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第1章
第31話 実戦
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黙々と歩くケインさんに付いていくことしばし。ケインさんは草原の端っこ、森との境の辺りで足を止めた。
ジャイアントピーコックがいる盆地の方とは別方向なので、ちょっとホッとしている。あの絶景は見事だったが、あの鳥とは相対したくないからな…。
しかし、目の前には木々が鬱蒼と生い茂る深い森。俺たちのすぐ近くには、直径50cm~2mほどの大小の岩がゴロゴロ転がっている。こんな岩や木々に阻まれるなら、この森を進むのもかなり大変そうだ。
そんなことを考えていると、ケインさんがその中でも一際大きい直径2mほどの岩に近付いて、そっと手を当てる。
…………ザアアァァ
「「「「!!!!」」」」
「えええ!? なんすか、今の!」
「何? 何がおこったの?」
「ケインさん、すごいです!」
「砂になった!? 魔法?」
そう、ケインさんが手を当てて数秒間集中していたと思ったら、大岩が砂になったのだ。地魔法か合成魔法なんだろうが、分解したんだろうか? よくわからないが、ケインさんでも瞬時には発動できない高度な魔法のようだ。
先程の岩があった向こうからは細い獣道が現れた。岩はコレを隠すためにケインさんが置いたんだろうか。
「行くぞ」
「「「「はい!」」」」
ケインさんは特に説明してくれるつもりはないらしく、一声かけただけでさっさと歩いていく。コータやミーコは今の魔法一発で、ケインさんを見る目がキラキラになった。サーヤは先ほどの魔法について考えているのか、難しい顔をしている。
俺は歩き出す前に、近くに生えていた大きめの葉っぱをちぎり、先ほどまで岩だった砂を一掴みそれに包んで持ち帰ることにした。先ほどの魔法がどういうものか興味があるし、解らないままはちょっと悔しいからな。帰ってからゆっくり考えよう。
ケインさんを先頭にしばらく獣道を進むと、だんだんと木がまばらになり、やがて開けた場所に出た。草原から15分ほどは歩いただろうか。ケインさんのペースで歩いたので、山道といえど1.5kmくらい歩いたと思う。俺とサーヤは若干息切れしてしまった。
「ここで戦う。とりあえず、好きなようにやってみろ」
「えっ、好きなようにって…」
「いきなりですか!?」
「頑張るっす!」
ミーコとサーヤはちょっと戸惑っているようだが、コータはヤル気満々だな。まぁ実戦やるために来てるんだから、いきなりだろうが何だろうがやるしかない。ヤル気がないなら指導しない、とケインさんに降りられたら困るしな。
「よし、とにかく落ち着いてかかろう。俺が攻撃を防ぐから、その隙に攻撃してくれ」
皆を見回して声をかけると、戸惑っていたミーコやサーヤも覚悟を決めたのか、お互い顔を見合わせてコータも一緒に3人揃って一つ頷いた。
とそこでミーコが調子にのる。
「魔法打ってみてもいい?」
「やめておいた方がいいんじゃないかな? まだ魔法を含めた連係の練習とかやってないんだから」
「そうっすね。ぶっつけ本番は危ないっすよ」
「ああ、練習のように落ち着いてできるかもわからないだろう? ある程度戦闘に慣れてからじゃないとな」
「う~、そうだね、しょうがないか。そんじゃ、魔法ナシで、ガンバろっ!」
それぞれ武器を手に持って準備する。モンスターがどこから現れるかわからないので、全方向チェックできるように4人で固まって外側を向いて構えた。
臭いで釣るんだから、と一応俺が風下側に位置どった。
「ケインさん、お願いします!」
俺が声をかけると、ケインさんは例の魔法薬のコルク栓を抜き、地面に少しだけ垂らした。
「複数来たら、1匹残して他は俺が片付ける。その時は俺が合図するまで動くな」
「「「「はい!」」」」
しばらくすると、どんどん例の臭いがあたりに立ち込めていく。相変わらず臭いが、1分もすると幾分慣れてきた。
周囲の様子に変化はないが、ふと見るとケインさんが油断なく武器に手をかけている。
そろそろ来るか?
まだか?
どこから来る?
待っている時間は焦らされているようで、全く気が緩むことはなく、むしろジワジワと緊張感が高まってくる。
静まり返った森の中で、自分の心臓の音がドクンドクンと聞こえてくる気がした。
ガサッ! ガサガサガサッ!
「来るぞ! 3匹、風下だ」
ケインさんが短い言葉で伝えてくれる。まだ姿は見えないが、ケインさんには数まで判っているらしい。
その間にも木々をかき分ける音は近付き、ドタドタと足音も聞こえるようになってきた。
モンスターが来るまでに、こちらも態勢を整える。俺を先頭に、半歩下がった左右にコータとミーコ、右後方にサーヤという配置だ。
準備がバッチリ整ったところで、ちょうどモンスターの姿が見えた。
1mほどの高さの人型で、薄汚れたような暗い緑色の肌、大きすぎるギョロギョロとした目が印象的だ。いわゆるゴブリンというやつだろう。手には木の棒を持っている。
向こうからも俺たちの姿が確認できたようで「ゲギャ、ギャー」と、なんとも言えない気味の悪い声を出し、こちらを指差しながら近付いて来る。
「動くな」
俺たちにそう言いつつ、ケインさんは剣を抜いて数歩前に出た。
木がまばらになってきたせいか、敵を定めたせいか、ゴブリンも速度を上げて迫って来る。
開けた場所に入る直前に3方向にバラけ、一斉にケインさん目掛けて飛びかかるゴブリン。
ケインさんは落ち着いて腰を落として構え、向かって左のゴブリンと中央のゴブリンの胴をまとめて真っ二つに切り裂いた。そして右のゴブリンには、腹に軽く蹴りを入れて1mほど下がらせる。
下位のモンスターとは言え、たったの一振りで2匹を切り伏せてしまった。
ケインさんがあまりに圧倒的過ぎて、思わず見入ってしまう。
「出番だ」
ケインさんの言葉にハッと我に返ると、後ろに飛ばされたゴブリンが体勢を整えた所だった。仲間があっという間に倒されたというのに、恐怖心や悲しみといった感情はないのか、普通に向かってくるようだ。
俺との距離はおよそ3m。先程ケインさんに飛びかかったのが1.5mくらい手前だったので、そのくらいからがゴブリンの射程圏内だと心の準備をする。
警戒しているのか、先程のように勢いに任せて突っ込んで来ることはなく、慎重にジリジリと近付いてくる。
2.5m…2m…1.5m…、飛びかかってくる様子はない。
1.3m…1m…と、急にゴブリンがスッと屈んだ。
「来るよ!」
ミーコが声をかける。もちろんわかってるさ!
助走もない状態で飛びあがれば、身動きもできないまま的になるだけだ。なら、そのまま低い体勢で突っ込んでくるか?
そう考えて、ゴブリンの高さに合わせて低い位置に盾を構える。
するとゴブリンは、1歩踏み込んだかと思うと視界から消えた。
「!!」
しかし、次の瞬間には視界の端に暗い緑色が飛び込んでくる。俺の左側、コータのいる方だ。慌てて左に向き直り、そのまま盾ごとゴブリンに体当たりする。
カーン!ドゴッ!
「グゲャ」
ゴブリンは持っていた棒を振りかぶってコータ目掛けて振り下ろそうとしていたようだが、その攻撃が届く前に、コータの木刀がゴブリンの手を叩く。その衝撃で、ゴブリンが持っていた棒はあさっての方向へ飛んでいった。その直後に俺がサイドから盾で押し倒した形になったようだ。
俺はそのまま盾で腰から足にかけてを押さえ込んだ。ゴブリンはかなり手足をバタつかせているが、うつ伏せに近い姿勢で特に害はない。しっかり体重をかけて押さえつけ、ベルトで腰に固定していたナイフを取り出す。
しかし、いざ刺そうとしたところで手が止まってしまった。
地球では、虫や釣った魚くらいしか生き物の命を直接奪った経験はない。情けないが、モンスターとはいえ人型である生き物を殺すことに怯んでしまった。
「モンスターは、理由もなく人を襲う。今無抵抗だろうが、見逃すようなヤツはアリアでは生きていけん」
脳裏にホーンラビットと対峙していたマックスの姿が浮かぶ。そして、後ろや横で見守っているミーコたちのこと、フォンド村で出会ったノバラやアヤメさん…。
アリアで生きていく以上、避けては通れないことだ。
俺はようやく覚悟を決め、ゴブリンの背中側から胸を一刺しした。
ジャイアントピーコックがいる盆地の方とは別方向なので、ちょっとホッとしている。あの絶景は見事だったが、あの鳥とは相対したくないからな…。
しかし、目の前には木々が鬱蒼と生い茂る深い森。俺たちのすぐ近くには、直径50cm~2mほどの大小の岩がゴロゴロ転がっている。こんな岩や木々に阻まれるなら、この森を進むのもかなり大変そうだ。
そんなことを考えていると、ケインさんがその中でも一際大きい直径2mほどの岩に近付いて、そっと手を当てる。
…………ザアアァァ
「「「「!!!!」」」」
「えええ!? なんすか、今の!」
「何? 何がおこったの?」
「ケインさん、すごいです!」
「砂になった!? 魔法?」
そう、ケインさんが手を当てて数秒間集中していたと思ったら、大岩が砂になったのだ。地魔法か合成魔法なんだろうが、分解したんだろうか? よくわからないが、ケインさんでも瞬時には発動できない高度な魔法のようだ。
先程の岩があった向こうからは細い獣道が現れた。岩はコレを隠すためにケインさんが置いたんだろうか。
「行くぞ」
「「「「はい!」」」」
ケインさんは特に説明してくれるつもりはないらしく、一声かけただけでさっさと歩いていく。コータやミーコは今の魔法一発で、ケインさんを見る目がキラキラになった。サーヤは先ほどの魔法について考えているのか、難しい顔をしている。
俺は歩き出す前に、近くに生えていた大きめの葉っぱをちぎり、先ほどまで岩だった砂を一掴みそれに包んで持ち帰ることにした。先ほどの魔法がどういうものか興味があるし、解らないままはちょっと悔しいからな。帰ってからゆっくり考えよう。
ケインさんを先頭にしばらく獣道を進むと、だんだんと木がまばらになり、やがて開けた場所に出た。草原から15分ほどは歩いただろうか。ケインさんのペースで歩いたので、山道といえど1.5kmくらい歩いたと思う。俺とサーヤは若干息切れしてしまった。
「ここで戦う。とりあえず、好きなようにやってみろ」
「えっ、好きなようにって…」
「いきなりですか!?」
「頑張るっす!」
ミーコとサーヤはちょっと戸惑っているようだが、コータはヤル気満々だな。まぁ実戦やるために来てるんだから、いきなりだろうが何だろうがやるしかない。ヤル気がないなら指導しない、とケインさんに降りられたら困るしな。
「よし、とにかく落ち着いてかかろう。俺が攻撃を防ぐから、その隙に攻撃してくれ」
皆を見回して声をかけると、戸惑っていたミーコやサーヤも覚悟を決めたのか、お互い顔を見合わせてコータも一緒に3人揃って一つ頷いた。
とそこでミーコが調子にのる。
「魔法打ってみてもいい?」
「やめておいた方がいいんじゃないかな? まだ魔法を含めた連係の練習とかやってないんだから」
「そうっすね。ぶっつけ本番は危ないっすよ」
「ああ、練習のように落ち着いてできるかもわからないだろう? ある程度戦闘に慣れてからじゃないとな」
「う~、そうだね、しょうがないか。そんじゃ、魔法ナシで、ガンバろっ!」
それぞれ武器を手に持って準備する。モンスターがどこから現れるかわからないので、全方向チェックできるように4人で固まって外側を向いて構えた。
臭いで釣るんだから、と一応俺が風下側に位置どった。
「ケインさん、お願いします!」
俺が声をかけると、ケインさんは例の魔法薬のコルク栓を抜き、地面に少しだけ垂らした。
「複数来たら、1匹残して他は俺が片付ける。その時は俺が合図するまで動くな」
「「「「はい!」」」」
しばらくすると、どんどん例の臭いがあたりに立ち込めていく。相変わらず臭いが、1分もすると幾分慣れてきた。
周囲の様子に変化はないが、ふと見るとケインさんが油断なく武器に手をかけている。
そろそろ来るか?
まだか?
どこから来る?
待っている時間は焦らされているようで、全く気が緩むことはなく、むしろジワジワと緊張感が高まってくる。
静まり返った森の中で、自分の心臓の音がドクンドクンと聞こえてくる気がした。
ガサッ! ガサガサガサッ!
「来るぞ! 3匹、風下だ」
ケインさんが短い言葉で伝えてくれる。まだ姿は見えないが、ケインさんには数まで判っているらしい。
その間にも木々をかき分ける音は近付き、ドタドタと足音も聞こえるようになってきた。
モンスターが来るまでに、こちらも態勢を整える。俺を先頭に、半歩下がった左右にコータとミーコ、右後方にサーヤという配置だ。
準備がバッチリ整ったところで、ちょうどモンスターの姿が見えた。
1mほどの高さの人型で、薄汚れたような暗い緑色の肌、大きすぎるギョロギョロとした目が印象的だ。いわゆるゴブリンというやつだろう。手には木の棒を持っている。
向こうからも俺たちの姿が確認できたようで「ゲギャ、ギャー」と、なんとも言えない気味の悪い声を出し、こちらを指差しながら近付いて来る。
「動くな」
俺たちにそう言いつつ、ケインさんは剣を抜いて数歩前に出た。
木がまばらになってきたせいか、敵を定めたせいか、ゴブリンも速度を上げて迫って来る。
開けた場所に入る直前に3方向にバラけ、一斉にケインさん目掛けて飛びかかるゴブリン。
ケインさんは落ち着いて腰を落として構え、向かって左のゴブリンと中央のゴブリンの胴をまとめて真っ二つに切り裂いた。そして右のゴブリンには、腹に軽く蹴りを入れて1mほど下がらせる。
下位のモンスターとは言え、たったの一振りで2匹を切り伏せてしまった。
ケインさんがあまりに圧倒的過ぎて、思わず見入ってしまう。
「出番だ」
ケインさんの言葉にハッと我に返ると、後ろに飛ばされたゴブリンが体勢を整えた所だった。仲間があっという間に倒されたというのに、恐怖心や悲しみといった感情はないのか、普通に向かってくるようだ。
俺との距離はおよそ3m。先程ケインさんに飛びかかったのが1.5mくらい手前だったので、そのくらいからがゴブリンの射程圏内だと心の準備をする。
警戒しているのか、先程のように勢いに任せて突っ込んで来ることはなく、慎重にジリジリと近付いてくる。
2.5m…2m…1.5m…、飛びかかってくる様子はない。
1.3m…1m…と、急にゴブリンがスッと屈んだ。
「来るよ!」
ミーコが声をかける。もちろんわかってるさ!
助走もない状態で飛びあがれば、身動きもできないまま的になるだけだ。なら、そのまま低い体勢で突っ込んでくるか?
そう考えて、ゴブリンの高さに合わせて低い位置に盾を構える。
するとゴブリンは、1歩踏み込んだかと思うと視界から消えた。
「!!」
しかし、次の瞬間には視界の端に暗い緑色が飛び込んでくる。俺の左側、コータのいる方だ。慌てて左に向き直り、そのまま盾ごとゴブリンに体当たりする。
カーン!ドゴッ!
「グゲャ」
ゴブリンは持っていた棒を振りかぶってコータ目掛けて振り下ろそうとしていたようだが、その攻撃が届く前に、コータの木刀がゴブリンの手を叩く。その衝撃で、ゴブリンが持っていた棒はあさっての方向へ飛んでいった。その直後に俺がサイドから盾で押し倒した形になったようだ。
俺はそのまま盾で腰から足にかけてを押さえ込んだ。ゴブリンはかなり手足をバタつかせているが、うつ伏せに近い姿勢で特に害はない。しっかり体重をかけて押さえつけ、ベルトで腰に固定していたナイフを取り出す。
しかし、いざ刺そうとしたところで手が止まってしまった。
地球では、虫や釣った魚くらいしか生き物の命を直接奪った経験はない。情けないが、モンスターとはいえ人型である生き物を殺すことに怯んでしまった。
「モンスターは、理由もなく人を襲う。今無抵抗だろうが、見逃すようなヤツはアリアでは生きていけん」
脳裏にホーンラビットと対峙していたマックスの姿が浮かぶ。そして、後ろや横で見守っているミーコたちのこと、フォンド村で出会ったノバラやアヤメさん…。
アリアで生きていく以上、避けては通れないことだ。
俺はようやく覚悟を決め、ゴブリンの背中側から胸を一刺しした。
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誠に勝手ながら、こちらの作品は、2017年12月1日の投稿をもって無期限の休止にさせていただきます。次話からは2章に突入予定でおりますが、また書き溜めができれば再開するかと思います。気長にお待ちいただければ幸いです。ここまで読んでくださってありがとうございました。
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