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98 (※)リーゼロッテ
しおりを挟むお邪魔虫なのは承知のうえでランチに割り込んだ私たちですが……そこで出たシエル様の名前に別荘でのことが頭を過ってしまったのです。
ラファエル様にだけ別人仕様のレイヴァン様と違い、ラファエル様は普段から優しくてどこか甘やかなお方です。
とても大人っぽいし、基本的に誰にでも優しくて親切でらっしゃる。
それでもレイヴァン様には特別甘やかな雰囲気で接してらっしゃる気がしておりましたが……シエル様にもそうでした。
雷にシエル様が怯えた時だってそう。
ごく自然にシエル様の頭をご自分の胸に引き寄せたときは吃驚して声をあげそうになったほどです。
ラファエル様に二心があるとは思っておりません。
誠実な紳士なのは存じておりますし、シエル様に対する態度だって幼い子を相手にするようにそこに下心などは微塵も感じさせない自然な振る舞いでしたから。
それでもベッドやお風呂を一緒にするのは限度が過ぎるのでは?
その想いからラファエル様を呼び出し、意見をしたというのに…………。
「本当に、ほんっとうに申し訳ありませんっっ!!!」
幼い子を相手にするように、ではなく正真正銘シエル様は幼い子どもだった。
困ったような笑みで説明してくださったラファエル様の話を聞けば聞くほど、下世話な申し出をしてしまった自分が恥ずかしくて仕方がありません。
お客さまの前でシエルにばかり構っていた私も悪いので、そうラファエル様は仰ってくださいますけどラファエル様は欠片も悪くはありません。
そもそも使用人の方々が忙しかったのは私たちが急にお世話になることになったからですもの。
「それにリーゼロッテ様が仰ってくださってちょうど良かったですから」
「ふえ?」
「だって事情を知らないままではレイヴァンにも勘違いをされたままだったでしょう?説明をするいい機会です。そもそも彼のことを心配して下さったんですよね?素晴らしいご友人をもってレイヴァンたちも幸せですね」
「……ラファエル様」
失礼な物言いをした私に怒るどころか励ましてくださるお優しさに感動しました。
流石は最推しの殿方ですわ。
今後も推し続けます。
そしてラファエル様の仰る通り、レイヴァン様も勘違いしたままなのは由々しき事態です。
早急に誤解をとかなくては!
「ラインハルト様方も心配してますから戻りましょうか」
「ええ、早くレイヴァン様にご説明しなくては」
最後にもう一度謝罪して、ちらりとガラスへと目をやった。
「それと……カイル様にも一言申し上げなくては気がすみませんわ」
「お願いします」
据わった目をしたまま告げた私に小さく苦笑いしながらも「ご愁傷様」とでも言うようにガラス越しにカイル様へ視線を向けるラファエル様。
どうやらお優しいラファエル様にも庇って頂けないようですわよ?カイル様。
私は元より、レイヴァン様からも盛大に非難をされることでしょうね。
なにせレイヴァン様は愛しのラファエル様絡みでは感情豊かでらっしゃいますもの。
お覚悟なさって?
「ラファエル様。改めてお二人のお付き合いを心から祝福致しますわ」
歩きながら精一杯の笑みを浮かべてそう告げた。
これからも、末永くお二人を見守らせて頂きますわ!!
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