3 / 9
スピード違反
しおりを挟む
第三話「スピード違反」
今日は、いい天気だ。こんな日には、スペーリと散歩に行くに限る。
「スペーリ、ちと散歩にでも行くか」
すると、スペーリは嬉しそうに尻尾を振った。
「おーよしよし」喜ぶスペーリとじゃれあっていると、電話が鳴った。
「はい、もしもし」
『おはようございます、健斗さん』帳からだ
「おはようございます。いや~いい天気ですねえ」
『ええ、ホントに。』
「どうです?世間話でもしますか?」
基本、帳から連絡があった場合何かの怨霊事件を担当させられることになる。
しかし、今日はスペーリと散歩したい!
なんとかして、誤魔化してやろう。
『そうですねえ、最近はホントに物騒な事件が多いですねえ。嫌になっちゃいます。』
「全く。その通り。」
『最近は特に交通事故が多発してますよね。特に、東京湾アクアラインとかで。』
「へえ~そうなんですね!」
『はい全くもってそうなんですよ。毎日のように事故が起こっているらしいんですよね。』
ん?待てよ?何か変だ!!
「もしかして、怨霊の仕業だとか?」
『はい、その通りです。』
は~、まあそうだろうな。うん、分かってた。組織で活動している以上、面倒ごとは必ず振りかかってくるものだ。俺が学生のころもそうだった。掃除当番とか、運動会とか、文化祭とか…。
「それで、今度はどんな依頼なんですか?」
仕方がない、こうなった以上は仕事を全うしなくては。
『先ほども申した通り、アクアラインでの交通事故についてです···。』
『今回は、結構危ない仕事になると思います。暴走車です。』
「···は?暴走車?」俺は耳を疑った。
『はい、次々に猛スピードで高速道路をかっ飛ばす輩が現れるようになりまして、そのせいで事故が多発しているのです。』
「それって、ただのイカれた野郎の暴走事故じゃないの?それは、除霊師より警察じゃないですか···頼るの。」
『事故は毎日のように起きています。』
「だから、そういうのは警察に・・・」なんとか言い訳しようとするが、電話の相手はこちら構わず話し続けた。
『しかも、運転手はいません』
「え!」
こりゃ、言い逃れは出来なさそうだ。
『はい、事故を起こした車には毎回、運転手がいません』
「それって、どうやって事故を起こすんだよ」
『もうお分かりでしょうに···。怨霊ですよ。』
「はいはい。お分かりでしたよ。」
『はい、今回の任務は暴走車の除霊でございます』
「分かった。場所は?」
『サービスエリアに集合願います。車は我々が手配いたします。』
「了解」
スペーリを見ると、散歩に行く気満々にしっぽを振り回していた。仕方がない···。
スペーリも連れていくことにした。
アパートの駐車場には、既に帳の車が止まっていた。
スペーリを車に詰め込み、ドアを閉じる。
「・・・行くか!」車は発進した!
数時間ほど車に揺られ、目的地へと到着した。
「あ、スペーリ。ついたぞ」スペーリは窓から顔を出し嬉しそうに尻尾を振る。
「ここのサービスエリアは初めてだなあ」
しかし、ずいぶん空いているな。俺のイメージだと、もっと賑わっているはずなのだが···。
「いつもは、にぎやかなんだろうが···。暴走車が毎日発生してるんじゃ、無理もないか。」
などと独りごちていると、後ろから声をかけられた。
「おや?そこのお兄さん」警察官だ。
「ちょ!俺は怪しいもんじゃ···」
「もしかして、旅行者かい?実は最近、妙な事件が多くてね···。ちょっといくつか質問してもいいかな」
「俺は除霊師です!」
「え~、除霊師···?まあ、とにかく···」警察官が言いかけたとき、近くで、けたたましいエンジン音が鳴った。
「何だ!?」警察官は急いで音のするほうへ向かう。
きっと、怨霊だ。
「スペーリ!俺らも行くぞ!」
向かった先では、駐車場で爆走する車両があった。いかにもな高級車だ。
「マジか」
「ここは、危ない!すぐに離れて···」言いながら、警察官が車の進行方向を見ると、警察官の顔が青ざめいった。俺も見ると···、子供だ! 車はどんどん子供の方に向かっていく。
「危ないぞ!!」警察官が駆け寄るが、到底、間に合いそうにない。
俺が行くしかない。
「スペーリをお願いします。こいつすぐ迷子になるので。」
「え?は?何??」
霊媒師の身体能力は、トップアスリートのそれは遥かに越える。協会から支給される霊具が、能力を底上げしてくれるのだ。
思いっきり地面を踏み込むと、風が髪をまくり上げた。
なんとか車を追い抜く。子供はまだ無事だ。
「よし」暴走車の前に出て、ナイフを抜き
「おらよ」暴走車のタイヤを一切り。
暴走車はキュイイイイインと、叫び声を上げながら、右へと進路を変え、最終的に建物の壁に激突した。
「大丈夫か?」子供は目をパチパチさせている。
「何が起きたの?」どうやら、状況を理解していないらしい。遅れて、警察官が走って来た。スペーリも一緒だ。
「君!大丈夫か!」子供は訳も分からずに頷いた。警察官はほっとした表情を浮かべる。
「そうか・・・」
事情聴取を受けていると、どこからか叫び声が聞こえた。
「ちくしょーー!!、お気に入りの車だったのによ!!」みると、壁に激突した暴走車のボンネットが開き、中から六本足の小さな生物が顔を覗かせている。間違いなくこいつが暴走車の元凶、怨霊だ。
「お前が、車を操っていたのか?」声に気づいた怨霊は、血走った目でこちらを睨む。
「それがどうした!!気に食わねえなら殺って見ろよ!!ノロマが!」わかった。俺はナイフを振った。しかし、怨霊はその小さな体を使い軽々と回避する。「そんなもんか!!」怨霊は俺に体当たりした。
「がはぁ!」
重い!小さな体に似つかわない衝撃が身体中を駆け巡る。
「ハッハハ~!ノロマめ!」
そういうと、赤色の怨霊は去っていった。あいつ、速い!
「ま···待て~い!」
「誰が待つかよ、バーカ!!俺はまだスピードを出したりねーんだ!!もっと!もっと速く!!速く!!!!」
「この!!」俺はナイフを投げたが、怨霊は近くにあったマンホールに逃げ込んでしまった。
「くそ!!」
画像生成にAIを用いております
「すみません」近くの電話ボックスで帳と連絡を取る『そうですか、まぁ無事なだけでもよかったです。それで、怨霊はどうなりましたか?』
「はい、マンホールに逃げました」
しばしの沈黙………。
『そうですか・・・では一旦本部に戻りますか?』
「・・・いいえまだ。このまま放置すればまた誰かが事故に遭いますから。」
『なるほど』少しの間が空く。何かを考えているようだった。しばらくして、帳の人は口を開いた。
『分かりました、今回は最後まで除霊をお願いします』
「はい」俺は通話を終えた。
「さて、これからどうしようか?スペーリ?」
健斗がスペーリに言うとスペーリは「ワン!」と吠えた。そして、仕方なく帳が予約を入れてくれたホテルまで向かう。
「はぁ・・・明後日の夜には家に帰りたい」
ため息をするように呟く。
「くぅーん···」スペーリもそう答えてくれた。ホテルに着きチェックインを済ませ部屋に入る。
「さて、どうあいつを見つけ出すか···」とりあえず···俺はスマホを取り出した。
「何か、あいつが関する情報はないかな?」
これまでに起きたアクアラインの事故について、調べてみることにした。
「やはり、あいつが運転するのはどれも速えー車ばかり。どれもばか高い高級車か・・・俺も乗ってみたいな。」貯金千円の俺には、少しばかり遠い夢だ。
しばらく画面と格闘したが、大した情報は得られなかった。
「仕方ない、今日は寝よう」
俺はベッドへと入った。
同時刻、とあるカーディーラーにて窓ガラスから車をのぞく影があった。あの怨霊だ。
「どれもこれも、いい車ばっかりだぁ」
パキ、パキパキ
窓ガラスにヒビが入る。
「へへ、誰もいねーな。さてと、スピードが出そうな車はっと」
怨霊は辺りを物色する。そして、一台の車に目をつけた。
「へ~、この車結構速そうだな。よしこいつにするか」怨霊の目が、暗闇に赤く輝いている。
「なるほど、一番速えーのは···これだな。」怨霊が車へ近づくと、隣に設置されている雑誌が目に入った。『世界で一番のスピードを持つ《ロス・ソーロウン・スーパースポーツ》がT都の美術館で遂におひろめ!!』
「おいおい、なんて美人さんだ。」怨霊がほくそ笑んだ。
・・・つづく・・・
今日は、いい天気だ。こんな日には、スペーリと散歩に行くに限る。
「スペーリ、ちと散歩にでも行くか」
すると、スペーリは嬉しそうに尻尾を振った。
「おーよしよし」喜ぶスペーリとじゃれあっていると、電話が鳴った。
「はい、もしもし」
『おはようございます、健斗さん』帳からだ
「おはようございます。いや~いい天気ですねえ」
『ええ、ホントに。』
「どうです?世間話でもしますか?」
基本、帳から連絡があった場合何かの怨霊事件を担当させられることになる。
しかし、今日はスペーリと散歩したい!
なんとかして、誤魔化してやろう。
『そうですねえ、最近はホントに物騒な事件が多いですねえ。嫌になっちゃいます。』
「全く。その通り。」
『最近は特に交通事故が多発してますよね。特に、東京湾アクアラインとかで。』
「へえ~そうなんですね!」
『はい全くもってそうなんですよ。毎日のように事故が起こっているらしいんですよね。』
ん?待てよ?何か変だ!!
「もしかして、怨霊の仕業だとか?」
『はい、その通りです。』
は~、まあそうだろうな。うん、分かってた。組織で活動している以上、面倒ごとは必ず振りかかってくるものだ。俺が学生のころもそうだった。掃除当番とか、運動会とか、文化祭とか…。
「それで、今度はどんな依頼なんですか?」
仕方がない、こうなった以上は仕事を全うしなくては。
『先ほども申した通り、アクアラインでの交通事故についてです···。』
『今回は、結構危ない仕事になると思います。暴走車です。』
「···は?暴走車?」俺は耳を疑った。
『はい、次々に猛スピードで高速道路をかっ飛ばす輩が現れるようになりまして、そのせいで事故が多発しているのです。』
「それって、ただのイカれた野郎の暴走事故じゃないの?それは、除霊師より警察じゃないですか···頼るの。」
『事故は毎日のように起きています。』
「だから、そういうのは警察に・・・」なんとか言い訳しようとするが、電話の相手はこちら構わず話し続けた。
『しかも、運転手はいません』
「え!」
こりゃ、言い逃れは出来なさそうだ。
『はい、事故を起こした車には毎回、運転手がいません』
「それって、どうやって事故を起こすんだよ」
『もうお分かりでしょうに···。怨霊ですよ。』
「はいはい。お分かりでしたよ。」
『はい、今回の任務は暴走車の除霊でございます』
「分かった。場所は?」
『サービスエリアに集合願います。車は我々が手配いたします。』
「了解」
スペーリを見ると、散歩に行く気満々にしっぽを振り回していた。仕方がない···。
スペーリも連れていくことにした。
アパートの駐車場には、既に帳の車が止まっていた。
スペーリを車に詰め込み、ドアを閉じる。
「・・・行くか!」車は発進した!
数時間ほど車に揺られ、目的地へと到着した。
「あ、スペーリ。ついたぞ」スペーリは窓から顔を出し嬉しそうに尻尾を振る。
「ここのサービスエリアは初めてだなあ」
しかし、ずいぶん空いているな。俺のイメージだと、もっと賑わっているはずなのだが···。
「いつもは、にぎやかなんだろうが···。暴走車が毎日発生してるんじゃ、無理もないか。」
などと独りごちていると、後ろから声をかけられた。
「おや?そこのお兄さん」警察官だ。
「ちょ!俺は怪しいもんじゃ···」
「もしかして、旅行者かい?実は最近、妙な事件が多くてね···。ちょっといくつか質問してもいいかな」
「俺は除霊師です!」
「え~、除霊師···?まあ、とにかく···」警察官が言いかけたとき、近くで、けたたましいエンジン音が鳴った。
「何だ!?」警察官は急いで音のするほうへ向かう。
きっと、怨霊だ。
「スペーリ!俺らも行くぞ!」
向かった先では、駐車場で爆走する車両があった。いかにもな高級車だ。
「マジか」
「ここは、危ない!すぐに離れて···」言いながら、警察官が車の進行方向を見ると、警察官の顔が青ざめいった。俺も見ると···、子供だ! 車はどんどん子供の方に向かっていく。
「危ないぞ!!」警察官が駆け寄るが、到底、間に合いそうにない。
俺が行くしかない。
「スペーリをお願いします。こいつすぐ迷子になるので。」
「え?は?何??」
霊媒師の身体能力は、トップアスリートのそれは遥かに越える。協会から支給される霊具が、能力を底上げしてくれるのだ。
思いっきり地面を踏み込むと、風が髪をまくり上げた。
なんとか車を追い抜く。子供はまだ無事だ。
「よし」暴走車の前に出て、ナイフを抜き
「おらよ」暴走車のタイヤを一切り。
暴走車はキュイイイイインと、叫び声を上げながら、右へと進路を変え、最終的に建物の壁に激突した。
「大丈夫か?」子供は目をパチパチさせている。
「何が起きたの?」どうやら、状況を理解していないらしい。遅れて、警察官が走って来た。スペーリも一緒だ。
「君!大丈夫か!」子供は訳も分からずに頷いた。警察官はほっとした表情を浮かべる。
「そうか・・・」
事情聴取を受けていると、どこからか叫び声が聞こえた。
「ちくしょーー!!、お気に入りの車だったのによ!!」みると、壁に激突した暴走車のボンネットが開き、中から六本足の小さな生物が顔を覗かせている。間違いなくこいつが暴走車の元凶、怨霊だ。
「お前が、車を操っていたのか?」声に気づいた怨霊は、血走った目でこちらを睨む。
「それがどうした!!気に食わねえなら殺って見ろよ!!ノロマが!」わかった。俺はナイフを振った。しかし、怨霊はその小さな体を使い軽々と回避する。「そんなもんか!!」怨霊は俺に体当たりした。
「がはぁ!」
重い!小さな体に似つかわない衝撃が身体中を駆け巡る。
「ハッハハ~!ノロマめ!」
そういうと、赤色の怨霊は去っていった。あいつ、速い!
「ま···待て~い!」
「誰が待つかよ、バーカ!!俺はまだスピードを出したりねーんだ!!もっと!もっと速く!!速く!!!!」
「この!!」俺はナイフを投げたが、怨霊は近くにあったマンホールに逃げ込んでしまった。
「くそ!!」
画像生成にAIを用いております
「すみません」近くの電話ボックスで帳と連絡を取る『そうですか、まぁ無事なだけでもよかったです。それで、怨霊はどうなりましたか?』
「はい、マンホールに逃げました」
しばしの沈黙………。
『そうですか・・・では一旦本部に戻りますか?』
「・・・いいえまだ。このまま放置すればまた誰かが事故に遭いますから。」
『なるほど』少しの間が空く。何かを考えているようだった。しばらくして、帳の人は口を開いた。
『分かりました、今回は最後まで除霊をお願いします』
「はい」俺は通話を終えた。
「さて、これからどうしようか?スペーリ?」
健斗がスペーリに言うとスペーリは「ワン!」と吠えた。そして、仕方なく帳が予約を入れてくれたホテルまで向かう。
「はぁ・・・明後日の夜には家に帰りたい」
ため息をするように呟く。
「くぅーん···」スペーリもそう答えてくれた。ホテルに着きチェックインを済ませ部屋に入る。
「さて、どうあいつを見つけ出すか···」とりあえず···俺はスマホを取り出した。
「何か、あいつが関する情報はないかな?」
これまでに起きたアクアラインの事故について、調べてみることにした。
「やはり、あいつが運転するのはどれも速えー車ばかり。どれもばか高い高級車か・・・俺も乗ってみたいな。」貯金千円の俺には、少しばかり遠い夢だ。
しばらく画面と格闘したが、大した情報は得られなかった。
「仕方ない、今日は寝よう」
俺はベッドへと入った。
同時刻、とあるカーディーラーにて窓ガラスから車をのぞく影があった。あの怨霊だ。
「どれもこれも、いい車ばっかりだぁ」
パキ、パキパキ
窓ガラスにヒビが入る。
「へへ、誰もいねーな。さてと、スピードが出そうな車はっと」
怨霊は辺りを物色する。そして、一台の車に目をつけた。
「へ~、この車結構速そうだな。よしこいつにするか」怨霊の目が、暗闇に赤く輝いている。
「なるほど、一番速えーのは···これだな。」怨霊が車へ近づくと、隣に設置されている雑誌が目に入った。『世界で一番のスピードを持つ《ロス・ソーロウン・スーパースポーツ》がT都の美術館で遂におひろめ!!』
「おいおい、なんて美人さんだ。」怨霊がほくそ笑んだ。
・・・つづく・・・
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる