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転移完了
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女神に送り出されて、転送は文字通り一瞬で完了した。
恐る恐る目を開けると、周囲は高い木々に囲まれ、日の光が遮られて薄暗い。
どうやら森の中に転移させられたようだ。
それもかなり奥深い所みたいだ。
急いで町なり村なり、人のいる安全なところを探さないと。
ちなみに自業自得とはいえ、INTに極振りして、HPは10しかない。
そう思って辺りを見渡すと、
グルルルーー
藪の影から一頭の獣が、唸り声を上げて現れた。
姿かたちは猪そっくりだが、牙がかなり大きい。
大きさこそ普通の猪と変わらないが、その威圧感は半端ない。
なぜなら額の中心に3つ目の眼があって、それが俺を睨みつけているからだ。
あわわわ・・・
(異世界転移して、最初のエンカウントでゲームオーバーとかありえないだろ。
女神の奴、ランダムとか言っていたが、わざとか?わざとなのか?)
しかしながら今は、考えてみても始まらない。
俺は相手を刺激しないように、後ずさりながら少しづつ距離を取ると、一転、猛ダッシュで逃げ出した。
だか、いかんせんステータスが低いのだ。
AGI(敏捷性)も最小値なので、速くはない。
ちらりと後ろを見ると、
来てるーー、追って来てるよーー
魔物は猛スピードで追いかけてくる。
俺は森の中を必死で駆け続けた。
すると前方に大きな建造物が見えてきた。
俺は、何とかその建物の目も前までたどり着いた。
魔物は建物のそばまでやって来たが、それ以上は近づこうとせず、しばらくこちらを睨んでいたがやがてあきらめ元いた森の中に帰って行った。
どうやら助かったようだ。
九死に一生を得た俺は、あらためて建物をよく見ると、かなりの大きさだ。
それにこの形は・・・、そうピラミッドにそっくりじゃないか。
近づきすぎるとそうとは分からない程大きいが、均等な正三角形の造りであきらかに人工物と分かる。
ただピラミッドとは違い、表面はツルツル、岩ではなく金属でできているようだ。
女神はこの世界の文明は地球に比べて遅れていると言っていたが、これだけの建物を造れるならばそうそう捨てたもんじゃないのかもしれない。
ただ、このピラミッドは長く使われていないようで、建物全体が巨大な蔦でぎっしりと覆われている。
建物中央には、地球のピラミッドにはなかったはずの大きな扉があるが、その表面も蔦で完全に覆われてしまっている。
(こんな立派な建物を放置しておくなんて、何かあったのだろうか?)
なんとか中に入れないものかと、俺が入り口付近を、あれこれいじっくていると、
「うわっ!」
突然、扉の上部から赤いレーザーのようなものが照射されてゆくっりと俺の体を通過していった。
驚いたが、傷みはなく特に害はないようだ。
しばらくすると目の前の巨大な扉が音もなくゆっくりと開き始めた。
絡みついていた蔦を引き千切る音だけが、森に響きわたる。
「いらっしゃいませ。ようこそメイガス(魔導士)の大書庫へ。私はこの施設の案内役を務めておりますエクリールでございます。」
開いた扉の向こう側で口調こそ大人の女性だが、そこにはゴスロリ?風の黒い装束をまとった少女が微笑んでいた。
恐る恐る目を開けると、周囲は高い木々に囲まれ、日の光が遮られて薄暗い。
どうやら森の中に転移させられたようだ。
それもかなり奥深い所みたいだ。
急いで町なり村なり、人のいる安全なところを探さないと。
ちなみに自業自得とはいえ、INTに極振りして、HPは10しかない。
そう思って辺りを見渡すと、
グルルルーー
藪の影から一頭の獣が、唸り声を上げて現れた。
姿かたちは猪そっくりだが、牙がかなり大きい。
大きさこそ普通の猪と変わらないが、その威圧感は半端ない。
なぜなら額の中心に3つ目の眼があって、それが俺を睨みつけているからだ。
あわわわ・・・
(異世界転移して、最初のエンカウントでゲームオーバーとかありえないだろ。
女神の奴、ランダムとか言っていたが、わざとか?わざとなのか?)
しかしながら今は、考えてみても始まらない。
俺は相手を刺激しないように、後ずさりながら少しづつ距離を取ると、一転、猛ダッシュで逃げ出した。
だか、いかんせんステータスが低いのだ。
AGI(敏捷性)も最小値なので、速くはない。
ちらりと後ろを見ると、
来てるーー、追って来てるよーー
魔物は猛スピードで追いかけてくる。
俺は森の中を必死で駆け続けた。
すると前方に大きな建造物が見えてきた。
俺は、何とかその建物の目も前までたどり着いた。
魔物は建物のそばまでやって来たが、それ以上は近づこうとせず、しばらくこちらを睨んでいたがやがてあきらめ元いた森の中に帰って行った。
どうやら助かったようだ。
九死に一生を得た俺は、あらためて建物をよく見ると、かなりの大きさだ。
それにこの形は・・・、そうピラミッドにそっくりじゃないか。
近づきすぎるとそうとは分からない程大きいが、均等な正三角形の造りであきらかに人工物と分かる。
ただピラミッドとは違い、表面はツルツル、岩ではなく金属でできているようだ。
女神はこの世界の文明は地球に比べて遅れていると言っていたが、これだけの建物を造れるならばそうそう捨てたもんじゃないのかもしれない。
ただ、このピラミッドは長く使われていないようで、建物全体が巨大な蔦でぎっしりと覆われている。
建物中央には、地球のピラミッドにはなかったはずの大きな扉があるが、その表面も蔦で完全に覆われてしまっている。
(こんな立派な建物を放置しておくなんて、何かあったのだろうか?)
なんとか中に入れないものかと、俺が入り口付近を、あれこれいじっくていると、
「うわっ!」
突然、扉の上部から赤いレーザーのようなものが照射されてゆくっりと俺の体を通過していった。
驚いたが、傷みはなく特に害はないようだ。
しばらくすると目の前の巨大な扉が音もなくゆっくりと開き始めた。
絡みついていた蔦を引き千切る音だけが、森に響きわたる。
「いらっしゃいませ。ようこそメイガス(魔導士)の大書庫へ。私はこの施設の案内役を務めておりますエクリールでございます。」
開いた扉の向こう側で口調こそ大人の女性だが、そこにはゴスロリ?風の黒い装束をまとった少女が微笑んでいた。
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