神様の泉で愛を誓い合った幼なじみの2人が同時に異世界召喚と異世界転生された事でとてもややこしい事になっている

PuChi

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♀極大消滅呪文

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「極大消滅呪文・・・ですか?」
「ああ!超オタクの俺がなんで気づかなかったんだ!」
アハハハハハ!
一希の異様な笑い声に皆唖然となった。
オタクとは一体何なんでしょうか・・・?

「一希さん今"ある"と言いましたけどその魔法は"実在する"と言う意味でしょうか?」
私は湧き出る好奇心を抑え平静を装いながら尋ねた。

「ああ、ある!実在する魔法だ」
「私は禁呪も含めて余程の固有魔法以外はほぼ全ての魔法を知ってるつもりなのですが"メドローア"なんて魔法は聞いたことありません」
「そうだろうな。俺の世界にあるある大魔導士が得意とする大魔法だからな」

「異世界の大魔法とは・・・」
さすがに魔王も驚いたようだ。

「その極大消滅呪文と言うのは私にも使えるんでしょうか?」

一希は首を傾げながら答えた。
「う~ん・・・それはミューは次第かな」
「と言うと」
「この魔法の原理はとても簡単なんだよ。ただ、魔力のバランスが恐ろしく難しい」
「具体的にはどうすれば良いんですか?」
すると一希は少し後ろへ下がった。

「ミュー右手で炎の魔法を出して固定できるか?」
ミューは右手を突き出し魔法を唱える
"レイシェント・ノヴァ"
まるで手の中に小型の太陽があるようだ。
「それ、威力ありすぎくないか?」
「極大消滅呪文と言うくらいですから最高クラスの炎の魔法を用意しました。町の1つくらい軽く吹き飛ぶと思います」
「それはやりすぎだ・・・失敗したら全滅するぞ」
「アハハハハハ、そこまで考えませんでした」

"インフェルノ"
「まさに燃え盛る炎。さっきのに比べたらランクの落ちる魔法なのは分かるがそれでもかなりの魔法だな。ならその状態で左手に氷の魔法を同じように固定できるか?」

カルヴァーニュは突然大きな声を出した。
「イヤイヤイヤ、魔法を同時に出すと言うだけでもありえないのに、それを対極にある属性の魔法を出せなんて無理にも程があると言うもの!」

確かに、ふたつの魔法式を同時に使うと言うのは思っているよりかなり難しいけど、師匠に魔力合成の法を学んだおかげで何とかなりそうかな・・・。

目を瞑り、左手のみに意識を集中し氷の魔力を集める。
・・・・・・ダイヤモンドダスト

「おお!これはまた・・・。私との戦いで見せた絶対零度を超える氷魔法にも驚いたが、それと同じぐらいの驚きだ。震えが止まりませんな!」 
カルヴァーニュは一人ハイテンションだ。  

「さすがハイエルフの長だな。できると思っていたよ」
「で、これをどうすれば良いのです?」
制御がむつかしいんだろう、ミューもかなり辛そうだ。

「目の前で合体させる。そして融合したら弓矢を放つように片方を後ろに引き、ターゲットに向かって発射する」

「が、、合体ですか・・・」
「一希どのそれは無理というもの。相対する属性の魔法だと合体どころか相殺されて終いですぞ」
カルヴァーニュも一希が言っていることに理解できない様子だ。

「そこは発想の転換だよ。一見、相対する属性の魔法に思えるが全く同じ共通点があるんだ」
「共通点・・・。燃やす、凍らす・・・熱い、冷たい・・・一体どこに共通点が・・・」
「・・・ふむ。共通点・・・ですか・・・」

!!!!

「わかった!温度!どちらも温度をコントロールしていると言うところですね」
「お見事!相対属性と言っても、結局のところ温度をプラスにするかマイナスにするかだけのものなんだよ」
「なるほど、相対するようで同質のものと言うわけですな」

「や、やって見ます」
「両方の魔力を同等にするんだ!」

ミューはゆっくりと両手を近ずけ魔法を融合する。
「うくっっ・・・ック・・・」
ミューの左手が氷始めた。
「ミューは、氷の魔法が得意なんだろ、同じ魔力量にしても氷が勝つんだ、それを計算してコントロールするんだ」
「は、はいっ・・・」
バシュッ!
「右手の魔力を強めた瞬間魔法は弾け飛んだ」

ハァハァハァハァ・・・
「なんで・・・」

「炎の魔力を上げすぎたんだよ」
「もう一度やってみます」
「ああ、頼むぞ」

両手に魔力を集中する。
「ハ!」

「すごい集中力だ・・・」
はぁぁぁぁ・・・

!!!
「今だ!」

その掛け声と共に両手の魔力を融合させる。
その手の中には虹色に輝く光の魔力が出来上がっていた。
「片方の手を思いっきり引っ張って、一気に放て!」

「うぉぉぉぉりゃゃぁあぁ!!」

シュン・・・

そのとてつもない光の塊は触れるもの全て、音さえも消し去りながら遥か彼方へと消えていった。
「こ、これが極大消滅呪文メドローア・・・・・・」
ミューはあまりの威力に言葉を失っていた。
「コォォォォ・・・」
カルヴァーニュもその凄さを言葉で表現出来ず唸っていた。

「こ、この魔法って防ぐことはできるのですか?」
「そうだな・・・"防御する"と言うのは無理だろうな。触れるだけで全てを消し去る魔法なんだから」
「"防御"以外での対処法はあるんですね?」
「そうだな。さすがと言うか勘が鋭いと言うのか・・・。うっすら気づいてるんじゃないのか?」
ミューは軽く首を縦に振った。
「恐らくですが、メドローアに対抗できるのはメドローアのみ・・・じゃないですか?」
「ズバリその通り、半分は正解だ」
!?
ミューは驚いた
「半分ということはもう一つ防ぐ方法があると?」
「ああ」

"リフレクション"
そう言い放ったのはジェロールだった。
「つまり"魔法反射"じゃないでしょうか?」
「イエス。その通り。この魔法は魔力で自然現象を起こす属性魔法とは違い、100%魔力のみで生成された魔力魔法なので"魔法反射"で跳ね返すことが出来てしまう。と言ってもこの世界ではメドローア自体未知の魔法なのでいきなり魔法反射で合わせてくる事は考えにくいと思う・・・多分」

「確かに"ヤバイ"と感じる存在感ではありますのでいきなりリフレクションで防ごうとはならないでしょう。1歩間違えば直撃の大惨事ですからね」

コホン・・・
「メドローア・・・確かに凄まじい魔法だが何もこの城を吹き飛ばす必要は無いのではないか?」
魔王はボソッと呟いた。

「「うっ・・・」」
一希とミューは固まった。

「ともあれその様な魔法を持ちながら先の戦いで見せなんだのはどう言う腹づもりか?」
一希はたじろいている。
「この魔法は俺では到底使えない代物で・・・知っているからと言って使えるものでもなく・・・実際使ったのはミューですし・・・」
・・・・・・。
「まぁ良い。これでベルゾディアを倒す手立てはできたわけだな」
「・・・当てるこ事が出来ればですけどね・・・。当たりさえすれば100%倒せるでしょう」

━━━━━━━。
その後も話は続いたが今の話を超えるほどの案は出なかった。

魔王が席をたった。
「このまま話を続けたところでこれ以上の進展はないだろう。あとは個々が強くなればより有利になる。メドローア作戦を確実にするために各々鍛錬すると言ったところか」

「そういえば決戦の日はいつなんだよ?」
待ち遠しくてたまらないと言うような趣で問いかけたのは、やはりというのかザルババだった。

「出来れば半年は開けて欲しい」
「その半年と言うのにはなにか根拠があるのでょうか?」
特に不満がある風ではないがそう問い返したのはジェロールだった。
「私も半年後という期間の理由がきいてみたいですな」
皆不満がある訳では無いがその根拠が気になるようだ。

「"最強の武器"です」
そう答えたのはレーティアだった。

「最強の剣・・・それは勇者の剣ではないのか?それならお前が持っているじゃないか」

カチャッ・・・
私は腰に携えていた剣を外し目の前に出す。
「確かにこれは剣としては最強の剣だと思いますが、あくまで先代の勇者のために作られた剣であって、一希のために作られたものでは無い。"魂がこもってない剣はただ切れ味の良い剣でしかない"とモルドフさんは言ってました」

「確かにそうかもしれん。古より"真の名剣は使い手を選ぶ"などと言うしな。それが完成するのが半年後という訳か」

!!!
「モ、モ、モルドフとは伝説とも言われるあの幻のエルダードワーフの生き残りですか!?」
ジェロールはとつぜん裏返った声で叫んだ。

『エルダードワーフだと!?』
魔王もつられてでかい声で叫ぶように言った。

「エルダードワーフってなんなんです?」
一希は自然に尋ねた。

「彼らが作った武具は全て"伝説"と名を打つ物ばかりだ。世界で並ぶことの無いドワーフの中のドワーフ、世界最高の鍛冶師の一族だ。もう滅んだと聞いていたがまだ生き残りがいたか」

エルダードワーフって魔族にとって特別なんだろうか?
私には全く分からない。

「お父様、エルダードワーフと魔族はなにか関係があるのですか?」
「そうかお前は知らないのか。関係と言っても特別な関係があるわけではない。ただ神の如し奇跡の鍛冶技術を持つドワーフと言うだけの事なんだがな・・・」
 関係ないと言いながらもどこか怒りをふつふつとさせている感がある。

「・・・ただ、奴らは魔族のために武器を作らなかった。それだけだ」

「我ら魔族は人間からの侵略に対抗する為の力としてエルダードワーフに伝説級の武器を求めた。しかし奴らは我らのために武器を作ってくれず、それどころか人間どもに肩入れし勇者の剣を作った。一説によるとエルダードワーフ達は魔界を支配しょうとしていたなどと言う話もあるくらいです。魔界には奴らにとって貴重な鉱石や金属などが豊富ですしね・・・」
ジェロールは淡々と話す。

「我々魔族は人間にもドワーフにも何ら恨みを買うような行いはしていないと言うのになぜ魔族と言うだけで爪弾きにされるのか・・・」
魔王の右手は震えるような力で拳を握っていた。

「・・・人間の俺が言うのもおかしな話ですが、エルダードワーフが魔族に力を貸さなかったのは人間たちに何らかの悪い入れ知恵でもされたんじゃないでしょうか?人間たちが魔族に対して行った行動を考えたら、勝つために周りを利用すると言うことはありえない話ではないと思います」

「確かにそう考えれば我らに手を貸さなかった事の説明がいきますな。それに魔族に良い感情を持たないのはエルダーだけでなくドワーフ族全てがそうですしな」
カルヴァーニュは頷きながら言った。

「確かに。ドワーフ内部での分裂を塞ぐ為の情報操作と言ったところか・・・。姑息なクソ人間ども・・・どこまで魔族を苦しめるのか・・・」

魔族、人間、ドワーフがそんな関係にあったなんて・・・。
エルフとドワーフの仲が悪いのもなにか関係しているのかな?
でも、今の私たちはそんな蟠りは一切ない。
むしろお互いを必要としている仲間だ。
この窮地は過去の過ちを精算するために乗り越えないと行けない試練なんだ。
そう思うと私の中で熱く燃えたぎる想いが込み上げてき、私は自分の意思に関係なく自然と言葉を発していた。


「お父様、その怒りの矛先を向ける相手を間違えてはなりません!」
魔王は娘のその言葉にハッと我を取り戻す。
「そうだな。過去は過去。やつさえ倒せば変わるものもあるだろう・・・。いまのお前たちを見ればそんな風に思えてくるわ」

詳しいことは分からないけどお父様のあの辛そうな姿を見れば魔族がどんな扱いを受けてきたのか容易に想像できる。
1度は人間に生まれ変わった私が変えないと!
その為には何としてもベルゾディアを倒さないと・・・。

「レーティア・・・親子揃ってなんて顔してんだよ」
私はハッと我に返る

「あ、いえ、少し思うこともあって・・・こう、何としてもベルゾディアを倒さないとと・・・」
・・・・・・
「ああ、そうだな!」
気を使ってくれたのかそれ以上のことは何も聞かれなかった。
「兎にも角にも奴を倒さなければその先もない。四の五の言わず倒すことだけに全力を注ぎ込むだけさ!レーティアもそれで良いんじゃないのかな?」

ププッ・・・
思わず笑いごこぼれた。

「そうだね。先のこと考えても今の壁を乗り越えなければ向こうには行けないもんね」
自然と笑みがこぼれた。

「そうそう!それでこそレーティアだよ!」
 その様子を魔王も見ていたようで、さっきまでの重苦しい雰囲気が薄れていた。
「あとは決戦の日に向けて各自修行ってとこだな」

「本日はこれで解散とする。各自決戦のその日まで精進を怠らないように。それとなにか秘策が思い浮かんだものは都度申し出て欲しい」
魔王がそうしめくくった。
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