私は問題軍師のその先を知っている

チヨカ

文字の大きさ
上 下
1 / 19

1.時との繋がり

しおりを挟む
柔らかな陽がさし少し冷たい風が桜を散らす道を結花は歩いていた。
今日は休日でもあって淡いピンクのワンピースにカーディガンを羽織って背中まである黒髪がゆらりとそのかに暖かい春の陽気を肌では感じているのに今は、頭が真っ白で景色が色あせて感じてしまう。
そのはずだ。私は、さっきまで居た病院の一室で母の主治医に言われた言葉が繰り返し流れている。

「言い難いですが、今のままでは身体が手術ができません。持って1年と半年です。」

そのせいか今は自覚するくらい体から血の気が引き寒い。
呆然とただ歩いていた。
何も考えず歩いていると、前から幼なじみの男が話しかけてきているが今は声が聞こえない。
心配しているのは顔を見ればわかるが結花はそんな幼なじみを無視して宛もなく歩いてい行った。
どれくらいの距離を歩いたか分からないが脚が疲れてきていた。周りを見渡すと懐かしさを感じる景色だった。結花が歩いていたのはお母さんと小さい頃に良く歩いていた道なのだから。
思い出を思い出しながら歩いてると少し小さい神社が見えてきた。いつもなら気にもならないで素通りするけれど今は神頼みでもしていないと不安でしょうがない。
神社のを潜り社に近づくに連れて声が掠れ気味に「・・・っっけて」と聞こえて来る。
少し気にはなる。お参りをして心落ち着けたい。鈴をカラカラとならしてお参りの方法として覚えた二拝をして二拍手を長めにお母さんの病気が良くなるように祈っているとまた声が聞こえてきた。今度はハッキリ
「「----の病気を治してください!」」

声が重なると身体の力が抜け倒れるようにバランスが左側に傾き倒れると思い咄嗟に目を瞑り衝撃を待った。
でも、一向に倒れた時の痛みがない。それどころか体が軽くなったのか、ふわりと浮いている様な浮遊感の感覚になる。だがそれは、ほんの一瞬のことで意識が薄れていく。

------

薄ら目お開けるとそこはさっきまでいた神社とは少し風陰気が違い少し困惑してた。あれ、こんなに林の中にまで来ていたのかのか?
周りを見渡しても神社の反対側の鳥居の道はコンクリートだったはずなのに石の数段の階段になっていた。
それにしてもさっきより身体が動きにくいような感じがして自身の服を確かめるため体を見てると、いつの間にか薄い桜色の着物を着ていた。

通りで動きにくいわけだわ。

―って私、襲われたの!?―
一瞬にして体にゾワゾワと鳥肌が立ち始め自分の体を守るように座り込み自問自答をしだした。

...触られた嫌な手の感触は無いし、襲ってから着物着せるなんてとても変わった奇行の変態さんなのかな。それは、さすがに居ないか。
一旦体には変化は服だけだと心を落ち着かせた。
今は、ここがどこなのか確かめないと行けないと思い。立ち上がって鳥居の間の道をゆっくりと歩いていく。
鳥居を不安になりつつ潜るとそこには時代劇のドラマでしか見た事のない、瓦の屋根でできた長屋に街ゆく人達は着物姿の刀をさした侍や着物で簪を刺し昔の結い方をしたな呼び込みしている女の人まさにドラマの世界に入り込んだ景色が並んでいた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

離婚した彼女は死ぬことにした

まとば 蒼
恋愛
2日に1回更新(希望)です。 ----------------- 事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。 もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。 今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、 「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」 返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。 それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。 神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。 大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。 ----------------- とあるコンテストに応募するためにひっそり書いていた作品ですが、最近ダレてきたので公開してみることにしました。 まだまだ荒くて調整が必要な話ですが、どんなに些細な内容でも反応を頂けると大変励みになります。 書きながら色々修正していくので、読み返したら若干展開が変わってたりするかもしれません。 作風が好みじゃない場合は回れ右をして自衛をお願いいたします。

愛する貴方の心から消えた私は…

矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。 周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。  …彼は絶対に生きている。 そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。 だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。 「すまない、君を愛せない」 そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。 *設定はゆるいです。

蔑ろにされた王妃と見限られた国王

奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています 国王陛下には愛する女性がいた。 彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。 私は、そんな陛下と結婚した。 国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。 でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。 そしてもう一つ。 私も陛下も知らないことがあった。 彼女のことを。彼女の正体を。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

冤罪から逃れるために全てを捨てた。

四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)

婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが

マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって? まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ? ※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。 ※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。

【完結】愛も信頼も壊れて消えた

miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」 王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。 無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。 だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。 婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。 私は彼の事が好きだった。 優しい人だと思っていた。 だけど───。 彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。 ※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。

処理中です...