私は問題軍師のその先を知っている

チヨカ

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4.道中、恥ずかしい

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道行く人は結花達ふたりをチラチラと見ては少し驚いた顔がちらほら見えて今の結花の状況では仕方ない。なぜ、お姫様抱っこして運ばれているのかはこっちが聞きたいぐらいだそのせいで驚きと恥ずかしさで顔が熱くむず痒い感覚に襲われて、頭痛がすっかり今は無くなっていた。
―···おっお姫様抱っこは一度は夢見たことはあるけれどこんな街中での羞恥プレイやめてっっっっ!―

結花は降ろして貰うために晋に声をかけた。

「···っっつ!あっ、あの晋さん!
私もう歩けますので降ろして下さい。」

「うん?駄目だな!」

―良い笑顔で、降ろしてくれないと言うか。
くっっ···イケメンめ!何をある言っても絵になる。でも私はこんな羞恥プレイを何時までも耐えられない!!―

恥ずかしさの余り晋が抱えてる中で着物が崩れるのもお構い無しにしてじたばたと体を動かしてこの体制に抵抗してしてみるが流石男の人だ、暴れても晋はものともせず結花の身体が落ちないようにしっかりと抱えてバランスが崩れることはなかった····。

「はぁっはぁっはぁっ····。晋さんお願いします。降ろしてください!!そうじゃないと私恥ずかし過ぎて死んじゃいそう·····!」

「ほぅそうか。それは困るな、助けたのに抱えてるのに死んじまうったぁ俺も勘弁して欲しいな。せめて気ぜぐらいなら構わないが?」

抱き抱えられているために晋の吐息が丁度耳元に吹きかけるためますます結花の体温が急上昇していく。男の人に慣れていない結花はどうしても早く降ろして貰いたく、また身体を捻り足もばたつかせて晋が体をぐらつかせた間に降りら····なかったっっ。

―悔しいっっ!―

そう簡単には降りれるはずなけく、どうやって降ろして貰うか結花は考え混んでいたら晋が耳元で囁いて来た。

「あんたなぁ、暴れるのは構わないがまた気分が悪くなるだけだぞ···。又暴れるなら様なら今より恥ずかしい思いをして大人しくしてもらっても構わんが?どうする。」
「えっ····? た···と例えば?」
「あぁ···そうだな、あんたならせっ接吻で大人しくなるか····っっ!」
「つっっっ·····!」

結花は顔を赤くして口を両手で塞いだ。接吻···キ、キスっっをするなんて言われてし待っては大人しくしておくしかないだろう。
ファーストキスもまだなのに会ったばかりの男とキスなんて溜まったものではない。大人しく運ばれる事にした結花はちらりっと下から晋を見上げてみるとほんのり晋の頬が赤くなっている。最初のおちゃらけた性格  の印象だったのだが  案外女の人に対しては初みたいで可愛く思えた。
「···っっ。晋さん女の人に慣れていらっしゃると思っていましたがそうでも無いんですか?」
「まぁ、俺は男前だからな女に困ったことはないが····ってそうじゃなく、あんたみたいな浮いな反応されることがないからなぁ」
「照れだったんですね。晋さんは見た目に似合わず可愛いですね。」
「ふんっっ、ほっとけ···。」

それから結花は降ろしてもらうことを諦めて、晋の腕の中で段々と話すようになりながら道を幾許か歩いてくと大きい木製の門が見てえきた。まだ若干離れているせいで門に掲げてある木札の板にぼやけて見えるがしっかりと「島原」と掘られてある。
島原と言うと江戸時代の遊女達がいる色街だ。
門に行くにつれて色目いた女の人がちらほらいるから確信は無いがあの門の向こう側は遊郭なんだろう···。そんな事を考えていると嫌な考えが過ぎってる。

―····私もあの中に入るのっっ。―

知らない場所心細かった所に優しくされ油断し男にほだされてしまっていたのだ、そう思うと心が段々と沈んできた。
沈みだした思いと共に目も閉じていた。
哀しげな結花とは裏腹に晋は「大丈夫か?もうすぐ着くぞ!」と変わらず言ってきた。
島原に売られると思い込んでしまっている結花にとって晋の一言一言に哀しみが増して行っていた。吉原とほんの僅かの所で右に方向転換して吉原との境目の細い脇道を通っていった。
脇道を抜けると小さいけれど割りときちんとしている神社にたどり着いてた。
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