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Chapter.6 真実
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「……終」
未亜の呼び掛けに、私は坊ちゃまの日記帳から顔を上げて、彼女の方へと視線を移しました。
未亜は何故だか悲しそうな表情をしています。その理由を質そうとしますが、それより先に彼女が口を開きました。
「お前も、本当はもう……わかってるんだろう?」
……何がでございましょう?
私が首を捻ると、未亜は突然行動を起こしました。いきなり背を向けて……彼女の背後の、坊ちゃまの部屋の扉を開いたのです。
終は、慌てました。
「未亜!」
そんな事をなさったら、坊ちゃまが驚いてしまいます!
けれど、私の制止には構わず、未亜は室内へと歩を進めていきます。終も彼女を追いました。
未亜は、迷わず坊ちゃまの眠る机の方へと歩いて行きます。
坊ちゃまは〝あの日〟以来、ベッドよりもデスクでお休みになることを好んでおられるのです。
……ああ、ほら、坊ちゃまが起きてしまいました。何事かとこちらに目を瞠ってらっしゃいます。終が、慌てて謝罪致します。
「申し訳ございません、坊ちゃま! 未亜に悪気は無いのです!」
そう、おそらく悪気は無いのです。だから、未亜を怒らないで下さい。
……しかし、彼女は全く坊ちゃまに悪びれる様子もなく私に話し掛けました。
「終、よく見ろ」
そして、次にこんな事を言ったのです。
「坊ちゃまは、もう……死んでるよ」
未亜の呼び掛けに、私は坊ちゃまの日記帳から顔を上げて、彼女の方へと視線を移しました。
未亜は何故だか悲しそうな表情をしています。その理由を質そうとしますが、それより先に彼女が口を開きました。
「お前も、本当はもう……わかってるんだろう?」
……何がでございましょう?
私が首を捻ると、未亜は突然行動を起こしました。いきなり背を向けて……彼女の背後の、坊ちゃまの部屋の扉を開いたのです。
終は、慌てました。
「未亜!」
そんな事をなさったら、坊ちゃまが驚いてしまいます!
けれど、私の制止には構わず、未亜は室内へと歩を進めていきます。終も彼女を追いました。
未亜は、迷わず坊ちゃまの眠る机の方へと歩いて行きます。
坊ちゃまは〝あの日〟以来、ベッドよりもデスクでお休みになることを好んでおられるのです。
……ああ、ほら、坊ちゃまが起きてしまいました。何事かとこちらに目を瞠ってらっしゃいます。終が、慌てて謝罪致します。
「申し訳ございません、坊ちゃま! 未亜に悪気は無いのです!」
そう、おそらく悪気は無いのです。だから、未亜を怒らないで下さい。
……しかし、彼女は全く坊ちゃまに悪びれる様子もなく私に話し掛けました。
「終、よく見ろ」
そして、次にこんな事を言ったのです。
「坊ちゃまは、もう……死んでるよ」
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