変態紳士 白嘉のオリジナルの詞

『現実なんて見なくていい』

みんなが僕の歌を聴いてくれてる
みんなが僕のステージに夢中になってる
みんなが僕の唄ってる姿を見て笑顔になってる
好きな人も僕の歌声を聴き入っている

そんな事を妄想しながら
家で大きな声で好きなアーティストの歌を唄い
歌が大好きだった高校生のころ
僕は本気で売れる歌手になれると思ってた

真面目で大人しくて地味で
存在感のなかった高校生のころ
人前で歌を唄う事もなかった高校生のころ
同級生の前で歌を唄った事もなかった
誰が歌手の夢を持ってる事を知ってただろうか

親の会社を継ぐ事が決まっていた僕は
就職活動もせずに　地元にずっといると思われてた
だけど僕は歌手になる事を考えていた

僕は自分のことを　特別な人間だと思っていた
僕は自分の歌声が　特別な歌声だと思っていた
僕は自分で歌が上手い方だと思っていた
僕は人よりも個性が強いと思っていた
だから僕は本気で　売れる歌手になれると思っていた

僕は勘違いをしていた
勘違いをしたから　歌手の夢を持つ事ができた
僕は自分の事を過信していた
過信をしていたから　歌手の夢を追う事ができた

夢を追う時　勘違いしてるくらいがちょうどいい
夢を追う時　過信してるくらいがちょうどいい
夢を追う時　現実なんて見なくていい

現実を考えるようになってから　僕は中途半端になった
現実を考えるようになってから　僕はどこへ向かいたいのか
それが分からなくなった

現実を見る事が正しいように言われるけど
現実を見てしまうと　歩みを止めてしまう
夢中になって突っ走ってた方がよかった
信じきって　突き抜けた方がよかった

どうせ勘違いするなら　死ぬまで勘違いしてた方がいい
どうせ過信するなら　死ぬまで過信してた方がいい
死ぬまで人生が続くなら　死ぬまでそれを貫いてた方がいい