。
前例のない新しいルートを選んだタケルさんには、これ以上十分なサポートが行えません。
なので、ここは思い切って一度書庫を出て、情報収集を行った方が良いでしょう。」
「情報収集って具体的にはどうしたらいいんだ?」
「ここから北にある魔法王国テスラに向かうのが良いでしょう。
現在この大陸で最も魔法文化が盛んな、テスラ国の王立図書館でなら新しい情報が得られるかもしれません。」
魔法王国!そんなのがあったのか、初めて聞いたぞ。
「ただテスラは魔法絶対主義の国、亜人に対する差別も激しいと聞きます。
カントの町のようにはいかないでしょう。
それにフォトンブラストしか魔法が使えないタケルさんが、セフィアルさん達を連れてそのまま乗り込んだのではトラブルに巻き込まれた時どうなるかわかりません。」
確かにカントの町でさえ短時間でトラブルに巻き込まれたのだ、亜人差別が激しいというテスラ国ではなにが起こるかわからない。
。
守りの要といえるプロテクション・スフィアが使えない俺には、以前に考えた光球内に非難するというようなトラブル対策は使えない。
それに魔法が使用禁止になってしまっただけではない、HPも半分になり4しかない。
一発殴られただけでも、あの世行きは避けられないだろう。
そう考えると今まで俺を守ってくれたプロテクション・スフィアの存在の大きさを、今更ながらひしひしと感じる。
「テスラ国では何よりもタケルさんの身の安全を第一に考えて、できるだけ目立たないように行動する必要があります。ですから、前回使った認識阻害の指輪以外にもいくつかマジックアイテムを準備しました。」
エクレールが持参した魔道具の説明を始めた。
「まずこのフード付きのローブです。
これには相手の意識をそらす効力を付与してあります。
これを身に付けて、フードを頭から被れば他人はタケルさん達の行動に注意を払わないでしょう。
ただ効果自体は弱いものなので、魔法に長けた者や感覚の鋭い者には見破られてしまいます。
注意してください。」
特にこれといって特徴のないローブだが、目立たないということは今の俺達にとって最適な機能だ。
「次にこの腕輪ですが、近距離であればお互いの位置を知ることができます。
街中ではぐれたときなどには、役に立つでしょう」
銀製の腕輪は、細くて軽いのでかさばることはない。これはスノウにもつけておいたほうが良さそうだ。
「最後に、タケルさんご待望の魔法のバックです
魔法が使えなくなったとはいえ、タケルさん自身の魔力は残っています。
このバックは使用者の魔力に比例して、容量が増えるのでタケルさんならばかなりの量が入るはずです。」
エクレールは落ち込んでいる俺を励ます意味も込めて、秘蔵の魔法鞄を引っ張り出してくれたようだ。
ううう、ありがとうエクレール、どうにかして力を取り戻してみせるからな。
引きこもってはいられない俺は改めてエクレールに感謝して、魔力を取り戻す決意を固めるのだった。
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