46 / 75
ピティック族 その2
しおりを挟む
スノウの活躍のおかげで九死に一生を得たピティック達、助けた彼らの所に近づいていくと、彼らは一斉に膝をついて土下座、両手を頭の上にあげてお辞儀を繰り返し始めた。
まるで神様に祈りを捧げる信者達のような様子だ。
どうやら助けてあげた俺達に、感謝の意を示しているみたいだ。
「どうするよ?これ?」
「さ、さあ?私には何とも」
突然、崇められてもなんとも対応に困ってしまう。セフィアルも戸惑っている。
「タケルお兄ちゃん、カチカチだよ、この人達!」
レクイルは土下座しているピティックの一人を、コンコンと軽く叩いて感触を確かめている。
スノウも猫パンチならぬ狼パンチで、突っついている。
君達、おもちゃじゃないので遊ばないようにね。
しばらく待ってみたが、なかなか祈りの儀式が終わりそうにない。
「この儀式、なかなか終わらないぞ。」
「ピティック族は、マナが大好物だと聞いたことがあります。」
「そうか、じゃあ少しだけあげてみよう。」
俺が少しだけマナを空中に放出すると「ピィキャ、ピィキィ」と大喜び。
今度は俺達の周囲を回って踊り始めた。
感謝の舞?だろうか
これもまた結構長く続いたのだ、途中で出ていく訳にもいかずジッと我慢しているのも結構しんどかった。
「やっと、終わったか。じゃあそろそろ撤収するか」
しばらくピティック達の輪の中で耐えていると、やっと儀式が終わったみたいだ。
俺達はこれ以上彼らを刺激しないように、注意してこの場を離れることにした。
「おいおい、ついて来ちゃってるよ」
なんと俺達が移動を始めると、ピティック族も後をついて来るではないか。
「おそらくマナをあげたからでしょう。
大きな魔力を持つタケルさんのマナに誘われて、ついて来たんだと思います。」
セフィアルは冷静に解説してくれるが、君が勧めたんだからね。
「このまま書庫までついてきても大丈夫なのか
「特に害はないはずですが、どうしましょうか振り切りますか?」
彼らの動きは速くない、俺達が移動速度を上げればついてこれないだろう。
表情が無いとはいえ、転びながらも必死な様子でついて来る彼らを置き去りにするのも心苦しくて、結局俺たちは10匹ほどのピティック族を書庫まで連れ帰ってしまった。
「別に書庫の中に入らないのなら問題ありませんよ。
それに彼らは自然界にとって有益な存在です。濁ったマナを食べることで浄化してくれています。」
なるほど彼らの存在にはそんな意味もあるのか、エクレールの説明を聞いて彼らのおかしな生態にも納得できた。
書庫の近くにある岩場に、ピティック達を案内してやる。
ここなら大きな魔物はこないし、安心して岩を食べられるだろう。
たまに様子を見に行くと、俺を見かけるとトコトコと寄って来るので少しだけマナを放出してやる。
するととても喜んで、俺の周りを転がったり踊ったりするので見ていて飽きない。
こうしてピティック族は、書庫の近くに住み着くことになったのだ。
まるで神様に祈りを捧げる信者達のような様子だ。
どうやら助けてあげた俺達に、感謝の意を示しているみたいだ。
「どうするよ?これ?」
「さ、さあ?私には何とも」
突然、崇められてもなんとも対応に困ってしまう。セフィアルも戸惑っている。
「タケルお兄ちゃん、カチカチだよ、この人達!」
レクイルは土下座しているピティックの一人を、コンコンと軽く叩いて感触を確かめている。
スノウも猫パンチならぬ狼パンチで、突っついている。
君達、おもちゃじゃないので遊ばないようにね。
しばらく待ってみたが、なかなか祈りの儀式が終わりそうにない。
「この儀式、なかなか終わらないぞ。」
「ピティック族は、マナが大好物だと聞いたことがあります。」
「そうか、じゃあ少しだけあげてみよう。」
俺が少しだけマナを空中に放出すると「ピィキャ、ピィキィ」と大喜び。
今度は俺達の周囲を回って踊り始めた。
感謝の舞?だろうか
これもまた結構長く続いたのだ、途中で出ていく訳にもいかずジッと我慢しているのも結構しんどかった。
「やっと、終わったか。じゃあそろそろ撤収するか」
しばらくピティック達の輪の中で耐えていると、やっと儀式が終わったみたいだ。
俺達はこれ以上彼らを刺激しないように、注意してこの場を離れることにした。
「おいおい、ついて来ちゃってるよ」
なんと俺達が移動を始めると、ピティック族も後をついて来るではないか。
「おそらくマナをあげたからでしょう。
大きな魔力を持つタケルさんのマナに誘われて、ついて来たんだと思います。」
セフィアルは冷静に解説してくれるが、君が勧めたんだからね。
「このまま書庫までついてきても大丈夫なのか
「特に害はないはずですが、どうしましょうか振り切りますか?」
彼らの動きは速くない、俺達が移動速度を上げればついてこれないだろう。
表情が無いとはいえ、転びながらも必死な様子でついて来る彼らを置き去りにするのも心苦しくて、結局俺たちは10匹ほどのピティック族を書庫まで連れ帰ってしまった。
「別に書庫の中に入らないのなら問題ありませんよ。
それに彼らは自然界にとって有益な存在です。濁ったマナを食べることで浄化してくれています。」
なるほど彼らの存在にはそんな意味もあるのか、エクレールの説明を聞いて彼らのおかしな生態にも納得できた。
書庫の近くにある岩場に、ピティック達を案内してやる。
ここなら大きな魔物はこないし、安心して岩を食べられるだろう。
たまに様子を見に行くと、俺を見かけるとトコトコと寄って来るので少しだけマナを放出してやる。
するととても喜んで、俺の周りを転がったり踊ったりするので見ていて飽きない。
こうしてピティック族は、書庫の近くに住み着くことになったのだ。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!
ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。
なのに突然のパーティークビ宣言!!
確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。
補助魔法師だ。
俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。
足手まといだから今日でパーティーはクビ??
そんな理由認められない!!!
俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな??
分かってるのか?
俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!!
ファンタジー初心者です。
温かい目で見てください(*'▽'*)
一万文字以下の短編の予定です!
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
スキルガチャで異世界を冒険しよう
つちねこ
ファンタジー
異世界に召喚されて手に入れたスキルは「ガチャ」だった。
それはガチャガチャを回すことで様々な魔道具やスキルが入手できる優れものスキル。
しかしながら、お城で披露した際にただのポーション精製スキルと勘違いされてしまう。
お偉いさん方による検討の結果、監視の目はつくもののあっさりと追放されてしまう事態に……。
そんな世知辛い異世界でのスタートからもめげることなく頑張る主人公ニール(銭形にぎる)。
少しずつ信頼できる仲間や知り合いが増え、何とか生活の基盤を作れるようになっていく。そんなニールにスキル「ガチャ」は少しづつ奇跡を起こしはじめる。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる