【蒼き月の輪舞】 モブにいきなりモテ期がきました。そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!

黒木  鳴

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へ?と間抜けな声と共に視界が反転。

背中と頭はふかふかのベッドと枕が優しく受け止めてくれたから痛くはないんだけど……わけがわからずにぱちぱちと瞬きする間にレイヴァンのドアップが真上にあった。

「レイヴァン??」

「なにか?」

あまりにも冷静に返され、あれ?驚いてる俺が可笑しい?って一瞬惑わされそうになった。
だけど俺の体を足で挟んで馬乗り状態のレイヴァンに首元のボタンをひとつ外され……。

いやいや!この状況どう考えても可笑しいからっ!!

と我に返った。

「え?なに?待って……ねぇなんか怒ってる?」

「怒ってません」

「嘘だ。絶対に怒ってるでしょ?」

「…………」

俺はレイヴァンの手を止めようとし、彼はその手を躱しの攻防。

口を横一文字に結んだレイヴァンは確実に怒っていた。
もしくは拗ねている。

そのことを指摘すれば一度目は平坦な声での否定、二度目は無言で唇を噛みしめる。
それと同時に彼の動きが止まったことで、いまがチャンス!とばかりに「どうしたの?」「なにか気に障った?」と落ち着かせるべく柔らかく声をかけた。

焦っちゃダメ、焦っちゃダメだ。

心の中の動揺を押し隠しつつ落ち着いたトーンで対応。
気分は立てこもり犯を説得する敏腕公証人。

犯人を刺激せず、無事に人質を解放するんだ!

じっと下から見つめれば、躊躇いながらも唇がゆるりと開かれ、揺れる瞳が俺を捉えた。

「……誰か他の人に……こんな痕を、つけたことは?」

「な、ないよ!?」

ちょっぴり声がひっくり返った。

そんな俺を宝石のような蒼い瞳がじぃぃぃっと見つめてくる。
微妙に視線を逸らしたくなるのを必死に堪えた。

今世ではないから嘘ではない!
決して嘘ではないし、ここは絶対に瞳を逸らしてはいけない場面……。

「本当ですか?」

「もちろん」

「じゃあ……なんで首とか胸とかがつけやすいって知ってるんです?」

「そっ……れは、別に実経験で試したことがあるわけじゃないし。世間一般的に多そうっていうだけだよ」

それであんな低い声だったのかと納得しつつ、引き続き犯人……じゃなかった、レイヴァンへと言葉を重ねる。

「君以外に私の痕を残したことなんてないし、他の誰かにそんな痕を刻まれたこともないよ。誓ってもいい」

そんな真摯な俺の言葉はどうやら通じたようで、美しい蒼い瞳から暗い影は晴れた。

いやぁ~良かった、めでたし、めでたし。

……って、なんでまたボタンを外そうとするんですかね、レイヴァンくん?!!

「レ、レイヴァン?!誤解は解けたんだよね?」

「はい、

「その含みのある言い方はなに?!」

「誤解は解けたけど目的は変わりませんし」

はいぃ?!!

そうこうする内に2つ目のボタンがプチリ。

必死にレイヴァンを止めようとするも……いかんせん力負けしている現状だ。
普段からレイヴァンのこと可愛い、可愛いって言ってるけど、レイヴァンは別段小柄なわけでもひ弱なわけでもない。そんでもって俺は現在、魔力中毒の影響で怠さ持続中。

結果……レイヴァンを止めるどころか逆に抵抗する俺の肩が押さえられている現状です。

「待って、レイヴァン!」

「いやです」

「いやっ?!!」

もはやボタンは3つ目が外され、4つ目に突入中。
だいぶ胸元が涼しい感じで全開までもうちょっと。

「お願いだからちょっと待って!一回、落ち着こう?!ね?」

ベッドに押し倒された状態で焦った声をあげるのだった。

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