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第1章
第27話 特訓
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一通りアヤメさんの講義を受けた後、彼女は宿の仕事のために帰っていった。ちなみに、エピスの雑貨屋を出てすぐに、とりあえず4泊分の料金を支払っている。
俺たちはとにかく特訓だ。俺とサーヤは体内の魔力の流れを感じられるよう、やり方をもう一度ノバラに確認してから始めた。もの凄く地味な特訓だ。もちろん早く魔法を使いたいし、レベルアップもしたいし、自分が適性のある属性も気になり、焦りが募っていく。
一方、ミーコとコータはノバラの指導のもとで魔法を打つ練習をするらしい。今の時点では発動までに時間がかかってしまうが、練習だからそこは問題ない。とにかく回数を重ねることで発動スピードも速くなるし、レベルアップのための経験値稼ぎもできるそうだ。
ノバラが使えるのは地魔法と風魔法と水魔法だ。ミーコは風魔法なので、先生としてはうってつけだろう。とりあえず最初は『エアカッター』を使えるように練習するそうだ。風の刃を飛ばして攻撃する魔法で、最初は皮膚が切れる程度のものしか使えないらしい。しかし、MPが増えれば的にしている直径40cmほどの木も、一撃でバッサリ切れるようになるとのことだ。そこまではノバラもまだできないそうだが…。
少しだけMPが回復したノバラが、お手本とばかりにMP2だけ使ってやって見せる。
『エアカッター』……シュッ!
ノバラが技名を言って1.5秒後くらいに丸太の表面に傷ができた。風の刃だけあって、傷ができるまで全く見えなかった。
「おおー、威力弱弱だけど、全然見えなかったっすね!」
「地味だと思ってたけど、見えない刃ってなかなかいいかも!」
「有用性は高そうだな」
「まぁ、魔力感知が得意なモンスターとかだと避けられますけどね」
なるほど、そういうのもいるのか。
それでも使いこなせるようになれば、威力やスピードを増すだけでなく、軌道を曲げたり同時にいくつも出したりと、なかなか汎用性の高い攻撃魔法だそうだ。
コータは火魔法なので、アヤメさんも言っていた『ファイヤーボール』から練習するそうだ。こちらはお手本なしだが、まぁファイヤーボールならイメージはできるよな。
2人とも最初はとにかくイメージトレーニングをしっかり行ってから、実際に打つらしい。最初は威力を上げるよりも回数優先なのでMP1で繰り返すそうだ。
村の中ならモンスターに襲われる心配はない。そのためMPを使いきっても構わないのだが、それで動けなくなっては時間がもったいない。少しMPを残しておいて回復を待つ間は戦闘訓練をするように言っておいた。
すると…
「あれ? ユウ兄は魔力の流れを感じる練習するんじゃないの? そんな油売ってていいの?」
うるさいな。気になるんだよ! 集中できないんだよ! ほっとけ!!
少し離れた場所に移動してそれぞれ特訓を始めるが、しばらくしてから技名を言う声や何かの音が聞こえてくるようになり、その度にどうしても気になってしまう。それは俺の近くで一緒に特訓中のサーヤも同じようだ。これは仕方ないよな。
コータもミーコも、やはり発動までの時間がかなりかかるようで、技名を叫んでから1分近くかかっているようだ。けれど、時間をかければちゃんと発動できているようで、「おおー」とか「やった!」とか聞こえてくる。
結局、俺もサーヤも全く自分のことに集中できないままに、ミーコとコータの両方が残りMP2になったということで戦闘訓練に移るタイミングで合流した。ちなみに、ミーコもコータも現在のMPは12だったはずなので、もうすでに10回魔法を打ったということか…。
MPは時間経過で勝手に回復していくそうだ。1時間で2~3割程度の回復スピードだが、個人差があるらしい。一気に回復する薬もあるそうだが、それなりのお金がかかるとのことだ。
回復が1時間に2割程度とすると、2時間で5くらい回復するということ。なので、とりあえずは魔法練習→2時間戦闘訓練(途中適度に休憩をはさむ)→魔法練習→戦闘訓練…というローテーションを設定した。
一応、準備運動として軽くストレッチと訓練場を5周ほどランニングしてから訓練に入る。当然のようにノバラも混ざって一緒に行った。
ランニングではノバラが一番早く、コータでも付いていくのがやっとという状態で、走り終えた後の息の乱れが全然違っていた。レベルアップの恩恵なんだろうな。陸上部のミーコも付いていけず、2人から半周以上は遅れていた。俺とサーヤは論外で、俺はミーコより更に半周以上、サーヤは俺より1周近く遅れていた。つまり、ノバラはサーヤに2周差をつけて尚且つまだ余裕がある感じだったわけだ。それでも、俺はここ数年の感覚からすると、思ったより早く走れた気がする。
「やっぱレベルの違いっすかね…」
「えへへ。私は今レベル14ですからね! でも、コータさんも早くてビックリしましたよ~。MPが少ないからレベルはそう高くないかと思いましたけど…」
「自分はレベル8っす。でもレベルの差があるとは言え女の子に負けるのは悔しいっすね!」
コータはそれほど悔しそうにでもなく、爽やか笑顔で言う。なんとなくノバラの顔が赤いのはランニングの後だからなのか、コータの笑顔にやられたからなのか…。
そうこうしている内にサーヤもゴールし、見守っていたミーコがすぐさま駆け寄っていく。
「サーヤ! すごいじゃん! 絶対速くなったよね!?」
ミーコが自分のことのように嬉しそうにはしゃぐ。
「はぁ、はぁ、うん、みんなに、比べたら、はぁ、はぁ、かなり遅い、けど、はぁ、速くなったと思う、よ!」
かなり息が上がっているが、サーヤも嬉しそうに返している。サーヤの運動能力がどれくらいなのかはよく知らなかったが、2人が言うんだから速くなってるんだろう。
「多分だけど、ホーンラビットを倒してからレベルが上がったんじゃないかなって思うんだ。そのおかげだと思うの」
息切れの治まったサーヤが考えを告げる。と、ノバラが反応した。
「確かに、実践が一番早くレベルが上がるし、レベルアップで身体能力もアップしますから、それはあるかもですね」
やっぱ実践が一番なのか。となると、俺が速くなった気がしたのもレベルアップの恩恵かもしれないな。
「でも、与えたダメージの多さや活躍度が経験値に反映されるハズなんですけど、サーヤさんがそんなにダメージを…?」
ノバラは素朴な疑問を口にしただけなのだが、俺たち3人は「あー、まぁ…」とか「そう、ねぇ…」とか曖昧に口を濁して視線を逸らすしかできなかった。あれは、できれば思い出したくない光景なのだ。
「あの時は無我夢中で攻撃しましたから…」
サーヤだけは若干照れたように、にこやかに話している。
「自分もホーンラビット戦の後から、体が軽いというか調子イイなって感じなんすよ! もしかして自分もレベルアップしたんすかね?」
いちはやく立ち直ったコータが言う。
「えー! あたしはいつも通りだよ~。サーヤもコータくんもズルイ!」
「俺も体が軽くなってるし、さっきも思ったより速く走れたぞ」
「えっ! マジ!? ユウ兄まで? じゃああたしだけアップしてないってこと!?」
「まぁそうなるな。お前大して活躍してなかったし」
「え~! そんなことないもん! そりゃあ、サーヤはユウ兄を助けたし、コータくん…はトドメさしたし、ユウ兄は…ユウ兄も攻撃全部受けてた…、けど、あたしだって頑張ったのにぃ~っ!!」
ミーコはだんだん小声になりながらも皆の活躍は認め、最後は誰に言うでもなく絶叫していた。
まぁ、悔しさをバネに頑張ってくれ。
悔しがるミーコを宥めたあと、やっと戦闘訓練に入る。と言っても今日は初日なので、全員で木刀を持ってコータに見てもらいながら素振りをしていくことになった。
しかし、コータは説明下手なので助言と言える助言はなく、主にお手本だ。さすが長年剣道をして剣術スキルも持っているだけあって、俺たち素人とは振りの速さや安定感が違う。ノバラも振りの速さだけなら負けていないようだが安定感はない。むしろ速さがあるだけに、かえって木刀に振り回される感じになっていた。サーヤに至っては握力がないからなのか、何度か木刀が手からすっぽ抜けていた。危なすぎるだろ。
この日はこんな感じで、魔法に関する練習と戦闘訓練を繰り返し交互に行った。俺とサーヤは気が散るので、魔法練習組の声が聞こえないくらいまで距離をとって行った。
途中、仕事の合間を見てアヤメさんが弁当を届けがてら指導に来てくれたが、結局俺もサーヤも魔力の流れを感じることはできなかった。コータとミーコは少し慣れてきたらしく、最後には魔法発動までの時間が30秒くらいに短くなったようだ。そして、俺とサーヤは1レベルアップ、ミーコとコータは2レベルアップして特訓を終えた。
俺たちはとにかく特訓だ。俺とサーヤは体内の魔力の流れを感じられるよう、やり方をもう一度ノバラに確認してから始めた。もの凄く地味な特訓だ。もちろん早く魔法を使いたいし、レベルアップもしたいし、自分が適性のある属性も気になり、焦りが募っていく。
一方、ミーコとコータはノバラの指導のもとで魔法を打つ練習をするらしい。今の時点では発動までに時間がかかってしまうが、練習だからそこは問題ない。とにかく回数を重ねることで発動スピードも速くなるし、レベルアップのための経験値稼ぎもできるそうだ。
ノバラが使えるのは地魔法と風魔法と水魔法だ。ミーコは風魔法なので、先生としてはうってつけだろう。とりあえず最初は『エアカッター』を使えるように練習するそうだ。風の刃を飛ばして攻撃する魔法で、最初は皮膚が切れる程度のものしか使えないらしい。しかし、MPが増えれば的にしている直径40cmほどの木も、一撃でバッサリ切れるようになるとのことだ。そこまではノバラもまだできないそうだが…。
少しだけMPが回復したノバラが、お手本とばかりにMP2だけ使ってやって見せる。
『エアカッター』……シュッ!
ノバラが技名を言って1.5秒後くらいに丸太の表面に傷ができた。風の刃だけあって、傷ができるまで全く見えなかった。
「おおー、威力弱弱だけど、全然見えなかったっすね!」
「地味だと思ってたけど、見えない刃ってなかなかいいかも!」
「有用性は高そうだな」
「まぁ、魔力感知が得意なモンスターとかだと避けられますけどね」
なるほど、そういうのもいるのか。
それでも使いこなせるようになれば、威力やスピードを増すだけでなく、軌道を曲げたり同時にいくつも出したりと、なかなか汎用性の高い攻撃魔法だそうだ。
コータは火魔法なので、アヤメさんも言っていた『ファイヤーボール』から練習するそうだ。こちらはお手本なしだが、まぁファイヤーボールならイメージはできるよな。
2人とも最初はとにかくイメージトレーニングをしっかり行ってから、実際に打つらしい。最初は威力を上げるよりも回数優先なのでMP1で繰り返すそうだ。
村の中ならモンスターに襲われる心配はない。そのためMPを使いきっても構わないのだが、それで動けなくなっては時間がもったいない。少しMPを残しておいて回復を待つ間は戦闘訓練をするように言っておいた。
すると…
「あれ? ユウ兄は魔力の流れを感じる練習するんじゃないの? そんな油売ってていいの?」
うるさいな。気になるんだよ! 集中できないんだよ! ほっとけ!!
少し離れた場所に移動してそれぞれ特訓を始めるが、しばらくしてから技名を言う声や何かの音が聞こえてくるようになり、その度にどうしても気になってしまう。それは俺の近くで一緒に特訓中のサーヤも同じようだ。これは仕方ないよな。
コータもミーコも、やはり発動までの時間がかなりかかるようで、技名を叫んでから1分近くかかっているようだ。けれど、時間をかければちゃんと発動できているようで、「おおー」とか「やった!」とか聞こえてくる。
結局、俺もサーヤも全く自分のことに集中できないままに、ミーコとコータの両方が残りMP2になったということで戦闘訓練に移るタイミングで合流した。ちなみに、ミーコもコータも現在のMPは12だったはずなので、もうすでに10回魔法を打ったということか…。
MPは時間経過で勝手に回復していくそうだ。1時間で2~3割程度の回復スピードだが、個人差があるらしい。一気に回復する薬もあるそうだが、それなりのお金がかかるとのことだ。
回復が1時間に2割程度とすると、2時間で5くらい回復するということ。なので、とりあえずは魔法練習→2時間戦闘訓練(途中適度に休憩をはさむ)→魔法練習→戦闘訓練…というローテーションを設定した。
一応、準備運動として軽くストレッチと訓練場を5周ほどランニングしてから訓練に入る。当然のようにノバラも混ざって一緒に行った。
ランニングではノバラが一番早く、コータでも付いていくのがやっとという状態で、走り終えた後の息の乱れが全然違っていた。レベルアップの恩恵なんだろうな。陸上部のミーコも付いていけず、2人から半周以上は遅れていた。俺とサーヤは論外で、俺はミーコより更に半周以上、サーヤは俺より1周近く遅れていた。つまり、ノバラはサーヤに2周差をつけて尚且つまだ余裕がある感じだったわけだ。それでも、俺はここ数年の感覚からすると、思ったより早く走れた気がする。
「やっぱレベルの違いっすかね…」
「えへへ。私は今レベル14ですからね! でも、コータさんも早くてビックリしましたよ~。MPが少ないからレベルはそう高くないかと思いましたけど…」
「自分はレベル8っす。でもレベルの差があるとは言え女の子に負けるのは悔しいっすね!」
コータはそれほど悔しそうにでもなく、爽やか笑顔で言う。なんとなくノバラの顔が赤いのはランニングの後だからなのか、コータの笑顔にやられたからなのか…。
そうこうしている内にサーヤもゴールし、見守っていたミーコがすぐさま駆け寄っていく。
「サーヤ! すごいじゃん! 絶対速くなったよね!?」
ミーコが自分のことのように嬉しそうにはしゃぐ。
「はぁ、はぁ、うん、みんなに、比べたら、はぁ、はぁ、かなり遅い、けど、はぁ、速くなったと思う、よ!」
かなり息が上がっているが、サーヤも嬉しそうに返している。サーヤの運動能力がどれくらいなのかはよく知らなかったが、2人が言うんだから速くなってるんだろう。
「多分だけど、ホーンラビットを倒してからレベルが上がったんじゃないかなって思うんだ。そのおかげだと思うの」
息切れの治まったサーヤが考えを告げる。と、ノバラが反応した。
「確かに、実践が一番早くレベルが上がるし、レベルアップで身体能力もアップしますから、それはあるかもですね」
やっぱ実践が一番なのか。となると、俺が速くなった気がしたのもレベルアップの恩恵かもしれないな。
「でも、与えたダメージの多さや活躍度が経験値に反映されるハズなんですけど、サーヤさんがそんなにダメージを…?」
ノバラは素朴な疑問を口にしただけなのだが、俺たち3人は「あー、まぁ…」とか「そう、ねぇ…」とか曖昧に口を濁して視線を逸らすしかできなかった。あれは、できれば思い出したくない光景なのだ。
「あの時は無我夢中で攻撃しましたから…」
サーヤだけは若干照れたように、にこやかに話している。
「自分もホーンラビット戦の後から、体が軽いというか調子イイなって感じなんすよ! もしかして自分もレベルアップしたんすかね?」
いちはやく立ち直ったコータが言う。
「えー! あたしはいつも通りだよ~。サーヤもコータくんもズルイ!」
「俺も体が軽くなってるし、さっきも思ったより速く走れたぞ」
「えっ! マジ!? ユウ兄まで? じゃああたしだけアップしてないってこと!?」
「まぁそうなるな。お前大して活躍してなかったし」
「え~! そんなことないもん! そりゃあ、サーヤはユウ兄を助けたし、コータくん…はトドメさしたし、ユウ兄は…ユウ兄も攻撃全部受けてた…、けど、あたしだって頑張ったのにぃ~っ!!」
ミーコはだんだん小声になりながらも皆の活躍は認め、最後は誰に言うでもなく絶叫していた。
まぁ、悔しさをバネに頑張ってくれ。
悔しがるミーコを宥めたあと、やっと戦闘訓練に入る。と言っても今日は初日なので、全員で木刀を持ってコータに見てもらいながら素振りをしていくことになった。
しかし、コータは説明下手なので助言と言える助言はなく、主にお手本だ。さすが長年剣道をして剣術スキルも持っているだけあって、俺たち素人とは振りの速さや安定感が違う。ノバラも振りの速さだけなら負けていないようだが安定感はない。むしろ速さがあるだけに、かえって木刀に振り回される感じになっていた。サーヤに至っては握力がないからなのか、何度か木刀が手からすっぽ抜けていた。危なすぎるだろ。
この日はこんな感じで、魔法に関する練習と戦闘訓練を繰り返し交互に行った。俺とサーヤは気が散るので、魔法練習組の声が聞こえないくらいまで距離をとって行った。
途中、仕事の合間を見てアヤメさんが弁当を届けがてら指導に来てくれたが、結局俺もサーヤも魔力の流れを感じることはできなかった。コータとミーコは少し慣れてきたらしく、最後には魔法発動までの時間が30秒くらいに短くなったようだ。そして、俺とサーヤは1レベルアップ、ミーコとコータは2レベルアップして特訓を終えた。
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誠に勝手ながら、こちらの作品は、2017年12月1日の投稿をもって無期限の休止にさせていただきます。次話からは2章に突入予定でおりますが、また書き溜めができれば再開するかと思います。気長にお待ちいただければ幸いです。ここまで読んでくださってありがとうございました。
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