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第3章 廃校舎で隠れんぼ
第14話 もう一人の漂流者?
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校門同様、正面玄関は開いたままだった。入ってすぐ、ずらり並んだ下駄箱に迎えられ、まりあがハッと口元を押える。
「あ、上履きないや」
「いいよ、このまま行こう」
答えてお手本を示すように、シフォンが先んじて床に上がる。まりあも後に続くも、何だか気後れした。
「土足で校舎を歩くって、変な感じ」
「まりあチャンは真面目だネェ」
キーンコーンカーンコーン……全員が廊下に足を踏み入れるのを見計らったようなタイミングで、突如電子の鐘の音が響いた。
「わっ、びっくりした」
「『深夜に鳴り響くチャイム』だネェ。鳴るだけで害は無いから、気にしないでいいヨォ」
文字通り飛び上がったまりあに対して、クラウンは慣れているのだろう、淡々と告げた。
「怪異遭遇頻度、高くない? あと何があるの?」シフォンが訊ねる。
「えっとネェ、『トイレの花子さん』、『足を掴まれるプール』、『ひとりでに跳ねる体育館のボール』、『理科室の動く人体模型』、『目を離す度に近付いてくる美術室の彫像』、『カーテンに人影が映る保健室のベッド』、それから……」
「待って、七個超えてない? 七不思議じゃないの?」
クラウンの返答内容に、まりあがギョッとしてツッコんだ。
「色んなヒトの知ってる七不思議が集合してるカラ、七個では収まらないヨォ」
「何その要らないサービス精神」
聞かなければ良かった。まりあは心底うんざりした。
その時、シフォンが何かに気が付いて叫んだ。
「あっ! まりあ、あれ!」
「え? ……あ!」
廊下の先にキラキラと一際輝く白い光の塊が見えた。発生源は小学生くらいの子供。曲がり角から顔を覗かせてこちらを窺っていたが、目が合うと弾かれたように引っ込んでしまった。
「待って!」
まりあは反射的に追いかけた。今の子が探していた子に違いない。
(本当に、わたしと同じ光だった)
この世界では珍しい、生命の光。
「逃げないで! 力になりたいの!」
しかし光る子供は立ち止まることなく、背を向けたまま階段を駆け上がっていく。後ろ姿を見るにショートカットの女の子のようだ。先程一瞬だけ顔が見えたが、少し引っかかる。
(どこかで、見たような気がする……)
そんな既視感。それが何処かは、やはり思い出せないけれど。
女の子は二階に到達すると廊下を進み、端から三番目の教室の中へと駆け込んだ。数秒遅れてまりあ達も開いた扉の内へと雪崩込んだが、不思議なことにそこには誰の姿も無い。
「えっ?」
「確かに、ここに来たよね?」
訝しげに顔を見合わせた後、各々自然とある方向へ目を向けた。入室した時から、それは強い存在感を放っていた。廊下側、一番前。忽然と消えた少女の代わりとでも言うかのように、一セットだけ明らかに光り輝く机と椅子があった。
クラウンが首を傾げる。
「まりあチャンの生命の光に見えるネェ」
「さっきの子のって可能性もあるけど」
「とりあえず触って確かめようよ、まりあ」
シフォンの提案に、まりあは硬直した。
(これに触れたら、また新しい記憶が戻るかもしれない)
躊躇いが生じる。やっぱり、怖い。
「まりあ?」
グズグズしていると、シフォンに呼び掛けられた。問うような眼差しが刺さる。
「……何でもない。ちょっと、緊張しちゃって」
努めて笑みを浮かべて見せて、まりあは覚悟を決めた。ゆっくりと、光る机の元へと歩み寄る。寸前で立ち止まり、強張った指先をそっと天板に乗せた。
白い光が増幅する。周囲の景色が全て飲み込まれて、新たに生成されていく。強烈な光の収まった後には、まりあは明るい教室の中、机に着席していた。
(あ、これ……わたしの記憶だ)
まりあは悟った。三年三組の教室、廊下側、一番前。ここが、自分に宛てがわれた席だった。黒板に張り出された座席表。新学期の始業前。浮き足立った児童達のお喋りで教室内は騒がしい。
その内の話し声が、耳に届いた。
「天城さんじゃん」
「知ってる? あの子のお母さん」
ドキリとした。天城 真現実。それがまりあのフルネームだった。
(わたしの話……)
教室の後方にクラスの女子達が数人集まって会話していた。内緒話をするようなポーズでいて、声を潜める気配がない。敢えてまりあ当人に聞かせているのだ。その証拠に、彼女達は頻りにまりあの様子をチラチラと窺っていた。
「去年同じクラスだったんだけど、ちょっとしたことですぐ学校に乗り込んでくるの」
「あー、何か聞いたことある。文化祭の劇で、何でうちの子を主役にしないんだ~って怒ったとか」
「一年の時からそうだったらしいよ。工作でケガしたら、学校のせいだ~とか」
「てんけー的な〝モンペ〟じゃん」
「モンペってなに?」
「学校やせんせーに何でも文句言う親のこと、そう言うらしいよ」
「まさにそれじゃん」
「あの子のお母さん、頭おかしいよね。見た目も派手だし」
「何か怖いよね」
カッと顔から火が出た。唇を引き結び、俯く。
恥ずかしい。悔しい。
(わたしだって、そういうのはやめてって何度もママに言ったもん)
だけど、母親はかえってまりあを叱った。お前がそんなんだから、舐められるんだと。
(わたしが悪いの?)
ああ、もう嫌だ。過去のまりあと現在のまりあの心がシンクロする。
ほら、やっぱりこんなんだ。こんな記憶なら、取り戻さない方が良かった。
(もう、これ以上やめて)
まりあが机の下で震える拳を握りしめた時、不意に横合いから声を掛けられた。
「そのスカート、かわいいね」
顔を上げる。ショートカットで質素な服装の、線の細い女の子が居た。目が合うと、柔らかく笑みかけてくる。
「真っ白で、ひらひらしてて、座るとまん丸で。お姫様みたい」
あまりにも邪気の無い笑顔に、まりあは呆気に取られた。
「あ、ありがとう……これ、ママの手作りで」
「えっ!? すごい!!」
そうだった。この頃、母親が趣味でまりあの服をいくつか仕立ててくれていたのだ。どれもそんなに凝ったデザインではない、至ってシンプルなものだったけれど、まりあはとても気に入っていた。
女の子は言う。
「愛されてるんだね。いいお母さんだね」
――いいお母さんだね。
その言葉は、まりあの心を打った。じんと胸が熱くなる。唇を噛み締めて、泣き出しそうになるのを必死に堪えた。
そんなまりあの気持ちを察してか、女の子は返事を待たずに名乗った。
「わたし、福留 満。天城 さんだよね。……まりあちゃんって、呼んでもいいかな?」
そこで、世界が暗転した。
記憶の追体験が終わり、まりあは元の通り暗闇の教室内で光を失った机の前に立ち尽くしていた。
シフォンとクラウンが息を詰めて見守っている。未だ夢見心地な気分で、まりあがぽつりと零した。
「みちるちゃんだ」
「へ?」
「あの女の子……みちるちゃんだ」
まりあの大切な、唯一人のお友達。それがどうして、こんな所に居るのだろう。
シフォンが確認してきた。
「まりあ、何か思い出したの? 机の光は、まりあの記憶の方だったんだね?」
「うん、そう……それで、さっきの女の子が誰か分かったよ」
「なんだって!?」
まりあは簡潔に福留 満のことを説明した。勿論、母親の話など、余計なことは除いてだ。
「ほェー、まりあチャンのお友達だったんだネェ」クラウンが気の抜けた声を漏らした。
「うん。今まで忘れちゃってたけど、一番の親友だったんだ。だけど、どうしてあの子までここに来てるんだろう」
それにどうして、まりあから逃げるのか。
ピエロマスクの頬を掻きながら、クラウンが唸る。
「一緒に迷い込んだケド途中ではぐれて、向こうもまりあチャンのこと忘れちゃってるトカ?」
「そうなのかな……」
シフォンは何某か思うところがあるのか、何も言わずに思案顔をしていた。
遠くからピアノの音色が微かに耳を衝いたのは、その時だった。
「あ、上履きないや」
「いいよ、このまま行こう」
答えてお手本を示すように、シフォンが先んじて床に上がる。まりあも後に続くも、何だか気後れした。
「土足で校舎を歩くって、変な感じ」
「まりあチャンは真面目だネェ」
キーンコーンカーンコーン……全員が廊下に足を踏み入れるのを見計らったようなタイミングで、突如電子の鐘の音が響いた。
「わっ、びっくりした」
「『深夜に鳴り響くチャイム』だネェ。鳴るだけで害は無いから、気にしないでいいヨォ」
文字通り飛び上がったまりあに対して、クラウンは慣れているのだろう、淡々と告げた。
「怪異遭遇頻度、高くない? あと何があるの?」シフォンが訊ねる。
「えっとネェ、『トイレの花子さん』、『足を掴まれるプール』、『ひとりでに跳ねる体育館のボール』、『理科室の動く人体模型』、『目を離す度に近付いてくる美術室の彫像』、『カーテンに人影が映る保健室のベッド』、それから……」
「待って、七個超えてない? 七不思議じゃないの?」
クラウンの返答内容に、まりあがギョッとしてツッコんだ。
「色んなヒトの知ってる七不思議が集合してるカラ、七個では収まらないヨォ」
「何その要らないサービス精神」
聞かなければ良かった。まりあは心底うんざりした。
その時、シフォンが何かに気が付いて叫んだ。
「あっ! まりあ、あれ!」
「え? ……あ!」
廊下の先にキラキラと一際輝く白い光の塊が見えた。発生源は小学生くらいの子供。曲がり角から顔を覗かせてこちらを窺っていたが、目が合うと弾かれたように引っ込んでしまった。
「待って!」
まりあは反射的に追いかけた。今の子が探していた子に違いない。
(本当に、わたしと同じ光だった)
この世界では珍しい、生命の光。
「逃げないで! 力になりたいの!」
しかし光る子供は立ち止まることなく、背を向けたまま階段を駆け上がっていく。後ろ姿を見るにショートカットの女の子のようだ。先程一瞬だけ顔が見えたが、少し引っかかる。
(どこかで、見たような気がする……)
そんな既視感。それが何処かは、やはり思い出せないけれど。
女の子は二階に到達すると廊下を進み、端から三番目の教室の中へと駆け込んだ。数秒遅れてまりあ達も開いた扉の内へと雪崩込んだが、不思議なことにそこには誰の姿も無い。
「えっ?」
「確かに、ここに来たよね?」
訝しげに顔を見合わせた後、各々自然とある方向へ目を向けた。入室した時から、それは強い存在感を放っていた。廊下側、一番前。忽然と消えた少女の代わりとでも言うかのように、一セットだけ明らかに光り輝く机と椅子があった。
クラウンが首を傾げる。
「まりあチャンの生命の光に見えるネェ」
「さっきの子のって可能性もあるけど」
「とりあえず触って確かめようよ、まりあ」
シフォンの提案に、まりあは硬直した。
(これに触れたら、また新しい記憶が戻るかもしれない)
躊躇いが生じる。やっぱり、怖い。
「まりあ?」
グズグズしていると、シフォンに呼び掛けられた。問うような眼差しが刺さる。
「……何でもない。ちょっと、緊張しちゃって」
努めて笑みを浮かべて見せて、まりあは覚悟を決めた。ゆっくりと、光る机の元へと歩み寄る。寸前で立ち止まり、強張った指先をそっと天板に乗せた。
白い光が増幅する。周囲の景色が全て飲み込まれて、新たに生成されていく。強烈な光の収まった後には、まりあは明るい教室の中、机に着席していた。
(あ、これ……わたしの記憶だ)
まりあは悟った。三年三組の教室、廊下側、一番前。ここが、自分に宛てがわれた席だった。黒板に張り出された座席表。新学期の始業前。浮き足立った児童達のお喋りで教室内は騒がしい。
その内の話し声が、耳に届いた。
「天城さんじゃん」
「知ってる? あの子のお母さん」
ドキリとした。天城 真現実。それがまりあのフルネームだった。
(わたしの話……)
教室の後方にクラスの女子達が数人集まって会話していた。内緒話をするようなポーズでいて、声を潜める気配がない。敢えてまりあ当人に聞かせているのだ。その証拠に、彼女達は頻りにまりあの様子をチラチラと窺っていた。
「去年同じクラスだったんだけど、ちょっとしたことですぐ学校に乗り込んでくるの」
「あー、何か聞いたことある。文化祭の劇で、何でうちの子を主役にしないんだ~って怒ったとか」
「一年の時からそうだったらしいよ。工作でケガしたら、学校のせいだ~とか」
「てんけー的な〝モンペ〟じゃん」
「モンペってなに?」
「学校やせんせーに何でも文句言う親のこと、そう言うらしいよ」
「まさにそれじゃん」
「あの子のお母さん、頭おかしいよね。見た目も派手だし」
「何か怖いよね」
カッと顔から火が出た。唇を引き結び、俯く。
恥ずかしい。悔しい。
(わたしだって、そういうのはやめてって何度もママに言ったもん)
だけど、母親はかえってまりあを叱った。お前がそんなんだから、舐められるんだと。
(わたしが悪いの?)
ああ、もう嫌だ。過去のまりあと現在のまりあの心がシンクロする。
ほら、やっぱりこんなんだ。こんな記憶なら、取り戻さない方が良かった。
(もう、これ以上やめて)
まりあが机の下で震える拳を握りしめた時、不意に横合いから声を掛けられた。
「そのスカート、かわいいね」
顔を上げる。ショートカットで質素な服装の、線の細い女の子が居た。目が合うと、柔らかく笑みかけてくる。
「真っ白で、ひらひらしてて、座るとまん丸で。お姫様みたい」
あまりにも邪気の無い笑顔に、まりあは呆気に取られた。
「あ、ありがとう……これ、ママの手作りで」
「えっ!? すごい!!」
そうだった。この頃、母親が趣味でまりあの服をいくつか仕立ててくれていたのだ。どれもそんなに凝ったデザインではない、至ってシンプルなものだったけれど、まりあはとても気に入っていた。
女の子は言う。
「愛されてるんだね。いいお母さんだね」
――いいお母さんだね。
その言葉は、まりあの心を打った。じんと胸が熱くなる。唇を噛み締めて、泣き出しそうになるのを必死に堪えた。
そんなまりあの気持ちを察してか、女の子は返事を待たずに名乗った。
「わたし、福留 満。天城 さんだよね。……まりあちゃんって、呼んでもいいかな?」
そこで、世界が暗転した。
記憶の追体験が終わり、まりあは元の通り暗闇の教室内で光を失った机の前に立ち尽くしていた。
シフォンとクラウンが息を詰めて見守っている。未だ夢見心地な気分で、まりあがぽつりと零した。
「みちるちゃんだ」
「へ?」
「あの女の子……みちるちゃんだ」
まりあの大切な、唯一人のお友達。それがどうして、こんな所に居るのだろう。
シフォンが確認してきた。
「まりあ、何か思い出したの? 机の光は、まりあの記憶の方だったんだね?」
「うん、そう……それで、さっきの女の子が誰か分かったよ」
「なんだって!?」
まりあは簡潔に福留 満のことを説明した。勿論、母親の話など、余計なことは除いてだ。
「ほェー、まりあチャンのお友達だったんだネェ」クラウンが気の抜けた声を漏らした。
「うん。今まで忘れちゃってたけど、一番の親友だったんだ。だけど、どうしてあの子までここに来てるんだろう」
それにどうして、まりあから逃げるのか。
ピエロマスクの頬を掻きながら、クラウンが唸る。
「一緒に迷い込んだケド途中ではぐれて、向こうもまりあチャンのこと忘れちゃってるトカ?」
「そうなのかな……」
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